数学3 定積分・面積 問題 27 解説

方針・初手
定積分 $\int_{0}^{a} f(t) dt$ は積分区間が定数であるため、その結果は定数となります。したがって、これを $C$ とおくのが定石です。関数 $f(x)$ を $C$ を用いて表し、それを再び定積分の式に代入することで $C$ についての方程式を立てて解きます。
(2) では $f(x)$ を微分して増減を調べますが、極値をとる $x=a$ が区間 $-1 \leqq x \leqq 1$ に含まれるかどうかで場合分けを行う必要があります。
解法1
(1) $\int_{0}^{a} f(t) dt = C$ とおくと、与えられた等式は次のように書ける。
$$f(x) = x e^{-\frac{x}{a}} + \frac{C}{a+1}$$
これを $C = \int_{0}^{a} f(t) dt$ に代入する。
$$\begin{aligned} C &= \int_{0}^{a} \left( t e^{-\frac{t}{a}} + \frac{C}{a+1} \right) dt \\ &= \int_{0}^{a} t e^{-\frac{t}{a}} dt + \frac{C}{a+1} \int_{0}^{a} dt \end{aligned}$$
ここで、第1項の積分を部分積分法を用いて計算する。
$$\begin{aligned} \int_{0}^{a} t e^{-\frac{t}{a}} dt &= \int_{0}^{a} t \left( -a e^{-\frac{t}{a}} \right)' dt \\ &= \left[ -at e^{-\frac{t}{a}} \right]_{0}^{a} - \int_{0}^{a} \left( -a e^{-\frac{t}{a}} \right) dt \\ &= -a^2 e^{-1} + a \left[ -a e^{-\frac{t}{a}} \right]_{0}^{a} \\ &= -a^2 e^{-1} - a^2 (e^{-1} - 1) \\ &= a^2 - 2a^2 e^{-1} \end{aligned}$$
第2項の積分は、
$$\frac{C}{a+1} \int_{0}^{a} dt = \frac{C}{a+1} [t]_{0}^{a} = \frac{a}{a+1}C$$
したがって、$C$ の方程式は次のようになる。
$$C = a^2 - 2a^2 e^{-1} + \frac{a}{a+1}C$$
$$\left( 1 - \frac{a}{a+1} \right) C = a^2 (1 - 2e^{-1})$$
$$\frac{1}{a+1} C = a^2 (1 - 2e^{-1})$$
$$C = a^2 (a+1) (1 - 2e^{-1})$$
ゆえに、$\int_{0}^{a} f(t) dt = a^2 (a+1) (1 - 2e^{-1})$ である。
(2) (1) の結果から、$\frac{1}{a+1} \int_{0}^{a} f(t) dt = \frac{C}{a+1} = a^2 (1 - 2e^{-1})$ である。 これを $K$ とおくと、$f(x)$ は次のように表される。
$$f(x) = x e^{-\frac{x}{a}} + K$$
$f(x)$ を $x$ で微分する。
$$\begin{aligned} f'(x) &= 1 \cdot e^{-\frac{x}{a}} + x \cdot \left( -\frac{1}{a} e^{-\frac{x}{a}} \right) \\ &= \left( 1 - \frac{x}{a} \right) e^{-\frac{x}{a}} \end{aligned}$$
$f'(x) = 0$ とすると $x = a$ である。 定数 $a$ は $a > 0$ であるから、$a$ の値によって区間 $-1 \leqq x \leqq 1$ における増減が変わるため場合分けをする。
(i) $0 < a < 1$ のとき
$x=a$ は区間 $-1 \leqq x \leqq 1$ に含まれる。 $-1 \leqq x \leqq a$ のとき $f'(x) \geqq 0$、$a \leqq x \leqq 1$ のとき $f'(x) \leqq 0$ となるから、$f(x)$ は $x=a$ で最大となる。
$$\begin{aligned} f(a) &= a e^{-1} + K \\ &= a e^{-1} + a^2 (1 - 2e^{-1}) \end{aligned}$$
最小値は区間の両端点 $f(-1)$、$f(1)$ のうち小さい方である。
$$f(-1) = -e^{\frac{1}{a}} + K$$
$$f(1) = e^{-\frac{1}{a}} + K$$
$a > 0$ より $\frac{1}{a} > 0$ であるから、$e^{\frac{1}{a}} > 1 > e^{-\frac{1}{a}} > 0$ が成り立つ。 よって $-e^{\frac{1}{a}} < 0 < e^{-\frac{1}{a}}$ であり、$f(-1) < f(1)$ となる。 したがって、最小値は $f(-1) = -e^{\frac{1}{a}} + a^2 (1 - 2e^{-1})$ である。
(ii) $a \geqq 1$ のとき
区間 $-1 \leqq x \leqq 1$ において $x \leqq a$ であるから $1 - \frac{x}{a} \geqq 0$ となり、$f'(x) \geqq 0$ が成り立つ。 よって $f(x)$ は区間 $-1 \leqq x \leqq 1$ で単調増加する。 したがって、最大値は $f(1)$、最小値は $f(-1)$ である。
$$f(1) = e^{-\frac{1}{a}} + K = e^{-\frac{1}{a}} + a^2 (1 - 2e^{-1})$$
最小値は (i) と同じく $f(-1) = -e^{\frac{1}{a}} + a^2 (1 - 2e^{-1})$ となる。
解説
定積分で表された関数を扱う定石問題です。積分区間に変数が含まれず定数のみである場合は、積分全体を定数として置き換える手法が基本となります。
本問では (2) で $f(x)$ の最大・最小を求める際に、極値をとる $x=a$ の位置と定義域 $-1 \leqq x \leqq 1$ との位置関係を考える必要があります。$a$ が正の定数であることに注意して場合分けを行うことがポイントです。最小値の判定において $f(-1)$ と $f(1)$ の大小比較が必要になりますが、底が $e > 1$ である指数関数の性質を利用すれば容易に比較できます。
答え
(1) $a^2 (a+1) (1 - 2e^{-1})$
(2) $0 < a < 1$ のとき
最大値: $a e^{-1} + a^2(1 - 2e^{-1})$
最小値: $-e^{\frac{1}{a}} + a^2(1 - 2e^{-1})$
$a \geqq 1$ のとき
最大値: $e^{-\frac{1}{a}} + a^2(1 - 2e^{-1})$
最小値: $-e^{\frac{1}{a}} + a^2(1 - 2e^{-1})$
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