数学3 合成関数 問題 5 解説

方針・初手
(1) は不等式の証明の基本に従い、$1 - f_q(x) > 0$ と $f_q(x) - (-1) > 0$ をそれぞれ示して $-1 < f_q(x) < 1$ を導く。 (2) は定義通りに関数の合成を計算し、与えられた形に変形して $r$ を求める。$r$ の不等式評価も(1)と同様に差をとって正であることを示す。 (3) は(2)で求めた関数と $f_q(x)$ が一致する条件から、$x$ についての恒等式として扱う。
解法1
(1)
示すべき不等式 $-1 < f_q(x) < 1$ は、$1 - f_q(x) > 0$ かつ $f_q(x) + 1 > 0$ と同値である。
まず、$1 - f_q(x)$ を計算する。
$$1 - f_q(x) = 1 - \frac{x-q}{1-qx} = \frac{1-qx - (x-q)}{1-qx} = \frac{1-x-qx+q}{1-qx} = \frac{(1+q)(1-x)}{1-qx}$$
条件より $-1 < x < 1$ および $-1 < q < 1$ であるから、$1-x > 0$ かつ $1+q > 0$ である。 また、$|qx| = |q||x| < 1 \cdot 1 = 1$ であるから、$1-qx > 0$ である。 したがって、$1 - f_q(x) > 0$ が成り立つ。
次に、$f_q(x) + 1$ を計算する。
$$f_q(x) + 1 = \frac{x-q}{1-qx} + 1 = \frac{x-q + 1-qx}{1-qx} = \frac{1+x-q-qx}{1-qx} = \frac{(1-q)(1+x)}{1-qx}$$
同様に、$1+x > 0$ かつ $1-q > 0$ であり、$1-qx > 0$ であるから、$f_q(x) + 1 > 0$ が成り立つ。
以上より、定義域内のすべての $x$ に対して $-1 < f_q(x) < 1$ が示された。
(2)
定義に従って $f_p(f_q(x))$ を計算する。
$$f_p(f_q(x)) = \frac{f_q(x)-p}{1-pf_q(x)} = \frac{\frac{x-q}{1-qx} - p}{1 - p \cdot \frac{x-q}{1-qx}}$$
分母分子に $1-qx$ を掛ける。
$$f_p(f_q(x)) = \frac{(x-q) - p(1-qx)}{(1-qx) - p(x-q)} = \frac{x - q - p + pqx}{1 - qx - px + pq} = \frac{(1+pq)x - (p+q)}{1+pq - (p+q)x}$$
ここで、$-1 < p < 1, -1 < q < 1$ より $(1-p)(1-q) > 0$ であるから、
$$1 - p - q + pq > 0 \iff 1+pq > p+q$$
また、$(1+p)(1+q) > 0$ より、
$$1 + p + q + pq > 0 \iff 1+pq > -(p+q)$$
よって $1+pq > |p+q| \ge 0$ となり、$1+pq \neq 0$ である。 したがって、分母分子を $1+pq$ で割ることができ、以下のようになる。
$$f_p(f_q(x)) = \frac{x - \frac{p+q}{1+pq}}{1 - \frac{p+q}{1+pq}x}$$
これが $\frac{x-r}{1-rx}$ と一致するので、$r$ は次のように表される。
$$r = \frac{p+q}{1+pq}$$
次に、$-1 < r < 1$ を示す。(1)と同様に $1-r > 0$ と $r+1 > 0$ を示す。
$$1 - r = 1 - \frac{p+q}{1+pq} = \frac{1+pq - (p+q)}{1+pq} = \frac{(1-p)(1-q)}{1+pq}$$
先ほどの議論より $1-p > 0, 1-q > 0, 1+pq > 0$ であるから、$1-r > 0$ となる。
$$r + 1 = \frac{p+q}{1+pq} + 1 = \frac{p+q + 1+pq}{1+pq} = \frac{(1+p)(1+q)}{1+pq}$$
同様に $1+p > 0, 1+q > 0, 1+pq > 0$ であるから、$r+1 > 0$ となる。 以上より、$-1 < r < 1$ が示された。
(3)
条件 $f_p(f_q(x)) = f_q(x)$ は、(2)の結果を用いると以下のようになる。
$$\frac{x-r}{1-rx} = \frac{x-q}{1-qx}$$
これがすべての $-1 < x < 1$ に対して成り立つので、分母を払って整理する。
$$(x-r)(1-qx) = (x-q)(1-rx)$$
$$x - qx^2 - r + rqx = x - rx^2 - q + rqx$$
$$(q-r)x^2 - (q-r) = 0$$
$$(q-r)(x^2-1) = 0$$
これが $-1 < x < 1$ を満たすすべての $x$ について成り立つ。常に $x^2-1 = 0$ になるわけではないため、恒等式として成立する条件は以下のようになる。
$$q - r = 0 \iff r = q$$
(2)で求めた $r$ を代入する。
$$\frac{p+q}{1+pq} = q$$
両辺に $1+pq$ を掛けて整理する。
$$p+q = q(1+pq)$$
$$p+q = q + pq^2$$
$$p(1-q^2) = 0$$
ここで、条件より $-1 < q < 1$ であるから $1-q^2 \neq 0$ であり、両辺を $1-q^2$ で割ることができる。 よって、求める $p$ の値は $p=0$ である。
解説
関数の定義域と値域、および合成関数に関する計算問題である。 (1)では、$-1 < A < 1$ という形の不等式を示すために、基本に立ち返って $A-(-1) > 0$ と $1-A > 0$ を示すのが最も確実な処理となる。 (2)の合成関数の計算は、同値変形を丁寧に行えば $x$ の係数や定数項にくくり出しが見えてくる。$1+pq \neq 0$ の確認を忘れないようにしたい。 (3)は関数が一致するという条件から、分母を払って $x$ についての恒等式を立てる処理がポイントとなる。
答え
(1) 略
(2) $r = \frac{p+q}{1+pq}$ 、証明略
(3) $p = 0$
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