数学3 無理関数 問題 1 解説

方針・初手
無理方程式 $\sqrt{A} = B$ を解く際の定石である「両辺を2乗して根号をはずす」という方針をとります。
ただし、2乗する前の式と2乗した後の式は同値ではありません。左辺 $\sqrt{-2x+3}$ は実数の範囲で考えるとき $0$ 以上の値をとるため、右辺 $-\frac{1}{x}$ も $0$ 以上でなければならないという条件($B \ge 0$)が付きます。この条件を用いて無縁解(2乗したことによって生じた、元の方程式を満たさない解)を排除するのがポイントです。
解法1
与えられた方程式は
$$\sqrt{-2x+3} = -\frac{1}{x}$$
左辺は $0$ 以上であるから、右辺も $0$ 以上でなければならない。すなわち
$$-\frac{1}{x} \ge 0$$
これを満たす $x$ の範囲は
$$x < 0$$
このとき、根号の中について $-2x+3 > 0$ となるため、実数条件は満たされている。
$x < 0$ のもとで、元の方程式の両辺を2乗すると
$$-2x+3 = \frac{1}{x^2}$$
両辺に $x^2$ を掛けて分母を払うと
$$x^2(-2x+3) = 1$$
展開して整理すると
$$-2x^3 + 3x^2 - 1 = 0$$
$$2x^3 - 3x^2 + 1 = 0$$
左辺を $P(x)$ とおくと、$P(1) = 2 - 3 + 1 = 0$ となるため、因数定理より $P(x)$ は $x-1$ を因数にもつ。組み立て除法などを用いて因数分解すると
$$(x-1)(2x^2 - x - 1) = 0$$
さらに因数分解して
$$(x-1)(2x+1)(x-1) = 0$$
$$(x-1)^2(2x+1) = 0$$
これを解くと
$$x = 1, -\frac{1}{2}$$
条件 $x < 0$ を満たすのは $x = -\frac{1}{2}$ のみである。
解法2
2つの関数 $y = \sqrt{-2x+3}$ と $y = -\frac{1}{x}$ のグラフの交点の $x$ 座標として考える。
$y = \sqrt{-2x+3} = \sqrt{-2\left(x-\frac{3}{2}\right)}$ のグラフは、無理関数 $y = \sqrt{-2x}$ のグラフを $x$ 軸方向に $\frac{3}{2}$ 平行移動したものであり、定義域は $x \le \frac{3}{2}$、値域は $y \ge 0$ である。
一方、$y = -\frac{1}{x}$ のグラフは双曲線であり、$x < 0$ のとき $y > 0$、$x > 0$ のとき $y < 0$ となる。
これら2つのグラフが交点をもつためには、$y \ge 0$ の範囲で交わる必要があり、双曲線の性質から交点の $x$ 座標は $x < 0$ の範囲にあることがわかる。
交点を求めるため、方程式 $\sqrt{-2x+3} = -\frac{1}{x}$ の両辺を2乗して整理すると、解法1と同様に
$$(x-1)^2(2x+1) = 0$$
$$x = 1, -\frac{1}{2}$$
グラフより交点の $x$ 座標は $x < 0$ であるから、求める解は
$$x = -\frac{1}{2}$$
解説
無理方程式の典型的な解法を問う問題です。$\sqrt{A} = B \iff A = B^2 \text{ かつ } B \ge 0$ という同値変形を正しく行えるかが問われています。
本問では、2乗して得られた3次方程式の解として $x=1$ と $x=-\frac{1}{2}$ が出てきますが、$x=1$ は元の方程式を満たさない「無縁解」です。これを排除するために、解法1のように右辺の符号から $x<0$ という条件をあらかじめ求めておくか、あるいは求まった解を実際に元の方程式に代入して確認する($x=1$ のとき、左辺は $\sqrt{1}=1$、右辺は $-1$ となり不適)というステップが不可欠です。
解法2のようにグラフをイメージすることで、同値性の確認や実数条件を視覚的に捉え、見通しよく解き進めることができます。
答え
$$x = -\frac{1}{2}$$
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