トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 6

数学3 定積分・面積 問題 6 解説

数学3 定積分・面積 問題 6 解説

方針・初手

三角関数の積の形をした被積分関数を処理するため、積和の公式を用いて和や差の形に変形する。その際、原始関数を求める過程で係数が分母に現れるため、分母が $0$ になる場合とそうでない場合で場合分けを行う必要がある点に注意して計算を進める。

解法1

三角関数の積和の公式より、

$$\sin nx \sin x = \frac{1}{2} \{ \cos(n-1)x - \cos(n+1)x \}$$

と変形できる。 ここで、$n$ は正の整数であるから、$n-1=0$ となる $n=1$ の場合と、$n-1 \neq 0$ となる $n \ge 2$ の場合で分けて定積分を計算する。

(i) $n=1$ のとき

半角の公式を用いて計算する。

$$\begin{aligned} \int_0^{2\pi} \sin x \sin x dx &= \int_0^{2\pi} \sin^2 x dx \\ &= \int_0^{2\pi} \frac{1-\cos 2x}{2} dx \\ &= \left[ \frac{1}{2}x - \frac{1}{4}\sin 2x \right]_0^{2\pi} \\ &= \pi \end{aligned}$$

(ii) $n \ge 2$ のとき

$n-1 \neq 0$ であり、$n$ が正の整数であることから $n+1 \neq 0$ であるため、次のように積分できる。

$$\begin{aligned} \int_0^{2\pi} \sin nx \sin x dx &= \frac{1}{2} \int_0^{2\pi} \{ \cos(n-1)x - \cos(n+1)x \} dx \\ &= \frac{1}{2} \left[ \frac{1}{n-1}\sin(n-1)x - \frac{1}{n+1}\sin(n+1)x \right]_0^{2\pi} \end{aligned}$$

ここで、$n-1$ と $n+1$ は整数であるから、$\sin 2(n-1)\pi = 0$、$\sin 2(n+1)\pi = 0$ である。また、$x=0$ のときも各項は $0$ となる。 したがって、

$$\int_0^{2\pi} \sin nx \sin x dx = 0$$

解説

三角関数の積を積分する際の定石である「積和の公式」を用いる問題である。本問の最大のポイントは、「積分を実行する際に分母に文字式が現れる場合、その分母が $0$ になる場合を分けて考える」ことである。文字定数 $n$ が含まれる積分では、$n$ の値によって原始関数が変わるため、常にこの点に注意を払う必要がある。なお、この計算結果は「三角関数系の直交性」と呼ばれる性質を示しており、大学数学におけるフーリエ解析などで非常に重要な役割を果たす。

答え

$n=1$ のとき $\pi$

$n \ge 2$ のとき $0$

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