トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 14

数学3 最大最小・解の個数 問題 14 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 14 解説

方針・初手

直線と曲線の交点と、定点(今回は円上の点 $\text{P}$)との距離の積を求める問題である。定点を通る直線を媒介変数 $t$(定点からの有向距離)を用いて表し、曲線の方程式に代入して解と係数の関係を利用する手法が非常に有効である。または、直線を $y=x+k$ とおいて交点の座標を直接扱い、後から $\text{P}$ の座標との関係式に持ち込んでもよい。得られた関係式を、円上の点の媒介変数表示を用いて1変数の最大・最小問題に帰着させる。

解法1

円 $(x-1)^2+y^2=1$ 上の点 $\text{P}$ の座標を $(p, q)$ とおく。 $\text{P}$ は円上の点であるから、以下の式を満たす。

$$(p-1)^2+q^2=1$$

これを展開して整理すると、

$$p^2+q^2 = 2p$$

点 $\text{P}(p, q)$ を通り、傾き $1$ の直線 $l$ は、$\text{P}$ からの符号付き距離を $t$ とすると、方向ベクトルが $(1, 1)$ に平行であり、大きさ $1$ の方向ベクトル $\left( \frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}} \right)$ を用いて次のように媒介変数表示できる。

$$\begin{cases} x = p + \frac{t}{\sqrt{2}} \\ y = q + \frac{t}{\sqrt{2}} \end{cases}$$

これらが双曲線 $xy=4$ 上にあるとき、

$$\left( p + \frac{t}{\sqrt{2}} \right) \left( q + \frac{t}{\sqrt{2}} \right) = 4$$

展開して $t$ について整理すると、

$$\frac{1}{2}t^2 + \frac{p+q}{\sqrt{2}}t + pq - 4 = 0$$

直線 $l$ と双曲線 $xy=4$ の2つの交点 $\text{Q}_1, \text{Q}_2$ に対応する $t$ の値をそれぞれ $t_1, t_2$ とすると、$t_1, t_2$ はこの $t$ についての2次方程式の実数解である。

ここで、$|t_1|$ は線分 $\text{PQ}_1$ の長さ、$|t_2|$ は線分 $\text{PQ}_2$ の長さを表す。 よって、求める線分の長さの積は、解と係数の関係より、

$$\text{PQ}_1 \cdot \text{PQ}_2 = |t_1| |t_2| = |t_1 t_2| = \left| \frac{pq - 4}{\frac{1}{2}} \right| = 2|pq - 4|$$

次に、$pq$ の取りうる値の範囲を調べる。 $\text{P}(p, q)$ は円 $(x-1)^2+y^2=1$ 上の点であるから、媒介変数 $\theta \ (0 \leqq \theta < 2\pi)$ を用いて以下のように表せる。

$$\begin{cases} p = 1 + \cos \theta \\ q = \sin \theta \end{cases}$$

これより、$pq$ は、

$$pq = (1 + \cos \theta)\sin \theta = \sin \theta + \sin \theta \cos \theta = \sin \theta + \frac{1}{2}\sin 2\theta$$

$f(\theta) = \sin \theta + \frac{1}{2}\sin 2\theta$ とおく。$\theta$ で微分すると、

$$f'(\theta) = \cos \theta + \cos 2\theta = \cos \theta + (2\cos^2 \theta - 1) = (2\cos \theta - 1)(\cos \theta + 1)$$

$0 \leqq \theta < 2\pi$ において $f'(\theta) = 0$ となるのは、$\cos \theta = \frac{1}{2}$ または $\cos \theta = -1$ のとき、すなわち $\theta = \frac{\pi}{3}, \pi, \frac{5}{3}\pi$ のときである。 $f(\theta)$ の増減を調べると以下のようになる。

したがって、$f(\theta)$ は $\theta = \frac{\pi}{3}$ で最大値をとる。 その最大値は、

$$f\left(\frac{\pi}{3}\right) = \sin \frac{\pi}{3} + \frac{1}{2}\sin \frac{2\pi}{3} = \frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{3\sqrt{3}}{4}$$

