数学3 体積 問題 53 解説

方針・初手
(1) は分子を $t^2+1-1$ と見て
$$ \frac{t^2}{1+t^2}=1-\frac{1}{1+t^2} $$
と変形するとすぐに積分できる。
(2) は $z$ を固定して断面を考える。すると $xy$ 平面内では円板になり、その面積を $z$ について積分すれば体積が出る。途中で (1) の結果を用いるのが自然である。
解法1
(1)
まず
$$ \frac{t^2}{1+t^2}=1-\frac{1}{1+t^2} $$
であるから、
$$ \int_0^1 \frac{t^2}{1+t^2},dt =\int_0^1 1,dt-\int_0^1 \frac{1}{1+t^2},dt $$
となる。よって
$$ \int_0^1 \frac{t^2}{1+t^2},dt =\left[t\right]_0^1-\left[\arctan t\right]_0^1 =1-\frac{\pi}{4} $$
である。
(2)
立体は
$$ x^2+y^2+\log(1+z^2)\leqq \log 2 $$
で定まる。
$z$ を固定すると、
$$ x^2+y^2\leqq \log 2-\log(1+z^2) =\log \frac{2}{1+z^2} $$
となる。右辺が $0$ 以上でなければ断面は存在しないので、
$$ \log \frac{2}{1+z^2}\geqq 0 $$
より
$$ \frac{2}{1+z^2}\geqq 1 \quad\Longleftrightarrow\quad z^2\leqq 1 $$
すなわち
$$ -1\leqq z\leqq 1 $$
である。
このとき、固定した $z$ における断面は半径
$$ \sqrt{\log \frac{2}{1+z^2}} $$
の円板であるから、その面積 $S(z)$ は
$$ S(z)=\pi \log \frac{2}{1+z^2} =\pi\bigl(\log 2-\log(1+z^2)\bigr) $$
となる。したがって体積 $V$ は
$$ V=\int_{-1}^1 S(z),dz =\pi \int_{-1}^1 \bigl(\log 2-\log(1+z^2)\bigr),dz $$
である。被積分関数は偶関数なので、
$$ V =2\pi \int_0^1 \bigl(\log 2-\log(1+z^2)\bigr),dz =2\pi \left(\log 2-\int_0^1 \log(1+z^2),dz\right) $$
となる。
ここで
$$ I=\int_0^1 \log(1+z^2),dz $$
とおく。部分積分を用いると、
$$ I=\left[z\log(1+z^2)\right]_0^1-\int_0^1 z\cdot \frac{2z}{1+z^2},dz $$
すなわち
$$ I=\log 2-2\int_0^1 \frac{z^2}{1+z^2},dz $$
である。ここで (1) の結果
$$ \int_0^1 \frac{z^2}{1+z^2},dz=1-\frac{\pi}{4} $$
を用いると、
$$ I=\log 2-2\left(1-\frac{\pi}{4}\right) =\log 2-2+\frac{\pi}{2} $$
となる。よって
$$ V =2\pi \left(\log 2-\left(\log 2-2+\frac{\pi}{2}\right)\right) =2\pi \left(2-\frac{\pi}{2}\right) =4\pi-\pi^2 $$
である。
解説
(1) は分子と分母の次数が同じなので、そのままではなく
$$ t^2=(1+t^2)-1 $$
と分解するのが基本である。
(2) は立体全体を直接捉えるより、$z$ を固定した断面を考えるのが最も見通しがよい。断面が円板になることに気づけば、面積を $z$ で積分するだけになる。また、$\int_0^1 \log(1+z^2),dz$ の計算で (1) がそのまま使えるように問題が組まれている。
答え
(1)
$$ \int_0^1 \frac{t^2}{1+t^2},dt=1-\frac{\pi}{4} $$
(2)
立体の体積は
$$ 4\pi-\pi^2 $$
である。
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