数学3 定積分・面積 問題 33 解説

方針・初手
(1) は三角関数の相互関係 $1 + \tan^2 \theta = \frac{1}{\cos^2 \theta}$ を用いて媒介変数 $\theta$ を消去する。その際、$\theta$ の変域から $x$ の変域を確認しておく。
(2) は (1) で求めた関数について第2次導関数まで計算し、$f''(x) = 0$ となる $x$ の値を求め、その前後での符号変化を調べる。
(3) は (2) で求めた $x$ 座標の区間で定積分を行う。被積分関数が $\frac{1}{1+x^2}$ の形になるため、$x = \tan \theta$ と置換積分を行うのが定石である。本問では元の媒介変数表示をそのまま利用できる。
解法1
(1)
三角関数の相互関係より、以下の式が成り立つ。
$$1 + \tan^2 \theta = \frac{1}{\cos^2 \theta}$$
これを変形すると $\cos^2 \theta = \frac{1}{1 + \tan^2 \theta}$ となる。
与えられた $x = \tan \theta$、$y = \cos^2 \theta$ を代入して、$\theta$ を消去すると、
$$y = \frac{1}{x^2 + 1}$$
ここで、$-\frac{\pi}{2} < \theta < \frac{\pi}{2}$ のとき、$\tan \theta$ はすべての実数値をとるため、$x$ の定義域は実数全体である。
(2)
$f(x) = \frac{1}{x^2 + 1} = (x^2 + 1)^{-1}$ とおく。
$f(x)$ の第1次導関数は、
$$f'(x) = -(x^2 + 1)^{-2} \cdot 2x = \frac{-2x}{(x^2 + 1)^2}$$
第2次導関数は、商の微分公式を用いて、
$$f''(x) = \frac{-2(x^2 + 1)^2 - (-2x) \cdot 2(x^2 + 1) \cdot 2x}{(x^2 + 1)^4}$$
分母分子を $x^2 + 1$ で約分し整理すると、
$$f''(x) = \frac{-2(x^2 + 1) + 8x^2}{(x^2 + 1)^3} = \frac{6x^2 - 2}{(x^2 + 1)^3} = \frac{2(3x^2 - 1)}{(x^2 + 1)^3}$$
$f''(x) = 0$ とすると、$3x^2 - 1 = 0$ より $x = \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。
分母の $(x^2 + 1)^3$ は常に正であるため、$f''(x)$ の符号は分子の $2(3x^2 - 1)$ の符号と一致する。 したがって、$x = \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$ の前後で $f''(x)$ の符号は正から負、あるいは負から正へと変化し、これらは変曲点を与える。
$x = \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$ のときの $y$ 座標は、
$$y = \frac{1}{\left(\pm \frac{1}{\sqrt{3}}\right)^2 + 1} = \frac{1}{\frac{1}{3} + 1} = \frac{3}{4}$$
よって、求める変曲点の座標は $\left(-\frac{1}{\sqrt{3}}, \frac{3}{4}\right), \left(\frac{1}{\sqrt{3}}, \frac{3}{4}\right)$ である。
(3)
(2) の結果より、変曲点を通る $y$ 軸に平行な直線は $x = -\frac{1}{\sqrt{3}}$ と $x = \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。
曲線 $y = \frac{1}{x^2 + 1}$ は常に $y > 0$ であるため、求める面積 $S$ は次の定積分で表される。
$$S = \int_{-\frac{1}{\sqrt{3}}}^{\frac{1}{\sqrt{3}}} \frac{1}{x^2 + 1} dx$$
ここで、$x = \tan \theta$ と置換積分する(これは与えられた媒介変数表示そのものである)。
$$dx = \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta$$
$x$ が $-\frac{1}{\sqrt{3}}$ から $\frac{1}{\sqrt{3}}$ まで変化するとき、$\theta$ は $-\frac{\pi}{6}$ から $\frac{\pi}{6}$ まで変化する。
積分を $\theta$ に置換して計算する。
$$S = \int_{-\frac{\pi}{6}}^{\frac{\pi}{6}} \frac{1}{\tan^2 \theta + 1} \cdot \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta$$
$1 + \tan^2 \theta = \frac{1}{\cos^2 \theta}$ であるから、
$$S = \int_{-\frac{\pi}{6}}^{\frac{\pi}{6}} \cos^2 \theta \cdot \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta$$
$$S = \int_{-\frac{\pi}{6}}^{\frac{\pi}{6}} 1 d\theta$$
$$S = \left[ \theta \right]_{-\frac{\pi}{6}}^{\frac{\pi}{6}} = \frac{\pi}{6} - \left(-\frac{\pi}{6}\right) = \frac{\pi}{3}$$
解説
微積分における基本的な計算力を問う問題である。 (1) では、与えられた媒介変数 $\theta$ の範囲から、求めた関数における $x$ の定義域を確認しておくことが論理展開として丁寧である。 (3) の積分は、被積分関数が $\frac{1}{x^2 + a^2}$ の形であるため $x = a \tan \theta$ と置換する定石通りの処理であるが、本問では設定された媒介変数がまさにその置換となっているため、非常にスムーズに計算を進めることができる。
答え
(1) $y = \frac{1}{x^2 + 1}$
(2) $\left(-\frac{1}{\sqrt{3}}, \frac{3}{4}\right), \left(\frac{1}{\sqrt{3}}, \frac{3}{4}\right)$
(3) $\frac{\pi}{3}$
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