数学3 接線・極限との複合 問題 11 解説

方針・初手
(1) については、微積分学の基本定理を用いて $f'(x)$ を求め、$x=1$ における微係数から法線の傾きを導出する。さらに、定積分を計算して接点の $y$ 座標である $f(1)$ を求め、法線の方程式を決定する。
(2) については、$f(x)$ の導関数からグラフの概形を把握し、求める面積を領域ごとに分割して立式する。定積分 $\int_{0}^{1} f(x) dx$ の計算では、部分積分法を用いて被積分関数を扱いやすい形に変形する。
解法1
(1)
与えられた関数は次のように定義されている。
$$f(x) = \int_{0}^{x} \frac{1}{1+t^2} dt$$
両辺を $x$ で微分すると、微積分学の基本定理より以下を得る。
$$f'(x) = \frac{1}{1+x^2}$$
$x=1$ のときの微係数は以下の通りである。
$$f'(1) = \frac{1}{1+1^2} = \frac{1}{2}$$
したがって、$y = f(x)$ 上の点 $(1, f(1))$ における法線の傾きは $-2$ である。
次に、$f(1)$ の値を求める。
$$f(1) = \int_{0}^{1} \frac{1}{1+t^2} dt$$
ここで、$t = \tan \theta$ と置換する。 $dt = \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta$ であり、積分区間は $t$ が $0$ から $1$ に変化するとき、$\theta$ は $0$ から $\frac{\pi}{4}$ まで変化する。
$$\begin{aligned} f(1) &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \frac{1}{1+\tan^2 \theta} \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \cos^2 \theta \cdot \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} d\theta \\ &= \left[ \theta \right]_{0}^{\frac{\pi}{4}} \\ &= \frac{\pi}{4} \end{aligned}$$
よって、$x=1$ における法線は点 $\left(1, \frac{\pi}{4}\right)$ を通り、傾きが $-2$ の直線である。その方程式は次のように求められる。
$$y - \frac{\pi}{4} = -2(x - 1)$$
$$y = -2x + 2 + \frac{\pi}{4}$$
(2)
(1) で求めた法線を $l$ とする。 $f'(x) = \frac{1}{1+x^2} > 0$ であるから、$f(x)$ は単調に増加する。また、$f(0) = 0$ である。 直線 $l$ と $x$ 軸との交点の $x$ 座標は、$y=0$ を代入して求める。
$$0 = -2x + 2 + \frac{\pi}{4}$$
$$2x = \frac{\pi+8}{4}$$
$$x = \frac{\pi+8}{8} = 1 + \frac{\pi}{8}$$
求める面積 $S$ は、$0 \leqq x \leqq 1$ における曲線 $y=f(x)$ と $x$ 軸の間の面積と、$1 \leqq x \leqq 1 + \frac{\pi}{8}$ における直線 $l$ と $x$ 軸の間の面積の和である。後者は直角三角形の面積として計算できる。
$$S = \int_{0}^{1} f(x) dx + \frac{1}{2} \cdot \left\{ \left( 1 + \frac{\pi}{8} \right) - 1 \right\} \cdot \frac{\pi}{4}$$
$$S = \int_{0}^{1} f(x) dx + \frac{\pi^2}{64}$$
ここで、右辺の定積分を部分積分法を用いて計算する。
$$\begin{aligned} \int_{0}^{1} f(x) dx &= \int_{0}^{1} (x)' f(x) dx \\ &= \left[ x f(x) \right]_{0}^{1} - \int_{0}^{1} x f'(x) dx \\ &= 1 \cdot f(1) - 0 \cdot f(0) - \int_{0}^{1} x \cdot \frac{1}{1+x^2} dx \\ &= \frac{\pi}{4} - \left[ \frac{1}{2} \log(1+x^2) \right]_{0}^{1} \\ &= \frac{\pi}{4} - \frac{1}{2} \log 2 \end{aligned}$$
これを先ほどの面積 $S$ の式に代入する。
$$S = \frac{\pi}{4} - \frac{1}{2} \log 2 + \frac{\pi^2}{64}$$
解説
関数の定義に定積分が含まれているタイプの問題である。微積分学の基本定理 $\frac{d}{dx} \int_{a}^{x} g(t) dt = g(x)$ を用いて導関数を求めることが第一歩となる。
法線の方程式を求める過程で必要になる $f(1)$ の値は、$t = \tan \theta$ の置換積分という典型的な手法で求められる。
面積の計算において、$\int_{0}^{1} f(x) dx$ に直接 $f(x)$ の定義式を代入して二重積分のように扱うことも不可能ではないが、被積分関数が積分された形で与えられている場合は、部分積分を用いて $(x)'$ を作り出し、$f'(x)$ を出現させる手法が非常に有効である。これにより、被積分関数が計算可能な有理関数へと帰着する。
答え
(1)
$y = -2x + 2 + \frac{\pi}{4}$
(2)
$\frac{\pi^2}{64} + \frac{\pi}{4} - \frac{1}{2} \log 2$
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