ここで、$\frac{3\sqrt{3}}{4} = \sqrt{\frac{27}{16}} < \sqrt{\frac{64}{16}} = 2 < 4$ であるから、常に $pq \leqq \frac{3\sqrt{3}}{4} < 4$ が成り立つ。 よって、$pq - 4 < 0$ であり、絶対値を外すと以下のようになる。

$$\text{PQ}_1 \cdot \text{PQ}_2 = 2|pq - 4| = -2(pq - 4) = 8 - 2pq$$

この式が最小となるのは、$pq$ が最大となるときである。 $pq$ の最大値は $\frac{3\sqrt{3}}{4}$ であるから、求める最小値は、

$$8 - 2 \left( \frac{3\sqrt{3}}{4} \right) = 8 - \frac{3\sqrt{3}}{2}$$

解法2

円 $(x-1)^2+y^2=1$ 上の点 $\text{P}$ の座標を $(p, q)$ とおく。 直線 $l$ は傾きが $1$ で $\text{P}(p, q)$ を通るから、その方程式は $y - q = 1 \cdot (x - p)$ より、

$$y = x - p + q$$

ここで $k = -p + q$ とおくと、直線 $l$ の方程式は $y = x + k$ となる。 この直線と双曲線 $xy = 4$ の交点 $\text{Q}_1, \text{Q}_2$ の $x$ 座標を求めるため、式を連立する。

$$x(x + k) = 4$$

$$x^2 + kx - 4 = 0$$

この2次方程式の判別式は $D = k^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-4) = k^2 + 16 > 0$ となり、常に異なる2つの実数解をもつ。その解を $\alpha, \beta$ とすると、交点の座標は $\text{Q}_1(\alpha, \alpha+k), \text{Q}_2(\beta, \beta+k)$ と表せる。 点 $\text{P}$ も直線 $y = x + k$ 上の点であるから、$q = p + k$ が成り立ち、$\text{P}$ の座標は $(p, p+k)$ とみることができる。 線分の長さ $\text{PQ}_1, \text{PQ}_2$ は、直線が傾き $1$ (すなわち $x$ 軸の正の向きと $\frac{\pi}{4}$ の角をなす)であることから、 $x$ 座標の差を用いて次のように表せる。

$$\text{PQ}_1 = \sqrt{2} |p - \alpha|$$

$$\text{PQ}_2 = \sqrt{2} |p - \beta|$$

よって、線分の長さの積は、

$$\text{PQ}_1 \cdot \text{PQ}_2 = 2 |(p - \alpha)(p - \beta)| = 2 |p^2 - (\alpha + \beta)p + \alpha \beta|$$

解と係数の関係より、$\alpha + \beta = -k$、$\alpha \beta = -4$ であるから、これらを代入する。

$$\text{PQ}_1 \cdot \text{PQ}_2 = 2 |p^2 + kp - 4|$$

ここで $k = q - p$ を代入して整理する。

$$p^2 + (q - p)p - 4 = p^2 + pq - p^2 - 4 = pq - 4$$

したがって、求める値は $2|pq - 4|$ となる。 これ以降、$pq$ の最大値を求め、$\text{PQ}_1 \cdot \text{PQ}_2$ の最小値を導き出す手順は、解法1と同様である。

解説

2次曲線(今回は双曲線)と直線の交点間の距離、あるいは定点から交点までの距離の積を扱う問題では、直線を「有向距離 $t$ を用いた媒介変数表示」で表す手法(解法1)が極めて強力である。解と係数の関係と組み合わせることで、交点の座標を直接求めることなく、距離の積を容易に立式できる。 解法2のように直線の式と曲線の方程式を連立し、交点の $x$ 座標の差から距離を求めるのも標準的な解法であるが、斜めの直線の場合は $\sqrt{1+m^2}$($m$ は傾き)を掛け忘れないように注意が必要である。 距離の積が $p, q$ の式($pq-4$)に簡略化された後は、円上の点の条件を用いた2変数関数の最大・最小問題となる。円上の点は $(\cos \theta, \sin \theta)$ を用いて1変数に帰着させるのが定石である。

答え

$8 - \frac{3\sqrt{3}}{2}$

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