トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 46

数学3 最大最小・解の個数 問題 46 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 46 解説

方針・初手

まずは関数 $f(x)$ を微分し、点 $\text{P}$ における接線 $l$ の方程式を求める。 接線の方程式が求まれば、座標軸との交点 $\text{S}$、$\text{T}$ の座標は容易に求められる。線分 $\text{ST}$ の長さ $L$ を $a$ の式で表した後、(3) ではその最小値を求めるが、根号内の関数の最小値を考えることになる。微分を利用する標準的な方法と、相加平均と相乗平均の大小関係を利用する工夫の2つのアプローチが考えられる。

解法1

(1)

$f(x) = \frac{1}{\sqrt{x}} = x^{-\frac{1}{2}}$ を微分すると

$$f'(x) = -\frac{1}{2}x^{-\frac{3}{2}} = -\frac{1}{2x\sqrt{x}}$$

となる。

点 $\text{P}(a, f(a))$ すなわち $\left(a, \frac{1}{\sqrt{a}}\right)$ における接線 $l$ の方程式は

$$y - \frac{1}{\sqrt{a}} = -\frac{1}{2a\sqrt{a}}(x - a)$$

これを整理して

$$y = -\frac{1}{2a\sqrt{a}}x + \frac{1}{2\sqrt{a}} + \frac{1}{\sqrt{a}} = -\frac{1}{2a\sqrt{a}}x + \frac{3}{2\sqrt{a}}$$

接線 $l$ が $x$ 軸と交わる点 $\text{S}$ の $x$ 座標は、$y = 0$ とおいて

$$0 = -\frac{1}{2a\sqrt{a}}x + \frac{3}{2\sqrt{a}}$$

$$\frac{1}{2a\sqrt{a}}x = \frac{3}{2\sqrt{a}}$$

$a > 0$ より $x = 3a$ となる。 したがって、点 $\text{S}$ の座標は $(3a, 0)$ である。

接線 $l$ が $y$ 軸と交わる点 $\text{T}$ の $y$ 座標は、$x = 0$ とおいて

$$y = \frac{3}{2\sqrt{a}}$$

となる。 したがって、点 $\text{T}$ の座標は $\left(0, \frac{3}{2\sqrt{a}}\right)$ である。

(2)

点 $\text{S}(3a, 0)$ と 点 $\text{T}\left(0, \frac{3}{2\sqrt{a}}\right)$ を結ぶ線分 $\text{ST}$ の長さ $L$ は

$$\begin{aligned} L &= \sqrt{(3a - 0)^2 + \left(0 - \frac{3}{2\sqrt{a}}\right)^2} \\ &= \sqrt{9a^2 + \frac{9}{4a}} \\ &= \frac{3}{2}\sqrt{4a^2 + \frac{1}{a}} \end{aligned}$$

となる。

(3)

$L$ は正の値をとるため、根号の中身である $g(a) = 4a^2 + \frac{1}{a} \ (a > 0)$ が最小となるとき、$L$ も最小となる。

$g(a)$ を微分すると

$$g'(a) = 8a - \frac{1}{a^2} = \frac{8a^3 - 1}{a^2}$$

$g'(a) = 0$ となるのは $8a^3 - 1 = 0$ すなわち $a^3 = \frac{1}{8}$ のときである。 $a > 0$ であるから、$a = \frac{1}{2}$ である。

$a > 0$ における $g(a)$ の増減表は以下のようになる。

$$\begin{array}{c|c|c|c|c} a & (0) & \cdots & \frac{1}{2} & \cdots \\ \hline g'(a) & & - & 0 & + \\ \hline g(a) & & \searrow & \text{極小} & \nearrow \end{array}$$

増減表より、$g(a)$ は $a = \frac{1}{2}$ のとき最小値をとり、その最小値は

$$g\left(\frac{1}{2}\right) = 4\left(\frac{1}{2}\right)^2 + \frac{1}{\frac{1}{2}} = 1 + 2 = 3$$

となる。 したがって、$L$ の最小値は

$$L = \frac{3}{2}\sqrt{3} = \frac{3\sqrt{3}}{2}$$

となる。

解法2

(1)、(2) は解法1と同じ。

(3)

$L = \frac{3}{2}\sqrt{4a^2 + \frac{1}{a}}$ において、根号の中身を変形すると

$$4a^2 + \frac{1}{a} = 4a^2 + \frac{1}{2a} + \frac{1}{2a}$$

$a > 0$ より $4a^2 > 0, \frac{1}{2a} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係を用いると

$$4a^2 + \frac{1}{2a} + \frac{1}{2a} \geqq 3 \sqrt[3]{4a^2 \cdot \frac{1}{2a} \cdot \frac{1}{2a}} = 3 \sqrt[3]{1} = 3$$

が成り立つ。

等号が成立するのは $4a^2 = \frac{1}{2a}$ かつ $\frac{1}{2a} = \frac{1}{2a}$ のとき、すなわち $8a^3 = 1$ より $a = \frac{1}{2}$ のときであり、これは $a > 0$ を満たす。

したがって、$4a^2 + \frac{1}{a}$ の最小値は $3$ であるから、$L$ の最小値は

$$L = \frac{3}{2}\sqrt{3} = \frac{3\sqrt{3}}{2}$$

となる。

解説

(1) と (2) は微分法の基本的な計算問題であり、確実に得点したい。分数関数の微分計算において符号や指数の扱いに注意が必要である。

(3) における最小値の求め方がポイントとなる。数学IIIの範囲として増減表を書いて求める「解法1」が正攻法であるが、式をうまく分割して相加平均と相乗平均の大小関係を用いる「解法2」に気づくことができれば、計算量を大幅に減らすことができる。変数が3つ以上の相加平均と相乗平均の大小関係の利用は入試においてしばしば見られるテクニックであるため、習熟しておきたい。

答え

(1) $\text{S}(3a, 0)$, $\text{T}\left(0, \frac{3}{2\sqrt{a}}\right)$

(2) $L = \frac{3}{2}\sqrt{4a^2 + \frac{1}{a}}$

(3) 最小値は $\frac{3\sqrt{3}}{2}$

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