トップ 基礎問題 数学3 積分法 体積 問題 92

数学3 体積 問題 92 解説

数学3 体積 問題 92 解説

方針・初手

容器は $y$ 軸まわりの回転体であるから,高さ $y$ における容器の半径をまず求めるのが基本である。 側面は

$$ y=x^2-\frac12 $$

を回転してできるので,高さ $y$ における半径 $r$ は

$$ r^2=y+\frac12 $$

である。したがって,水の体積は高さ方向に断面積を積分すれば求まる。

また,鉄球を入れたときは,$y$ 軸を含む平面で切った断面を考えると,放物線と円の接触問題に帰着する。

解法1

(1)

高さ $y$ における容器の断面は半径 $\sqrt{y+\frac12}$ の円であるから,断面積は

$$ \pi \left(y+\frac12\right) $$

である。

よって,水面の高さが $p$ のとき,入っている水の体積 $V(p)$ は

$$ V(p)=\int_0^p \pi \left(y+\frac12\right),dy $$

となる。計算すると

$$ V(p)=\pi \left[\frac{y^2}{2}+\frac{y}{2}\right]_0^p =\frac{\pi}{2}(p^2+p) $$

である。

したがって,

$$ V(p)=\frac{\pi}{2}p(p+1) \qquad \left(0\le p\le \frac{19}{2}\right) $$

となる。

(2)

鉄球の中心は対称性から $y$ 軸上にある。中心の高さを $h$ とする。 $y$ 軸を含む平面で切ると,側面は放物線

$$ y=x^2-\frac12 $$

鉄球は半径 $\frac32$ の円になる。

放物線上の接点を

$$ \left(a,\ a^2-\frac12\right) \qquad (a>0) $$

とする。接点では,円の中心は放物線の法線上にある。

放物線の接線の傾きは $2a$ であるから,法線の傾きは $-\dfrac{1}{2a}$ である。したがって

$$ \frac{h-\left(a^2-\frac12\right)}{0-a}=-\frac{1}{2a} $$

より,

$$ h-\left(a^2-\frac12\right)=\frac12 $$

すなわち

$$ h=a^2 $$

を得る。

さらに,接点から中心までの距離は半径 $\dfrac32$ であるから,

$$ a^2+\left(h-\left(a^2-\frac12\right)\right)^2=\left(\frac32\right)^2 $$

であり,上で求めた

$$ h-\left(a^2-\frac12\right)=\frac12 $$

を用いると

$$ a^2+\left(\frac12\right)^2=\frac94 $$

すなわち

$$ a^2=2 $$

となる。よって

$$ h=a^2=2 $$

である。

したがって,鉄球 $B$ の中心の高さは

$$ 2 $$

である。

(3)

入っていた水の体積は

$$ \frac{63\pi}{8} $$

である。

まず (1) より,空の容器で水面の高さが $\dfrac72$ のときの体積は

$$ \frac{\pi}{2}\cdot \frac72\cdot \frac92=\frac{63\pi}{8} $$

である。 一方,(2) より鉄球の中心は高さ $2$ にあり,半径は $\dfrac32$ なので,鉄球の最上点は

$$ 2+\frac32=\frac72 $$

である。

したがって,鉄球を入れた後の水面の高さを $H$ とすると,もし $H\le \dfrac72$ なら,水の体積は $\dfrac{63\pi}{8}$ より小さくなってしまう。よって

$$ H>\frac72 $$

であり,鉄球は完全に水中にある。

よって,水の体積は

$$ \frac{\pi}{2}H(H+1)-\frac43\pi\left(\frac32\right)^3 =\frac{\pi}{2}H(H+1)-\frac{9\pi}{2} $$

である。これが $\dfrac{63\pi}{8}$ に等しいから,

$$ \frac{\pi}{2}H(H+1)-\frac{9\pi}{2}=\frac{63\pi}{8} $$

すなわち

$$ 4H(H+1)-36=63 $$

$$ 4H^2+4H-99=0 $$

となる。これを解くと

$$ H=\frac{-4+40}{8}=\frac92 $$

である。

したがって,水面の高さは

$$ \frac92 $$

である。

(4)

水面が鉄球の中心より $\dfrac12$ だけ高いので,水面の高さは

$$ 2+\frac12=\frac52 $$

である。

このとき,水の体積は

「高さ $\dfrac52$ までの容器の体積」から「その高さまで水中に沈んでいる鉄球部分の体積」を引けばよい。

まず,容器の体積は (1) より

$$ \frac{\pi}{2}\cdot \frac52\cdot \frac72=\frac{35\pi}{8} $$

である。

次に,水中にある鉄球部分の体積を求める。高さ $y$ における鉄球の断面半径 $r$ は,中心が $(0,2)$,半径が $\dfrac32$ であるから

$$ r^2+\left(y-2\right)^2=\left(\frac32\right)^2 $$

より

$$ r^2=\frac94-(y-2)^2 $$

である。したがって,水中部分の体積は

$$ \pi\int_{1/2}^{5/2}\left(\frac94-(y-2)^2\right),dy $$

である。$u=y-2$ とおくと,

$$ \pi\int_{-3/2}^{1/2}\left(\frac94-u^2\right),du $$

となる。計算すると

$$ \pi\left[\frac94u-\frac13u^3\right]_{-3/2}^{1/2} =\pi\left(\frac{10}{3}\right) =\frac{10\pi}{3} $$

である。

よって,もともと入っていた水の体積は

$$ \frac{35\pi}{8}-\frac{10\pi}{3} =\frac{105\pi-80\pi}{24} =\frac{25\pi}{24} $$

である。

解説

この問題の本質は,容器の半径が高さ $y$ に対して

$$ r^2=y+\frac12 $$

と表せることにある。これが分かれば,体積は断面積の積分で処理できる。

また,鉄球がつかえて止まる位置は,断面で見れば「放物線に内接する円」の問題である。接点で半径は法線方向を向くことを使うと,中心の高さがきれいに決まる。

(3) は鉄球が完全に沈むかどうかの見極めが先であり,(4) は球の一部の体積を積分で正確に求めるのが要点である。

答え

(1)

$$ \frac{\pi}{2}p(p+1) $$

(2)

鉄球 $B$ の中心の高さは

$$ 2 $$

(3)

水面の高さは

$$ \frac92 $$

(4)

入っていた水の体積は

$$ \frac{25\pi}{24} $$

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