トップ 基礎問題 数学3 積分法 接線・極限との複合 問題 10

数学3 接線・極限との複合 問題 10 解説

数学3 接線・極限との複合 問題 10 解説

方針・初手

関数の極値、接線の方程式、および定積分を求める基本的な微積分問題である。 (1)は積の微分公式を用いて導関数を計算し、増減表を作成して極値を求める。 (2)は(1)で求めた導関数を利用して接線の方程式を立て、それが原点を通るという条件から接点の $x$ 座標に関する方程式を導く。接線の本数は接点の個数に一致するため、方程式の実数解の個数を調べる。 (3)は部分積分法を繰り返し用いて定積分を計算する。

解法1

(1)

関数 $y = (x-a)^2 e^x$ を $x$ で微分する。積の微分公式より、

$$\begin{aligned} y' &= 2(x-a) \cdot 1 \cdot e^x + (x-a)^2 \cdot e^x \\ &= (x-a) \{ 2 + (x-a) \} e^x \\ &= (x-a)(x-a+2)e^x \end{aligned}$$

$y' = 0$ とすると、$e^x > 0$ であるから、

$$x = a, a-2$$

$a$ は正の定数であるから $a-2 < a$ である。関数の増減表は以下のようになる。

$x$ $\cdots$ $a-2$ $\cdots$ $a$ $\cdots$
$y'$ $+$ $0$ $-$ $0$ $+$
$y$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、関数は $x = a-2$ で極大値をとり、$x = a$ で極小値をとる。 極大値は、

$$y = (a-2-a)^2 e^{a-2} = 4e^{a-2}$$

極小値は、

$$y = (a-a)^2 e^a = 0$$

(2)

(1)の計算より、曲線 $y = (x-a)^2 e^x$ 上の点 $(x_0, y_0)$ における接線の傾きは $y'(x_0)$ であるから、

$$(x_0-a)(x_0-a+2)e^{x_0}$$

したがって、接線の方程式は次のように表される。

$$y - (x_0-a)^2 e^{x_0} = (x_0-a)(x_0-a+2)e^{x_0} (x - x_0)$$

この接線が原点 $(0,0)$ を通るから、$x=0, y=0$ を代入して、

$$-(x_0-a)^2 e^{x_0} = (x_0-a)(x_0-a+2)e^{x_0} (0 - x_0)$$

$e^{x_0} > 0$ であるから、両辺を $e^{x_0}$ で割り、左辺に項を集めると、

$$\begin{aligned} -(x_0-a)^2 + x_0(x_0-a)(x_0-a+2) &= 0 \\ (x_0-a) \{ -(x_0-a) + x_0(x_0-a+2) \} &= 0 \\ (x_0-a) ( -x_0 + a + x_0^2 - ax_0 + 2x_0 ) &= 0 \\ (x_0-a) \{ x_0^2 - (a-1)x_0 + a \} &= 0 \end{aligned}$$

曲線外の点から引いた接線の本数は、接点の個数、すなわち上記の方程式の実数解 $x_0$ の個数に等しい。 接線が $1$ 本となるのは、方程式 $(x_0-a) \{ x_0^2 - (a-1)x_0 + a \} = 0$ が実数解をただ $1$ つもつときである。 この方程式の解は $x_0 = a$、または $x_0^2 - (a-1)x_0 + a = 0$ の解である。

もし $2$ 次方程式 $x_0^2 - (a-1)x_0 + a = 0$ が $x_0 = a$ を解にもつとすると、$a^2 - a(a-1) + a = 0$ より $2a = 0$ となるが、これは $a>0$ に反する。 したがって、実数解がただ $1$ つとなる条件は、$2$ 次方程式 $x_0^2 - (a-1)x_0 + a = 0$ が実数解をもたないことである。 この $2$ 次方程式の判別式を $D$ とすると、$D < 0$ となればよい。

$$\begin{aligned} D = (a-1)^2 - 4a &< 0 \\ a^2 - 2a + 1 - 4a &< 0 \\ a^2 - 6a + 1 &< 0 \end{aligned}$$

$a^2 - 6a + 1 = 0$ の解は $a = 3 \pm \sqrt{9-1} = 3 \pm 2\sqrt{2}$ であるから、不等式の解は、

$$3 - 2\sqrt{2} < a < 3 + 2\sqrt{2}$$

$a$ は正の定数であるが、$3 - 2\sqrt{2} > 0$ であるため、条件 $a>0$ を満たしている。

(3)

部分積分法を用いて計算する。

$$\begin{aligned} \int_0^a (x-a)^2 e^x dx &= \int_0^a (x-a)^2 (e^x)' dx \\ &= \left[ (x-a)^2 e^x \right]_0^a - \int_0^a 2(x-a) e^x dx \\ &= (0 - a^2) - 2 \int_0^a (x-a) (e^x)' dx \\ &= -a^2 - 2 \left( \left[ (x-a) e^x \right]_0^a - \int_0^a 1 \cdot e^x dx \right) \\ &= -a^2 - 2 \left( (0 - (-a)) - \left[ e^x \right]_0^a \right) \\ &= -a^2 - 2 \{ a - (e^a - 1) \} \\ &= -a^2 - 2a + 2e^a - 2 \\ &= 2e^a - a^2 - 2a - 2 \end{aligned}$$

解説

微積分の標準的な計算問題である。 (2)の空欄 [カ] は、式の移項の仕方によって符号が反転した $-x_0^2 + (a-1)x_0 - a$ 等も正答となり得るが、ここでは $x_0^2$ の係数が正となるように整理した。接線の本数と方程式の実数解の個数を対応させる考え方は、数学IIから数学IIIまで頻出の手法である。重解となる可能性の吟味($x_0=a$ が $2$ 次方程式の解になるかどうか)を忘れないようにしたい。 (3)では、$(多項式) \times (指数関数)$ の形の積分は、多項式側の次数が下がるように部分積分を繰り返すのが定石である。不定積分 $\int (x-a)^2 e^x dx = \{ (x-a)^2 - 2(x-a) + 2 \} e^x + C$ を先に求めてから代入計算を行うと、符号のミスを防ぎやすい。

答え

[ア] $a-2$

[イ] $4e^{a-2}$

[ウ] $a$

[エ] $0$

[オ] $x_0 - a + 2$

[カ] $x_0^2 - (a-1)x_0 + a$ (または $-x_0^2 + (a-1)x_0 - a$ など)

[キ] $3 - 2\sqrt{2} < a < 3 + 2\sqrt{2}$

[ク] $2e^a - a^2 - 2a - 2$

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