数学3 最大最小・解の個数 問題 40 解説

方針・初手
2点 $\mathrm{P}, \mathrm{Q}$ の座標を文字で設定し、傾き $m$、中点の $y$ 座標 $h$、線分 $\mathrm{PQ}$ の長さ $L$ をそれぞれ立式する。その後、$x$ 座標の文字を消去して $h$ を $L$ と $m$ の式で表す。 (2)では、導出した $h$ の式を $m$(またはその関連する変数)の関数とみなし、変数のとりうる値の範囲に注意しながら最小値を求める。
解法1
(1)
放物線 $y = x^2$ 上の異なる2点 $\mathrm{P}, \mathrm{Q}$ の $x$ 座標をそれぞれ $p, q$ ($p \neq q$) とおく。 $\mathrm{P}(p, p^2), \mathrm{Q}(q, q^2)$ であり、線分 $\mathrm{PQ}$ の傾き $m$ は
$$m = \frac{q^2 - p^2}{q - p} = p + q$$
線分 $\mathrm{PQ}$ の中点の $y$ 座標 $h$ は
$$h = \frac{p^2 + q^2}{2}$$
線分 $\mathrm{PQ}$ の長さ $L$ について、$L^2$ は
$$L^2 = (q - p)^2 + (q^2 - p^2)^2 = (q - p)^2 \{1 + (p + q)^2\} = (q - p)^2 (1 + m^2)$$
ここで、$(q - p)^2$ を $m$ と $h$ で表す。
$$(q - p)^2 = (p + q)^2 - 4pq$$
であり、$h = \frac{(p+q)^2 - 2pq}{2} = \frac{m^2 - 2pq}{2}$ より $2pq = m^2 - 2h$ であるから
$$(q - p)^2 = m^2 - 2(m^2 - 2h) = 4h - m^2$$
これを $L^2$ の式に代入すると
$$L^2 = (4h - m^2)(1 + m^2)$$
これを $h$ について解くと
$$4h - m^2 = \frac{L^2}{1 + m^2}$$
$$4h = m^2 + \frac{L^2}{1 + m^2}$$
$$h = \frac{m^2}{4} + \frac{L^2}{4(1 + m^2)}$$
(2)
(1)で求めた $h$ の式において、$t = 1 + m^2$ とおく。 点 $\mathrm{P}, \mathrm{Q}$ が放物線上の任意の異なる2点であるとき、$m$ はすべての実数値をとりうるため、$m^2 \ge 0$ より $t \ge 1$ である。 $h$ を $t$ の関数とみて $f(t)$ とおくと
$$f(t) = \frac{t - 1}{4} + \frac{L^2}{4t} = \frac{1}{4} \left( t + \frac{L^2}{t} - 1 \right) \quad (t \ge 1)$$
この関数の $t \ge 1$ における最小値を求める。$f(t)$ を $t$ で微分すると
$$f'(t) = \frac{1}{4} \left( 1 - \frac{L^2}{t^2} \right) = \frac{t^2 - L^2}{4t^2}$$
点 $\mathrm{P}, \mathrm{Q}$ は異なる2点であるから $L > 0$ であることに注意して、増減を調べる。
(i) $L \ge 1$ のとき
$t \ge 1$ において、$f'(t) = 0$ となるのは $t = L$ のときである。 $1 \le t < L$ では $f'(t) < 0$、$t > L$ では $f'(t) > 0$ となるため、$f(t)$ は $t = L$ で最小となる。 最小値は
$$f(L) = \frac{1}{4} \left( L + \frac{L^2}{L} - 1 \right) = \frac{2L - 1}{4}$$
(ii) $0 < L < 1$ のとき
$t \ge 1$ において、常に $t > L$ であるから $f'(t) > 0$ となる。 したがって、$f(t)$ は $t \ge 1$ において単調に増加する。 よって、$f(t)$ は $t = 1$ で最小となる。 最小値は
$$f(1) = \frac{1}{4} \left( 1 + \frac{L^2}{1} - 1 \right) = \frac{L^2}{4}$$
解説
2変数関数の処理と最小値問題の典型的な良問である。 (1)は、対称式の基本変形を用いて文字を減らしていく作業である。$(q-p)^2$ を $p+q$ と $pq$ だけで表す変形は頻出であるため、確実にできるようにしておきたい。 (2)では、$t + \frac{L^2}{t}$ の形が現れるため、すぐに相加平均と相乗平均の大小関係を使いたくなる。しかし、変数 $t$ のとりうる値の範囲が $t \ge 1$ に制限されているため、等号成立条件である $t = L$ がその範囲に含まれるかどうか(すなわち $L \ge 1$ かどうか)で場合分けが必要になる。定義域の制限を見落として相加・相乗平均の関係だけを盲信すると、誤答につながりやすいポイントである。微分を用いて増減を調べることで、安全かつ確実な議論が可能である。
答え
(1)
$$h = \frac{m^2}{4} + \frac{L^2}{4(1 + m^2)}$$
(2)
$L \ge 1$ のとき、最小値 $\frac{2L - 1}{4}$
$0 < L < 1$ のとき、最小値 $\frac{L^2}{4}$
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