数学3 定積分・面積 問題 65 解説

方針・初手
被積分関数が有理関数(多項式を多項式で割った形)である場合の基本的な手順に従う。まず、「分子の次数 $\geqq$ 分母の次数」であるため、分子を分母で割り算して整式部分をくくり出し、「分子の次数 $<$ 分母の次数」となる分数式に変形する。その後、分母が因数分解できることを利用して、残った分数式を部分分数分解し、それぞれを積分する。
解法1
被積分関数の分子を分母で割ると、以下のように変形できる。
$$\begin{aligned} x^3 - x^2 - 9x + 10 &= x(x^2 - 9) - x^2 + 10 \\ &= x(x^2 - 9) - (x^2 - 9) + 1 \\ &= (x - 1)(x^2 - 9) + 1 \end{aligned}$$
よって、被積分関数は次のように表される。
$$\frac{x^3 - x^2 - 9x + 10}{x^2 - 9} = x - 1 + \frac{1}{x^2 - 9}$$
ここで、右辺の分数式部分について分母を因数分解し、部分分数分解を行う。
$$\begin{aligned} \frac{1}{x^2 - 9} &= \frac{1}{(x - 3)(x + 3)} \\ &= \frac{1}{6} \left( \frac{1}{x - 3} - \frac{1}{x + 3} \right) \end{aligned}$$
以上を用いて、与えられた不定積分を計算する。積分定数を $C$ とする。
$$\begin{aligned} \int \frac{x^3 - x^2 - 9x + 10}{x^2 - 9} dx &= \int \left\{ x - 1 + \frac{1}{6} \left( \frac{1}{x - 3} - \frac{1}{x + 3} \right) \right\} dx \\ &= \frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{6} \left( \log|x - 3| - \log|x + 3| \right) + C \\ &= \frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{6} \log \left| \frac{x - 3}{x + 3} \right| + C \end{aligned}$$
解説
有理関数の積分における定石問題である。以下の2つのステップを確実に実行することが求められる。
- 次数の引き下げ:「分子の次数 $\geqq$ 分母の次数」の有理関数は、そのままでは扱いづらいため、必ず割り算を行い「整式 $+$ 真分数式(分子の次数が分母より低い)」の形に直す。
- 部分分数分解:分母が一次式の積に因数分解できる場合、部分分数に分解することで $\int \frac{1}{x - a} dx = \log|x - a| + C$ の公式が適用可能になる。
計算ミスを防ぐためにも、部分分数分解を行った後は一度通分して元の式に戻るか確認する習慣をつけるとよい。
答え
$$\frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{6} \log \left| \frac{x - 3}{x + 3} \right| + C \quad (C\text{ は積分定数})$$
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