数学3 接線・極限との複合 問題 21 解説

方針・初手
指数関数の微分を用いて接線の方程式を求め、指定された線分や面積を計算していく。面積を求める際は、接線が $x$ 軸の正の領域にあることを $1 < a < 2$ の条件を用いて確認する。また、(4)の最小値を求めるための両端の点の値の比較では、対数関数と有理関数の大小比較となるため、新しい関数を設定して微分により符号を判定する。
解法1
(1) $y = a^x$ について、$y' = a^x \log a$ である。 点 $(t, a^t)$ における接線 $l$ の方程式は、
$$y - a^t = a^t \log a (x - t)$$
よって、接線 $l$ の方程式は、
$$y = (a^t \log a)x + a^t(1 - t \log a)$$
となる。 $l$ と $y$ 軸との交点の $y$ 座標 $b(t)$ は、$x = 0$ を代入して、
$$b(t) = a^t(1 - t \log a)$$
である。$b(t)$ を $t$ について微分すると、
$$b'(t) = a^t \log a (1 - t \log a) + a^t (-\log a) = -t a^t (\log a)^2$$
問題の条件 $1 < a < 2$ より $\log a > 0$ であり、$0 < t < 1$ において $b'(t) < 0$ となるため、$b(t)$ は単調減少する。 したがって、$b(t)$ は $t=1$ のとき最小となる。 最小値は、
$$b(1) = a(1 - \log a)$$
である。
(2) $l$ と $x = 1$ の交点の $y$ 座標は、
$$y = a^t \log a + a^t(1 - t \log a) = a^t \{ 1 + (1 - t)\log a \}$$
ここで、$1 < a < 2 < e$ より $0 < \log a < 1$ である。 $0 \leqq t \leqq 1$ において、$1 - t \log a \geqq 1 - \log a > 0$ であるため、$x=0$ における $y$ 座標 $b(t)$ は正である。 また、$1 + (1 - t)\log a > 0$ であるため、$x=1$ における $y$ 座標も正である。 よって、接線 $l$ は区間 $0 \leqq x \leqq 1$ において $x$ 軸の上側にあり、求める面積 $S(t)$ は台形の面積の公式を用いて、
$$S(t) = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot \left[ a^t(1 - t \log a) + a^t \{ 1 + (1 - t)\log a \} \right]$$
$$S(t) = \frac{1}{2} a^t \{ 2 + (1 - 2t)\log a \}$$
となる。
(3) $S(t)$ を $t$ について微分すると、
$$S'(t) = \frac{1}{2} \left[ a^t \log a \{ 2 + (1 - 2t)\log a \} + a^t (-2 \log a) \right]$$
$$S'(t) = \frac{1}{2} a^t (\log a)^2 (1 - 2t)$$
$S'(t) = 0$ となるのは $1 - 2t = 0$、すなわち $t = \frac{1}{2}$ のときである。 $0 \leqq t \leqq 1$ における $S(t)$ の増減は以下のようになる。
- $0 \leqq t < \frac{1}{2}$ のとき、$S'(t) > 0$
- $t = \frac{1}{2}$ のとき、$S'(t) = 0$
- $\frac{1}{2} < t \leqq 1$ のとき、$S'(t) < 0$
したがって、$S(t)$ は $t = \frac{1}{2}$ で最大となる。 最大値は、
$$S\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{1}{2} a^{\frac{1}{2}} \{ 2 + (1 - 1)\log a \} = \sqrt{a}$$
である。
(4) (3)の増減より、$S(t)$ の最小値は $S(0)$ または $S(1)$ である。 それぞれの値を計算すると、
$$S(0) = \frac{1}{2} a^0 (2 + \log a) = 1 + \frac{1}{2} \log a$$
$$S(1) = \frac{1}{2} a^1 (2 - \log a) = a - \frac{a}{2} \log a$$
ここで、$S(1) - S(0)$ の符号を調べる。
$$S(1) - S(0) = a - 1 - \frac{a+1}{2} \log a$$
$f(x) = x - 1 - \frac{x+1}{2} \log x \quad (x > 0)$ とおき、この関数の増減を調べる。
$$f'(x) = 1 - \frac{1}{2} \log x - \frac{x+1}{2} \cdot \frac{1}{x} = \frac{1}{2} - \frac{1}{2x} - \frac{1}{2} \log x = \frac{x - 1 - x \log x}{2x}$$
さらに、分子について $g(x) = x - 1 - x \log x$ とおくと、
$$g'(x) = 1 - \left( \log x + x \cdot \frac{1}{x} \right) = -\log x$$
$x > 1$ のとき $g'(x) < 0$ であるから、$g(x)$ は単調減少する。 $g(1) = 0$ であるから、$x > 1$ において $g(x) < 0$ となる。 したがって、$x > 1$ において $f'(x) < 0$ となり、$f(x)$ も単調減少する。 $f(1) = 0$ であるから、$x > 1$ において $f(x) < 0$ となる。 問題の条件 $1 < a < 2$ より $a > 1$ であるから、$f(a) < 0$、すなわち $S(1) - S(0) < 0$ が成り立つ。 よって、$S(1) < S(0)$ となり、最小値は $S(1)$ である。
$$S(1) = \frac{a(2 - \log a)}{2}$$
解説
接線の方程式の導出から面積計算、そして導関数の符号を調べる微分の総合問題である。 (2)で台形であることを式にする際、$1 < a < 2$ の条件を使って各頂点の $y$ 座標が正であることを確認する手順を踏むと、より論理的に厳密な解答になる。 (4)での端点の値の比較は、対数を含む関数と有理関数の大小比較となるため、新しい関数を設定して微分を用いる典型的な手法が必要となる。関数 $f(x)$ を微分しても符号がすぐに判定できないため、さらに分子を取り出してもう一度微分する(第2次導関数を調べることと同義)プロセスがポイントである。
答え
(1) 接線 $l$ の方程式:$y = (a^t \log a)x + a^t(1 - t \log a)$、最小値:$a(1 - \log a)$
(2) $S(t) = \frac{1}{2} a^t \{ 2 + (1 - 2t)\log a \}$
(3) 最大値 $\sqrt{a}$
(4) 最小値 $\frac{a(2 - \log a)}{2}$
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