数学3 体積 問題 7 解説

方針・初手
曲線 $B$ は平行移動するだけで形を変えないので、まず「頂点が $A$ 上のどこにあるとき、$B$ の各点はどこへ移るか」を式で表す。
すると、曲面 $S$ の方程式が直接求まる。あとは $xy$ 平面、すなわち $z=0$ との間にできる立体の体積を、重積分で計算すればよい。
解法1
曲線 $A$ は $xz$ 平面上の放物線
$$ z=1-x^2 $$
であるから、$A$ 上の点は
$$ (t,0,1-t^2) $$
と表せる。
一方、曲線 $B$ は $yz$ 平面上の放物線
$$ z=1-2y^2 $$
であり、その頂点は $(0,0,1)$ である。
この $B$ を平行移動して、その頂点が $A$ 上の点 $(t,0,1-t^2)$ に移るとする。このときの平行移動ベクトルは
$$ (t,0,-t^2) $$
である。
したがって、移動後の $B$ 上の点は、もとの $B$ 上の点 $(0,y,1-2y^2)$ を用いて
$$ (0,y,1-2y^2)+(t,0,-t^2)=(t,y,1-t^2-2y^2) $$
と表される。
ここで $t$ はそのまま $x$ 座標であるから、曲面 $S$ は
$$ z=1-x^2-2y^2 $$
である。
したがって、$S$ と $xy$ 平面 $z=0$ とで囲まれる部分は
$$ 1-x^2-2y^2 \geqq 0 $$
すなわち
$$ x^2+2y^2 \leqq 1 $$
で表される楕円領域の上にある立体である。
よって体積 $V$ は
$$ V=\iint_{x^2+2y^2\leqq 1}(1-x^2-2y^2),dx,dy $$
である。
ここで
$$ u=x,\qquad v=\sqrt{2},y $$
とおくと、
$$ x^2+2y^2=u^2+v^2,\qquad dx,dy=\frac{1}{\sqrt{2}},du,dv $$
となるので、
$$ V=\frac{1}{\sqrt{2}}\iint_{u^2+v^2\leqq 1}(1-u^2-v^2),du,dv $$
となる。
さらに極座標変換
$$ u=r\cos\theta,\qquad v=r\sin\theta $$
を用いると、
$$ V=\frac{1}{\sqrt{2}}\int_0^{2\pi}\int_0^1 (1-r^2)r,dr,d\theta $$
である。
内側を計算すると
$$ \int_0^1 (1-r^2)r,dr =\int_0^1 (r-r^3),dr =\left[\frac{r^2}{2}-\frac{r^4}{4}\right]_0^1 =\frac{1}{4} $$
したがって
$$ V=\frac{1}{\sqrt{2}}\int_0^{2\pi}\frac{1}{4},d\theta =\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot \frac{2\pi}{4} =\frac{\pi}{2\sqrt{2}} $$
となる。
解法2
解法1より、曲面 $S$ は
$$ z=1-x^2-2y^2 $$
である。
$x$ を固定して断面を考えると、そのときの $yz$ 平面に平行な断面は
$$ z=1-x^2-2y^2 $$
であり、$z=0$ との間にできる部分は
$$ 2y^2 \leqq 1-x^2 $$
すなわち
$$ -\sqrt{\frac{1-x^2}{2}} \leqq y \leqq \sqrt{\frac{1-x^2}{2}} $$
の範囲である。
この断面積を $A(x)$ とすると、
$$ A(x)=\int_{-\sqrt{(1-x^2)/2}}^{\sqrt{(1-x^2)/2}} (1-x^2-2y^2),dy $$
である。
$1-x^2=:c$ とおくと、
$$ A(x)=\int_{-\sqrt{c/2}}^{\sqrt{c/2}} (c-2y^2),dy $$
となるから、偶関数であることを用いて
$$ A(x)=2\int_0^{\sqrt{c/2}}(c-2y^2),dy $$
である。
これを計算すると
$$ A(x)=2\left[cy-\frac{2}{3}y^3\right]_0^{\sqrt{c/2}} =2\left(c\sqrt{\frac{c}{2}}-\frac{2}{3}\left(\frac{c}{2}\right)^{3/2}\right) $$
$$ =2\left(\frac{c^{3/2}}{\sqrt{2}}-\frac{c^{3/2}}{3\sqrt{2}}\right) =\frac{4}{3\sqrt{2}}c^{3/2} =\frac{4}{3\sqrt{2}}(1-x^2)^{3/2} $$
したがって体積は
$$ V=\int_{-1}^1 A(x),dx =\frac{4}{3\sqrt{2}}\int_{-1}^1 (1-x^2)^{3/2},dx $$
ここで $x=\sin\theta$ とおくと、$dx=\cos\theta,d\theta$ であり、
$$ \int_{-1}^1 (1-x^2)^{3/2},dx =2\int_0^{\pi/2}\cos^4\theta,d\theta $$
となる。
また
$$ \int_0^{\pi/2}\cos^4\theta,d\theta=\frac{3\pi}{16} $$
であるから、
$$ \int_{-1}^1 (1-x^2)^{3/2},dx=\frac{3\pi}{8} $$
よって
$$ V=\frac{4}{3\sqrt{2}}\cdot \frac{3\pi}{8} =\frac{\pi}{2\sqrt{2}} $$
となる。
解説
この問題の要点は、曲線 $B$ を「回転」ではなく「平行移動」していることである。したがって、頂点の移動量をそのまま $B$ の各点に加えれば、曲面 $S$ の式がすぐに出る。
得られる曲面は
$$ z=1-x^2-2y^2 $$
であり、楕円放物面である。ここまで到達できれば、あとは楕円領域上の重積分として処理するのが最も自然である。変数変換 $v=\sqrt{2}y$ によって円領域に直すと計算が整理される。
答え
$$ V=\frac{\pi}{2\sqrt{2}} $$
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