数学3 体積 問題 5 解説

方針・初手
$n$ は $0$ 以上の偶数であるから、区間 $n\pi \leqq x \leqq (n+1)\pi$ では $\sin x \geqq 0$ である。したがって
$$ x-\sin x \leqq x $$
が成り立ち、求める部分 $A$ は 上側が $y=x$、下側が $y=x-\sin x$ の図形である。
よって、$x$ 軸回転では円環の断面積を積分し、$y$ 軸回転では円筒殻の方法を用いるのが自然である。
解法1
まず、領域 $A$ は
$$ n\pi \leqq x \leqq (n+1)\pi,\qquad x-\sin x \leqq y \leqq x $$
で表される。
$x$ 軸の周りに回転する場合
各 $x$ における断面は、外半径が $x$、内半径が $x-\sin x$ の円環である。したがって体積 $V_x$ は
$$ V_x=\pi\int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\left\{x^2-(x-\sin x)^2\right\},dx $$
である。
これを整理すると
$$ V_x=\pi\int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\left(2x\sin x-\sin^2 x\right),dx $$
となる。
まず
$$ \int 2x\sin x,dx=-2x\cos x+2\sin x $$
であるから、
$$ \int_{n\pi}^{(n+1)\pi}2x\sin x,dx =\left[-2x\cos x+2\sin x\right]_{n\pi}^{(n+1)\pi} $$
$n$ は偶数なので
$$ \cos(n\pi)=1,\qquad \cos((n+1)\pi)=-1,\qquad \sin(n\pi)=\sin((n+1)\pi)=0 $$
より、
$$ \int_{n\pi}^{(n+1)\pi}2x\sin x,dx =2(2n+1)\pi $$
を得る。
次に、区間の長さは $\pi$ であるから
$$ \int_{n\pi}^{(n+1)\pi}\sin^2 x,dx=\frac{\pi}{2} $$
である。
よって
$$ V_x=\pi\left(2(2n+1)\pi-\frac{\pi}{2}\right) =\pi\cdot \frac{(8n+3)\pi}{2} =\frac{8n+3}{2}\pi^2 $$
となる。
$y$ 軸の周りに回転する場合
このときは円筒殻の方法を用いる。半径は $x$、高さは
$$ x-(x-\sin x)=\sin x $$
であるから、体積 $V_y$ は
$$ V_y=2\pi\int_{n\pi}^{(n+1)\pi}x\sin x,dx $$
となる。
ここで
$$ \int x\sin x,dx=-x\cos x+\sin x $$
より、
$$ V_y=2\pi\left[-x\cos x+\sin x\right]_{n\pi}^{(n+1)\pi} $$
である。
先ほどと同様に
$$ \cos(n\pi)=1,\qquad \cos((n+1)\pi)=-1,\qquad \sin(n\pi)=\sin((n+1)\pi)=0 $$
を用いると、
$$ \left[-x\cos x+\sin x\right]_{n\pi}^{(n+1)\pi} =(n+1)\pi+n\pi=(2n+1)\pi $$
したがって
$$ V_y=2\pi\cdot (2n+1)\pi =2(2n+1)\pi^2 $$
となる。
解説
この問題の要点は、$n$ が偶数であることから区間 $[n\pi,(n+1)\pi]$ で $\sin x\geqq 0$ となり、$y=x$ が上、$y=x-\sin x$ が下になると見抜くことである。
$x$ 軸回転では断面が円環になるので「外側の円の面積から内側の円の面積を引く」形になる。一方、$y$ 軸回転では $y$ を消去して積分しようとすると煩雑になるため、半径 $x$、高さ $\sin x$ の円筒殻で処理するのが最も簡潔である。
答え
$x$ 軸の周りに回転してできる立体の体積は
$$ \frac{8n+3}{2}\pi^2 $$
である。
$y$ 軸の周りに回転してできる立体の体積は
$$ 2(2n+1)\pi^2 $$
である。
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