トップ 基礎問題 数学3 積分法 接線・極限との複合 問題 57

数学3 接線・極限との複合 問題 57 解説

数学3 接線・極限との複合 問題 57 解説

方針・初手

直線 $\ell:y=ax$ との共有点は、$f(x)=ax$ を満たす点である。$x=0$ では $f(0)=-2e\neq 0$ なので共有点にはならない。したがって $x\neq 0$ として

$$ a=\frac{f(x)}{x} $$

と変形し、関数

$$ g(x)=\frac{f(x)}{x}=2\left(1-\frac{1}{x}\right)e^{1-\frac{x}{2}} $$

のグラフと水平線 $y=a$ の交点数を調べる。

解法1

まず $g(x)$ の増減を調べる。$x\neq 0$ において

$$ g'(x)=\frac{-(x-2)(x+1)}{x^2}e^{1-\frac{x}{2}} $$

である。指数部分と $x^2$ は正であるから、$g'(x)$ の符号は $-(x-2)(x+1)$ の符号で決まる。

また、各区間での極限は

$$ \begin{aligned} &\lim_{x\to-\infty}g(x)=+\infty,\qquad \lim_{x\to 0-}g(x)=+\infty,\\ &\lim_{x\to 0+}g(x)=-\infty,\qquad \lim_{x\to+\infty}g(x)=0 \end{aligned} $$

である。

$x<0$ の範囲では、$x=-1$ で極小値をとる。

$$ g(-1)=2\left(1-\frac{1}{-1}\right)e^{1+\frac{1}{2}} =4e^{\frac{3}{2}} $$

したがって、$x<0$ における $g(x)=a$ の解の個数は、

(i)

$a<4e^{\frac{3}{2}}$ のとき $0$ 個、

(ii)

$a=4e^{\frac{3}{2}}$ のとき $1$ 個、

(iii)

$a>4e^{\frac{3}{2}}$ のとき $2$ 個である。

次に $x>0$ の範囲を見る。$x=2$ で極大値をとり、

$$ g(2)=2\left(1-\frac{1}{2}\right)e^{1-1}=1 $$

である。また $g(1)=0$ であり、$x\to+\infty$ で $0$ に近づく。

したがって、$x>0$ における $g(x)=a$ の解の個数は、

(i)

$a<0$ のとき $1$ 個、

(ii)

$a=0$ のとき $1$ 個、

(iii)

$0<a<1$ のとき $2$ 個、

(iv)

$a=1$ のとき $1$ 個、

(v)

$a>1$ のとき $0$ 個である。

以上を合わせると、共有点がちょうど $2$ 個になるのは

$$ 0<a<1 $$

または

$$ a>4e^{\frac{3}{2}} $$

のときである。

次に、$C$ と $\ell$ が第 $1$ 象限で接する場合を考える。接するには $g(x)=a$ が重解をもつ必要がある。第 $1$ 象限なので $x>0$ を考えればよく、$x>0$ における接点は極大点 $x=2$ である。

このとき

$$ a=g(2)=1 $$

であり、接点は

$$ (2,f(2))=(2,2) $$

である。したがって接線は

$$ y=x $$

である。

求める領域は、$x$ 軸、直線 $y=x$、曲線 $C$ によって囲まれる部分である。曲線 $C$ は $x=1$ で $x$ 軸と交わるので、面積 $S$ は

$$ S=\int_0^1 x,dx+\int_1^2{x-f(x)},dx $$

である。

ここで

$$ \int f(x),dx =\int 2(x-1)e^{1-\frac{x}{2}},dx =-4(x+1)e^{1-\frac{x}{2}} $$

であるから、

$$ \begin{aligned} \int_1^2 f(x),dx &=\left[-4(x+1)e^{1-\frac{x}{2}}\right]_1^2\\ &=-12+8e^{\frac{1}{2}}\\ &=8\sqrt{e}-12 \end{aligned} $$

したがって

$$ \begin{aligned} S &=\int_0^2 x,dx-\int_1^2 f(x),dx\\ &=2-(8\sqrt{e}-12)\\ &=14-8\sqrt{e} \end{aligned} $$

である。

解説

この問題の要点は、共有点の個数を直接 $f(x)=ax$ で追うのではなく、$x\neq 0$ として $a=f(x)/x$ の形に直し、$g(x)$ の増減で分類することである。

特に、$x<0$ と $x>0$ で挙動が大きく異なるため、区間を分けて考える必要がある。$x>0$ では極大値 $1$、$x<0$ では極小値 $4e^{3/2}$ が境界値になる。

第 $1$ 象限で接する場合は、$x>0$ における重解を考えればよく、接点は $x=2$、接線は $y=x$ と決まる。面積計算では、囲まれる領域が $0\leqq x\leqq 1$ と $1\leqq x\leqq 2$ で上側の曲線が変わる点に注意する。

答え

(1)

$$ 0<a<1,\qquad a>4e^{\frac{3}{2}} $$

(2)

$$ 14-8\sqrt{e} $$

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