数学3 定積分・面積 問題 92 解説

方針・初手
被積分関数に $\sin x$ と $\cos x$ が混在しているが、分子に $\sin x \, dx$ という形が含まれていることに着目する。これは $\cos x$ の導関数に関連する形であるため、$\cos x = t$、あるいは分母ごと $2 + \cos x = t$ と置換することで、有理関数の積分に帰着できる。
解法1
$\cos x = t$ とおく。
両辺を $x$ で微分すると
$$\frac{dt}{dx} = -\sin x$$
すなわち
$$\sin x \, dx = -dt$$
となる。これを用いて与えられた不定積分を $t$ の積分に書き換えると
$$\begin{aligned} \int \frac{\sin x \cos x}{2 + \cos x} dx &= \int \frac{t}{2 + t} (-dt) \\ &= \int \frac{-t}{t + 2} dt \end{aligned}$$
となる。ここで、被積分関数である分数式は分子と分母の次数が等しいため、分子の次数を下げる変形を行う。
$$\begin{aligned} \int \frac{-t}{t + 2} dt &= \int \frac{-(t + 2) + 2}{t + 2} dt \\ &= \int \left( -1 + \frac{2}{t + 2} \right) dt \\ &= -t + 2 \log |t + 2| + C \quad (\text{$C$ は積分定数}) \end{aligned}$$
$t = \cos x$ を代入して $x$ の式に戻す。このとき、$-1 \leqq \cos x \leqq 1$ より常に $\cos x + 2 > 0$ であるため、真数条件を満たし絶対値記号は外すことができる。
$$-\cos x + 2 \log (\cos x + 2) + C$$
解法2
分母全体をひとまとまりとして $2 + \cos x = u$ とおく。
両辺を $x$ で微分すると
$$\frac{du}{dx} = -\sin x$$
すなわち
$$\sin x \, dx = -du$$
となる。また、$\cos x = u - 2$ である。これらを用いて与式を書き換えると
$$\begin{aligned} \int \frac{\sin x \cos x}{2 + \cos x} dx &= \int \frac{u - 2}{u} (-du) \\ &= \int \left( -1 + \frac{2}{u} \right) du \\ &= -u + 2 \log |u| + C' \quad (\text{$C'$ は積分定数}) \end{aligned}$$
$u = 2 + \cos x$ を代入して $x$ の式に戻す。$-1 \leqq \cos x \leqq 1$ より常に $2 + \cos x > 0$ であるから、絶対値記号は外れる。
$$\begin{aligned} -(2 + \cos x) + 2 \log (2 + \cos x) + C' &= -\cos x - 2 + 2 \log (\cos x + 2) + C' \\ &= -\cos x + 2 \log (\cos x + 2) + C \end{aligned}$$
(ただし $C = C' - 2$ であり、$C$ を新たな積分定数とする)
解説
三角関数の積分において、被積分関数が $f(\cos x) \sin x$ の形をしている場合は $\cos x = t$ と置換する定石問題である。置換積分を行った後は、有理関数の積分において「分子の次数を分母の次数より低くする」という基本変形を行う。
解法2のように分母ごと置換した方が、置換後の分数式の変形がわずかに見えやすくなる。また、積分結果の定数項のズレは積分定数に吸収される点に注意する。
最後に、対数の真数部分について絶対値が外れる理由を明記しておくことが望ましい。
答え
$$-\cos x + 2 \log (\cos x + 2) + C \quad (\text{$C$ は積分定数})$$
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