数学3 接線・極限との複合 問題 56 解説

方針・初手
(1) で $x^{n+1}e^{-x}$ の最大値を求め、これを利用して (2) の $x^n e^{-x}$ を評価する。さらに (3) は部分積分により漸化式を作り、(2) の極限を使って帰納的に示す。
解法1
まず、$x \geqq 0$ において
$$ f(x)=x^{n+1}e^{-x} $$
とおく。微分すると、
$$ \begin{aligned} f'(x) &=(n+1)x^n e^{-x}-x^{n+1}e^{-x}\\ &=x^n e^{-x}(n+1-x) \end{aligned} $$
である。
$x^n e^{-x} \geqq 0$ より、$f'(x)$ の符号は $n+1-x$ の符号で決まる。したがって、$f(x)$ は $0 \leqq x \leqq n+1$ で増加し、$x \geqq n+1$ で減少する。
よって、$f(x)$ は $x=n+1$ で最大値をとり、その値は
$$ f(n+1)=(n+1)^{n+1}e^{-(n+1)} $$
である。
次に、(2) を示す。$x>0$ のとき、
$$ x^n e^{-x}=\frac{x^{n+1}e^{-x}}{x} $$
である。(1) より、すべての $x \geqq 0$ に対して
$$ x^{n+1}e^{-x}\leqq (n+1)^{n+1}e^{-(n+1)} $$
が成り立つ。したがって、
$$ 0\leqq x^n e^{-x} \leqq \frac{(n+1)^{n+1}e^{-(n+1)}}{x} $$
となる。
ここで
$$ \lim_{x\to\infty}\frac{(n+1)^{n+1}e^{-(n+1)}}{x}=0 $$
であるから、はさみうちの原理より
$$ \lim_{x\to\infty}x^n e^{-x}=0 $$
である。
最後に、(3) を示す。自然数 $n$ に対して
$$ I_n(x)=\int_0^x t^n e^{-t},dt $$
とおく。
$n\geqq 1$ のとき、部分積分により
$$ \begin{aligned} I_n(x) &=\int_0^x t^n e^{-t},dt\\ &=\left[-t^n e^{-t}\right]*0^x+n\int_0^x t^{n-1}e^{-t},dt\\ &=-x^n e^{-x}+nI*{n-1}(x) \end{aligned} $$
となる。ここで、$t=0$ における項は $0^n e^0=0$ である。
まず $n=0$ の場合を確認すると、
$$ I_0(x)=\int_0^x e^{-t},dt=1-e^{-x} $$
より、
$$ \lim_{x\to\infty}I_0(x)=1=0! $$
である。
次に、ある $n-1$ について
$$ \lim_{x\to\infty}I_{n-1}(x)=(n-1)! $$
が成り立つと仮定する。このとき、上の漸化式と (2) より
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to\infty}I_n(x) &=\lim_{x\to\infty}\left(-x^n e^{-x}+nI_{n-1}(x)\right)\\ &=0+n(n-1)!\\ &=n! \end{aligned} $$
となる。
よって、数学的帰納法により、すべての自然数 $n$ に対して
$$ \lim_{x\to\infty}\int_0^x t^n e^{-t},dt=n! $$
が成り立つ。
解説
この問題の中心は、指数関数 $e^{-x}$ が多項式 $x^n$ よりも速く $0$ に近づくことを、微分と部分積分で厳密に示す点にある。
(1) では $x^{n+1}e^{-x}$ の最大値を求めることで、この関数が有界であることが分かる。その結果、
$$ x^n e^{-x}=\frac{x^{n+1}e^{-x}}{x} $$
と変形すれば、(2) ははさみうちで処理できる。
(3) では、部分積分によって $I_n(x)$ を $I_{n-1}(x)$ に帰着させることが重要である。端点で現れる $x^n e^{-x}$ は (2) によって消えるため、最終的に階乗の漸化式 $n(n-1)!=n!$ が現れる。
答え
(1)
$$ (n+1)^{n+1}e^{-(n+1)} $$
(2)
$$ \lim_{x\to\infty}x^n e^{-x}=0 $$
(3)
$$ \lim_{x\to\infty}\int_0^x t^n e^{-t},dt=n! $$
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