数学3 体積 問題 6 解説

方針・初手
回転体の体積を考えるので、円 $C_a$ の内部も含む円板を直線 $y=x$ の周りに回転させるものとして扱う。
まず、円の中心 $(a,0)$ から直線 $y=x$ までの距離を求める。この距離と半径 $a^{-p}$ が等しくなるときが接する条件である。
その後、座標軸を $45^\circ$ 回転して、直線 $y=x$ を新しい軸にとる。すると、円板をその軸の周りに回転させる問題は、通常の回転体の体積計算に帰着される。
解法1
直線 $y=x$ は $x-y=0$ と書ける。円 $C_a$ の中心 $(a,0)$ からこの直線までの距離は
$$ \frac{|a-0|}{\sqrt{1^2+(-1)^2}}=\frac{a}{\sqrt{2}} $$
である。
円 $C_a$ の半径は $\dfrac{1}{a^p}$ であるから、接する条件は
$$ \frac{a}{\sqrt{2}}=\frac{1}{a^p} $$
である。$a>0$ より、
$$ a^{p+1}=\sqrt{2} $$
となる。したがって
$$ a_0=(\sqrt{2})^{\frac{1}{p+1}}=2^{\frac{1}{2(p+1)}} $$
である。
次に、$a>a_0$ とする。このとき
$$ \frac{a}{\sqrt{2}}>\frac{1}{a^p} $$
であるから、円 $C_a$ は直線 $y=x$ と交わらない。
新しい座標を
$$ u=\frac{x+y}{\sqrt{2}},\qquad v=\frac{x-y}{\sqrt{2}} $$
とおく。直線 $y=x$ は $v=0$ となる。
中心 $(a,0)$ は
$$ \left(\frac{a}{\sqrt{2}},\frac{a}{\sqrt{2}}\right) $$
に移る。ここで
$$ b=\frac{a}{\sqrt{2}},\qquad r=\frac{1}{a^p} $$
とおくと、円板は
$$ (u-b)^2+(v-b)^2\le r^2 $$
と表される。
この円板を $u$ 軸の周りに回転する。固定した $u$ に対して、
$$ s=\sqrt{r^2-(u-b)^2} $$
とおくと、$v$ の範囲は
$$ b-s\le v\le b+s $$
である。$a>a_0$ より $b>r$ なので、回転してできる断面は円環である。
その断面積は
$$ \pi(b+s)^2-\pi(b-s)^2 =4\pi bs $$
である。したがって、体積 $V(a)$ は
$$ \begin{aligned} V(a) &=\int_{b-r}^{b+r}4\pi b\sqrt{r^2-(u-b)^2},du\\ &=4\pi b\int_{b-r}^{b+r}\sqrt{r^2-(u-b)^2},du \end{aligned} $$
となる。
積分部分は半径 $r$ の半円の面積であるから、
$$ \int_{b-r}^{b+r}\sqrt{r^2-(u-b)^2},du =\frac{\pi r^2}{2} $$
である。よって
$$ V(a)=4\pi b\cdot \frac{\pi r^2}{2} =2\pi^2br^2 $$
である。
ここに $b=\dfrac{a}{\sqrt{2}}$、$r=\dfrac{1}{a^p}$ を代入すると、
$$ V(a) =2\pi^2\cdot \frac{a}{\sqrt{2}}\cdot \frac{1}{a^{2p}} =\sqrt{2}\pi^2a^{1-2p} $$
である。
最後に、$a\to+\infty$ の極限を考える。
$$ V(a)=\sqrt{2}\pi^2a^{1-2p} $$
より、指数 $1-2p$ の符号によって場合分けする。
(i)
$p>\dfrac12$ のとき、$1-2p<0$ であるから
$$ \lim_{a\to+\infty}V(a)=0 $$
である。
(ii)
$p=\dfrac12$ のとき、$1-2p=0$ であるから
$$ \lim_{a\to+\infty}V(a)=\sqrt{2}\pi^2 $$
である。
(iii)
$0<p<\dfrac12$ のとき、$1-2p>0$ であるから
$$ \lim_{a\to+\infty}V(a)=+\infty $$
である。
解法2
円板の面積と重心の移動距離を用いて求める。
円板の面積は
$$ \pi\left(\frac{1}{a^p}\right)^2=\frac{\pi}{a^{2p}} $$
である。また、円板の重心は円の中心 $(a,0)$ であり、直線 $y=x$ からの距離は
$$ \frac{a}{\sqrt{2}} $$
である。
$a>a_0$ のとき、円板は回転軸 $y=x$ と交わらないので、重心は半径 $\dfrac{a}{\sqrt{2}}$ の円を描く。その移動距離は
$$ 2\pi\cdot \frac{a}{\sqrt{2}}=\sqrt{2}\pi a $$
である。
したがって、回転体の体積は
$$ \frac{\pi}{a^{2p}}\cdot \sqrt{2}\pi a =\sqrt{2}\pi^2a^{1-2p} $$
である。
よって
$$ V(a)=\sqrt{2}\pi^2a^{1-2p} $$
となり、極限は解法1と同様に
$$ \lim_{a\to+\infty}V(a)= \begin{cases} 0 & \left(p>\dfrac12\right),\\ \sqrt{2}\pi^2 & \left(p=\dfrac12\right),\\ +\infty & \left(0<p<\dfrac12\right) \end{cases} $$
である。
解説
この問題の要点は、円の中心から直線 $y=x$ までの距離を正しく使うことである。
接する条件は、中心から直線までの距離と半径が等しいことで決まる。また、$a>a_0$ のときは円板が回転軸と交わらないため、断面は円ではなく円環になる。この点を落とすと体積計算を誤る。
体積計算は、座標を $45^\circ$ 回転して積分する方法が標準的である。別解として、円板の面積と重心の移動距離を使う方法もあるが、その場合も回転軸と円板が交わらない条件 $a>a_0$ が必要である。
答え
(1)
$$ a_0=2^{\frac{1}{2(p+1)}} $$
(2)
$$ V(a)=\sqrt{2}\pi^2a^{1-2p} $$
(3)
$$ \lim_{a\to+\infty}V(a)= \begin{cases} 0 & \left(p>\dfrac12\right),\\ \sqrt{2}\pi^2 & \left(p=\dfrac12\right),\\ +\infty & \left(0<p<\dfrac12\right) \end{cases} $$
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