トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 76

数学3 定積分・面積 問題 76 解説

数学3 定積分・面積 問題 76 解説

方針・初手

(1) は被積分関数が半円を表すことを利用する、定積分の図形的解釈の典型問題である。 (2) は定積分 $\int_{-1}^{1} f(t) dt$ の積分区間が定数であり、積分結果も定数となることに着目する。これを文字で置く積分方程式の基本解法を用いる。 (3) は(2)で求めた関数 $f(x)$ を微分し、増減表を書いてグラフの概形を描く。微分計算における無理方程式の扱いに注意する。

解法1

(1)

求める定積分は、曲線 $y = \sqrt{1-x^2}$ と $x$ 軸、および2直線 $x = -1, x = 1$ で囲まれた図形の面積を表す。

曲線 $y = \sqrt{1-x^2}$ は両辺を2乗して整理すると $x^2 + y^2 = 1 \ (y \geqq 0)$ となるため、原点を中心とする半径 $1$ の上半分の半円である。

したがって、求める定積分の値はこの半円の面積に等しいので、

$$\int_{-1}^1 \sqrt{1-x^2} dx = \frac{1}{2} \cdot \pi \cdot 1^2 = \frac{\pi}{2}$$

(2)

積分区間が定数であるから、$\int_{-1}^1 f(t) dt$ は定数である。これを $k$ とおく。すなわち、

$$k = \int_{-1}^1 f(t) dt \quad \cdots \text{①}$$

とする。このとき、与えられた関数 $f(x)$ は次のように表せる。

$$f(x) = \sqrt{1-x^2} + \frac{2k}{\pi} x \quad \cdots \text{②}$$

②を①の右辺に代入すると、

$$k = \int_{-1}^1 \left( \sqrt{1-t^2} + \frac{2k}{\pi} t \right) dt$$

$$k = \int_{-1}^1 \sqrt{1-t^2} dt + \frac{2k}{\pi} \int_{-1}^1 t dt$$

ここで、(1)の結果より $\int_{-1}^1 \sqrt{1-t^2} dt = \frac{\pi}{2}$ である。

また、関数 $y=t$ は奇関数であるから、$\int_{-1}^1 t dt = 0$ である。

したがって、

$$k = \frac{\pi}{2} + \frac{2k}{\pi} \cdot 0 = \frac{\pi}{2}$$

求めた $k$ の値を②に代入すると、

$$f(x) = \sqrt{1-x^2} + \frac{2}{\pi} \cdot \frac{\pi}{2} x = \sqrt{1-x^2} + x$$

(3)

(2)より、$f(x) = \sqrt{1-x^2} + x \quad (-1 \leqq x \leqq 1)$ である。

これを $x$ について微分すると、$-1 < x < 1$ において、

$$f'(x) = \frac{-2x}{2\sqrt{1-x^2}} + 1 = 1 - \frac{x}{\sqrt{1-x^2}} = \frac{\sqrt{1-x^2} - x}{\sqrt{1-x^2}}$$

$f'(x) = 0$ となる $x$ を求める。分母は正であるから、$\sqrt{1-x^2} - x = 0$ すなわち $\sqrt{1-x^2} = x$ となる。

両辺を2乗すると、

$$1 - x^2 = x^2$$

$$2x^2 = 1$$

$$x^2 = \frac{1}{2}$$

$$x = \pm \frac{1}{\sqrt{2}}$$

ここで、方程式 $\sqrt{1-x^2} = x$ において左辺は $0$ 以上であるから $x \geqq 0$ である。したがって、$x = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のみが適する。

各点における関数値は、

$f(-1) = \sqrt{1 - (-1)^2} + (-1) = -1$

$f\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) = \sqrt{1 - \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^2} + \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{1}{\sqrt{2}} + \frac{1}{\sqrt{2}} = \sqrt{2}$

$f(1) = \sqrt{1 - 1^2} + 1 = 1$

となるため、増減表は以下のようになる。

$x$ $-1$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{2}}$ $\cdots$ $1$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $-1$ $\nearrow$ $\sqrt{2}$ $\searrow$ $1$

以上より、$y=f(x)$ のグラフは、点 $(-1, -1)$ を出発し、$x = \frac{1}{\sqrt{2}}$ で極大かつ最大値 $\sqrt{2}$ をとり、点 $(1, 1)$ に至る曲線となる。また、$y$ 軸との交点は $(0, 1)$ である。

解説

定積分を含む関数方程式の基本問題である。

積分区間に変数が含まれていない定積分は定数になることに着目し、文字でおいて元の式に代入する手法は頻出であるため、確実に押さえておきたい。本問では、(1) で円の面積を利用させる誘導があるため、(2) の計算は容易に完了できる。

(3) の微分では、導関数 $f'(x) = 0$ を解く際に無理方程式を扱うことになる。両辺を2乗した際には同値性が崩れるため、元の条件(今回は $x \geqq 0$)を満たす解のみを抽出することに注意が必要である。

答え

(1)

$$\frac{\pi}{2}$$

(2)

$$f(x) = \sqrt{1-x^2} + x$$

(3)

増減は解答の増減表の通り。

グラフは、点 $(-1, -1)$、$(-1, 0)$、$(-1/\sqrt{2}, 0)$、$(0, 1)$、$(1/\sqrt{2}, \sqrt{2})$、$(1, 1)$ を通るような山なりの曲線となる。(極大値は $x = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき $\sqrt{2}$)

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。