数学3 接線・極限との複合 問題 33 解説

方針・初手
(1) 前半は、関数 $f(x) = x^2e^{-x}$ の増減を微分により調べる。後半は、示された不等式を $x>0$ を用いて変形し、はさみうちの原理を適用する。
(2) 部分積分法を用いて定積分を計算したのち、(1) の極限の結果を利用して $n \to \infty$ の極限をとる。
解法1
(1)
$f(x) = x^2e^{-x}$ とおく。
$x$ について微分すると、
$$f'(x) = 2xe^{-x} - x^2e^{-x} = x(2 - x)e^{-x}$$
$x \geqq 2$ のとき、$x > 0$ かつ $2 - x \leqq 0$ であり、$e^{-x} > 0$ であるから、$f'(x) \leqq 0$ となる。 したがって、関数 $f(x)$ は $x \geqq 2$ において単調に減少する。 ゆえに、$x \geqq 2$ のとき、
$$f(x) \leqq f(2) = 4e^{-2}$$
すなわち、$x^2e^{-x} \leqq 4e^{-2}$ が成り立つ。(証明終わり)
次に、この不等式を用いて極限を求める。 $x \geqq 2$ において、$x > 0$ であるから、不等式の両辺を $x$ で割ると、
$$xe^{-x} \leqq \frac{4e^{-2}}{x}$$
また、$x > 0$、$e^{-x} > 0$ であるから $xe^{-x} > 0$ である。 したがって、
$$0 < xe^{-x} \leqq \frac{4e^{-2}}{x}$$
ここで、
$$\lim_{x \to \infty} \frac{4e^{-2}}{x} = 0$$
であるから、はさみうちの原理より、
$$\lim_{x \to \infty} xe^{-x} = 0$$
(2)
まず、部分積分法を用いて $\int_{0}^{n} xe^{-x} dx$ を計算する。
$$\begin{aligned} \int_{0}^{n} xe^{-x} dx &= \int_{0}^{n} x (-e^{-x})' dx \\ &= \left[ -xe^{-x} \right]_{0}^{n} - \int_{0}^{n} 1 \cdot (-e^{-x}) dx \\ &= -ne^{-n} + \int_{0}^{n} e^{-x} dx \\ &= -ne^{-n} + \left[ -e^{-x} \right]_{0}^{n} \\ &= -ne^{-n} - e^{-n} + 1 \\ &= 1 - ne^{-n} - e^{-n} \end{aligned}$$
ここで、(1) の結果より $\lim_{x \to \infty} xe^{-x} = 0$ であるから、実数 $x$ の極限として成り立つことは自然数 $n$ を用いた極限についても成り立ち、
$$\lim_{n \to \infty} ne^{-n} = 0$$
となる。また、
$$\lim_{n \to \infty} e^{-n} = 0$$
であるから、求める極限は、
$$\begin{aligned} \lim_{n \to \infty} \int_{0}^{n} xe^{-x} dx &= \lim_{n \to \infty} (1 - ne^{-n} - e^{-n}) \\ &= 1 - 0 - 0 \\ &= 1 \end{aligned}$$
解説
指数関数と多項式の積で表される関数の極限に関する典型的な誘導問題である。(1) では、関数の単調減少性を示すことで上限を押さえ、それを $x$ で割ることで $xe^{-x}$ の評価式を作る。この形を作れれば、はさみうちの原理が適用できる。
(2) は広義積分 $\int_{0}^{\infty} xe^{-x} dx$ の値を求めることと同義である。被積分関数に多項式と指数関数が含まれるため、部分積分を用いて計算を進めるのが定石である。計算の過程で $ne^{-n}$ の極限が必要となるが、ここで (1) の結果を適切に利用することが求められている。
答え
(1) $\lim_{x \to \infty} xe^{-x} = 0$ (不等式の証明は解答内を参照)
(2) $\lim_{n \to \infty} \int_{0}^{n} xe^{-x} dx = 1$
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