トップ 基礎問題 数学3 積分法 体積 問題 106

数学3 体積 問題 106 解説

数学3 体積 問題 106 解説

方針・初手

$e^{-x}>0$ であるから,$f(x)=e^{-x}\sin x$ の増減や $f(x)=g(x)$ の解は,$\sin x,\cos x-\sin x,\sin x+1$ の符号を見ればよい。

また,(3) では,囲まれた部分を $x$ 軸のまわりに回転するとき,区間によって断面が「円」になる部分と「円環」になる部分に分かれる。したがって,$x=\pi$ で積分を分けるのが初手である。

解法1

(1)

$f(x)$ が最小値をとるときの $x$ を求める。

$f(x)=e^{-x}\sin x$ を微分すると,

$$ f'(x)=(-e^{-x})\sin x+e^{-x}\cos x=e^{-x}(\cos x-\sin x) $$

である。

$e^{-x}>0$ より,

$$ f'(x)=0 \iff \cos x-\sin x=0 \iff \tan x=1 $$

となるので,$0\leqq x\leqq 2\pi$ において

$$ x=\frac{\pi}{4},\ \frac{5\pi}{4} $$

である。

ここで

$$ \cos x-\sin x=\sqrt{2}\cos\left(x+\frac{\pi}{4}\right) $$

より,$f'(x)$ の符号は

$$ \begin{cases} f'(x)>0 & \left(0<x<\frac{\pi}{4},\ \frac{5\pi}{4}<x<2\pi\right) \\ f'(x)<0 & \left(\frac{\pi}{4}<x<\frac{5\pi}{4}\right) \end{cases} $$

となる。したがって,$f(x)$ は

をとる。

よって,$f(x)$ が最小値をとるのは

$$ x=\frac{5\pi}{4} $$

である。

(2)

$f(x)=g(x)$ をみたす $x$ を求める。

$$ e^{-x}\sin x=-e^{-x} $$

であり,$e^{-x}>0$ だから両辺を $e^{-x}$ で割って

$$ \sin x=-1 $$

を得る。$0\leqq x\leqq 2\pi$ において,これをみたすのは

$$ x=\frac{3\pi}{2} $$

のみである。

(3) 2曲線 $C_1:y=f(x)$,$C_2:y=g(x)$ と $y$ 軸で囲まれる部分を $x$ 軸のまわりに1回転してできる立体の体積 $V$ を求める。

(2) より,2曲線の交点の $x$ 座標は $x=\dfrac{3\pi}{2}$ である。また,

$$ f(x)-g(x)=e^{-x}(\sin x+1)\geqq 0 $$

より,$0\leqq x\leqq \dfrac{3\pi}{2}$ では常に $f(x)\geqq g(x)$ である。したがって,囲まれた部分は $0\leqq x\leqq \dfrac{3\pi}{2}$ にある。

ここで,断面の形を考える。

(i)

$0\leqq x\leqq \pi$ のとき

$f(x)=e^{-x}\sin x\geqq 0$,$g(x)=-e^{-x}\leqq 0$ であるから,この区間では領域が $x$ 軸をまたぐ。したがって回転後の断面は半径 $e^{-x}$ の円であり,断面積は

$$ \pi (e^{-x})^2=\pi e^{-2x} $$

である。

(ii)

$\pi\leqq x\leqq \dfrac{3\pi}{2}$ のとき

$f(x)\leqq 0,\ g(x)\leqq 0$ であり,回転後の断面は円環になる。外半径は $-g(x)=e^{-x}$,内半径は $-f(x)=-e^{-x}\sin x$ であるから,断面積は

$$ \pi\left\{(e^{-x})^2-(-e^{-x}\sin x)^2\right\} =\pi e^{-2x}(1-\sin^2 x) =\pi e^{-2x}\cos^2 x $$

である。

よって,

$$ V=\pi\int_0^\pi e^{-2x},dx+\pi\int_\pi^{3\pi/2} e^{-2x}\cos^2 x,dx $$

となる。

まず,

$$ \pi\int_0^\pi e^{-2x},dx =\pi\left[-\frac{1}{2}e^{-2x}\right]_0^\pi =\frac{\pi}{2}(1-e^{-2\pi}) $$

である。

次に,

$$ \cos^2 x=\frac{1+\cos 2x}{2} $$

を用いると,

$$ \int e^{-2x}\cos^2 x,dx =\frac{1}{2}\int e^{-2x},dx+\frac{1}{2}\int e^{-2x}\cos 2x,dx $$

である。ここで,

$$ \int e^{-2x}\cos 2x,dx =\frac{e^{-2x}}{4}(-\cos 2x+\sin 2x) $$

より,

$$ \int e^{-2x}\cos^2 x,dx =-\frac{1}{4}e^{-2x}+\frac{e^{-2x}}{8}(-\cos 2x+\sin 2x) $$

となる。したがって,

$$ \pi\int_\pi^{3\pi/2} e^{-2x}\cos^2 x,dx =\pi\left[-\frac{1}{4}e^{-2x}+\frac{e^{-2x}}{8}(-\cos 2x+\sin 2x)\right]_\pi^{3\pi/2} $$

$$ =\pi\left(-\frac{e^{-3\pi}}{8}+\frac{3e^{-2\pi}}{8}\right) =\frac{\pi}{8}(3e^{-2\pi}-e^{-3\pi}) $$

である。

以上より,

$$ V=\frac{\pi}{2}(1-e^{-2\pi})+\frac{\pi}{8}(3e^{-2\pi}-e^{-3\pi}) =\frac{\pi}{8}\left(4-e^{-2\pi}-e^{-3\pi}\right) $$

となる。

解説

この問題の要点は3つである。

まず (1) では,$e^{-x}>0$ なので,$f'(x)$ の符号判定は $\cos x-\sin x$ だけ見ればよい。

次に (2) では,方程式 $f(x)=g(x)$ も $e^{-x}$ を消去すれば $\sin x=-1$ に直ちに帰着する。

最後に (3) が本題であり,領域が $x$ 軸をまたぐ区間 $0\leqq x\leqq \pi$ では断面が「円」,両曲線がともに $x$ 軸の下にある区間 $\pi\leqq x\leqq \dfrac{3\pi}{2}$ では断面が「円環」になる。この見極めをせずに一つの式で処理すると誤りやすい。

答え

(1)

$$ x=\frac{5\pi}{4} $$

(2)

$$ x=\frac{3\pi}{2} $$

(3)

$$ V=\frac{\pi}{8}\left(4-e^{-2\pi}-e^{-3\pi}\right) $$

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