トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 38

数学3 最大最小・解の個数 問題 38 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 38 解説

方針・初手

(1) 微分法を用いて関数の増減と凹凸を調べる。第2次導関数の符号から上に凸であることを示し、第1次導関数の単調性と中間値の定理から、導関数が $0$ となる点が1つだけ存在することを示す。

(2) $a_n$ の自然対数をとると、(1)の関数 $f(x)$ に $x=n$ を代入した形になることに着目する。対数関数が単調増加であることを利用し、$f(n)$ が最大となる自然数の個数を、関数の上に凸性(またはロールの定理)を利用して絞り込む。

(3) 最大値を与える自然数が2つある場合、それらは連続する整数でなければならないことを関数の上に凸性から示す。そこから $a_n = a_{n+1}$ という等式を導き、互いに素な整数の累乗に関する性質を用いて $N$ の値を決定する。

解法1

(1)

$f(x) = (N-x)\log x$ ($1 \leqq x \leqq N$) を $x$ について微分すると、

$$f'(x) = -1 \cdot \log x + (N-x) \cdot \frac{1}{x} = -\log x + \frac{N}{x} - 1$$

さらに第2次導関数を求めると、

$$f''(x) = -\frac{1}{x} - \frac{N}{x^2} = -\frac{x+N}{x^2}$$

$1 \leqq x \leqq N$ において $x > 0$ であり、$N$ は2以上の自然数であるから $N > 0$ である。 したがって、常に $f''(x) < 0$ が成り立つ。 よって、曲線 $y = f(x)$ は上に凸である。

次に、極大値について調べる。 $f''(x) < 0$ であるから、$f'(x)$ は $1 \leqq x \leqq N$ において単調に減少する。 区間の両端における $f'(x)$ の値を調べると、

$$\begin{aligned} f'(1) &= -\log 1 + N - 1 = N - 1 \\ f'(N) &= -\log N + \frac{N}{N} - 1 = -\log N \end{aligned}$$

$N \geqq 2$ より $f'(1) > 0$ であり、また $N > 1$ より $\log N > 0$ であるから $f'(N) < 0$ となる。 $f'(x)$ は連続関数であり、$f'(1) > 0$ かつ $f'(N) < 0$ であるから、中間値の定理より $f'(c) = 0$ を満たす $c$ が $1 < c < N$ の範囲にただ1つ存在する。 これより、$f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $1$ $\cdots$ $c$ $\cdots$ $N$
$f'(x)$ $+$ $+$ $0$ $-$ $-$
$f(x)$ $0$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ $0$

したがって、関数 $f(x)$ は $x=c$ において極大値を1つだけとる。

(2)

$a_n = n^{N-n}$ ($n=1, 2, \dots, N$) の両辺について、底 $e$ の自然対数をとると、

$$\log a_n = (N-n) \log n = f(n)$$

対数関数 $y = \log x$ は単調増加関数であるから、$a_n$ が最大となることと、$\log a_n = f(n)$ が最大となることは同値である。 すなわち、$M = a_n$ となる $n$ の個数 $k$ は、$f(n)$ の最大値を与える自然数 $n$ の個数に等しい。

ここで、$k \geqq 3$ であると仮定する。 最大値を与える自然数が少なくとも3つ存在することになるので、それらのうち小さい方から順に $n_1, n_2, n_3$ ($n_1 < n_2 < n_3$) とおく。 これらはすべて最大値を与えるので、

$$f(n_1) = f(n_2) = f(n_3)$$

が成り立つ。 関数 $f(x)$ は $1 \leqq x \leqq N$ で微分可能であるから、区間 $[n_1, n_2]$ および $[n_2, n_3]$ に対してロールの定理を適用すると、

$$\begin{aligned} f'(c_1) &= 0 \quad (n_1 < c_1 < n_2) \\ f'(c_2) &= 0 \quad (n_2 < c_2 < n_3) \end{aligned}$$

を満たす実数 $c_1, c_2$ ($c_1 \neq c_2$) が存在することになる。 しかし、これは(1)で示した「$f'(x) = 0$ を満たす $x$ がただ1つ存在する」という事実に矛盾する。 したがって仮定は誤りであり、$k \leqq 2$ であることが示された。

(3)

$k=2$ のとき、最大値を与える自然数がちょうど2つ存在する。それらを $m, l$ ($m < l$) とおく。 もし $l - m \geqq 2$ であるとすると、$m < m+1 < l$ を満たす自然数 $m+1$ が存在する。 (1)より $f(x)$ は上に凸であるため、曲線上の点 $(m+1, f(m+1))$ は、2点 $(m, f(m))$ と $(l, f(l))$ を結ぶ線分よりも上側にある。 $f(m) = f(l)$ であるから、

$$f(m+1) > f(m)$$

となるが、これは $f(m)$ が最大値であることに矛盾する。 したがって、$l - m = 1$、すなわち $l = m+1$ でなければならない。

よって、$k=2$ となるためには、$f(n) = f(n+1)$ すなわち $a_n = a_{n+1}$ を満たす自然数 $n$ が存在することが必要である。

$$n^{N-n} = (n+1)^{N-n-1}$$

両辺に $n+1$ を掛けると、

$$(n+1) \cdot n^{N-n} = (n+1)^{N-n}$$

ここで、$L = N-n$ とおくと、

$$(n+1) \cdot n^L = (n+1)^L$$

$$n^L = (n+1)^{L-1}$$

もし $L \leqq 0$ とすると $N \leqq n$ となり、これは $a_N = N^0 = 1$ を考慮すると $n$ が最大値を与える条件に反するため、$L$ は自然数である。 連続する自然数 $n$ と $n+1$ は互いに素である。 したがって、$n \geqq 2$ とすると、$n^L$ と $(n+1)^{L-1}$ は共通の素因数を持たない。 等式が成り立つためには、両辺が共通の素因数を持たない状態、すなわち両底が互いに素であることを踏まえると、$n=1$ でなければならない。

$n=1$ のとき、等式は、

$$1^L = 2^{L-1}$$

$$1 = 2^{L-1}$$

これを満たすのは $L-1 = 0$ すなわち $L = 1$ のときのみである。 $L = N-n$ に $n=1, L=1$ を代入して、

$$1 = N - 1$$

$$N = 2$$

逆に $N=2$ のとき、数列 $a_n$ は $a_1 = 1^{2-1} = 1$、$a_2 = 2^{2-2} = 1$ となる。 最大値 $M=1$ を与える $n$ は1と2の2個であり、確かに $k=2$ となる。 以上より、$k=2$ となるのは $N=2$ のときだけである。

解説

(1)は微積分を用いた基本的な関数調べです。上に凸であることを示すために第2次導関数の符号を調べるのが定石です。 (2)では「最大値そのもの」ではなく「最大値を与える $n$ の個数」に焦点が当てられています。連続関数の性質(ロールの定理や上に凸であること)を離散的な数列に適用する発想が重要です。 (3)は、最大値を与える2つの $n$ が隣り合う整数でなければならないことを論理的に見抜き、そこから得られる等式を「互いに素」という整数の性質を用いて解き進める、融合問題として美しい構成になっています。

答え

(1) 第1次導関数の単調性と中間値の定理より示された。

(2) 背理法とロールの定理により示された。

(3) 隣り合う自然数が互いに素である性質を用いて示された。

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