トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 106

数学3 定積分・面積 問題 106 解説

数学3 定積分・面積 問題 106 解説

方針・初手

(1) は連立方程式を解いて交点の $x$ 座標を求める。指数関数 $e^x > 0$ であることを用いて式を簡略化する。 (2) は2曲線の上下関係を調べ、定積分により面積を立式する。被積分関数に絶対値が含まれるため、積分区間を $x=0$ を境に分けて計算する。得られた面積の式を $2$ と等置し、$e^k$ に関する方程式として解く。その際、$k>0$ の条件を満たすかどうかの吟味を忘れないようにする。

解法1

(1)

2曲線 $C_1, C_2$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $ke^x = |x|e^x$ の実数解である。

両辺を $e^x (>0)$ で割ると、

$$k = |x|$$

$k$ は正の定数であるから、これを解いて、

$$x = \pm k$$

よって、交点の $x$ 座標は $x = \pm k$ である。

(2)

(1) の結果より、2曲線 $C_1, C_2$ で囲まれた図形が存在する $x$ の範囲は $-k \le x \le k$ である。

この区間において、常に $k \ge |x|$ が成り立つ。

$e^x > 0$ より、常に $ke^x \ge |x|e^x$ が成り立つため、この区間では常に $C_1$ が $C_2$ の上側(または境界で一致)にある。

したがって、2曲線で囲まれた図形の面積 $S$ は、

$$S = \int_{-k}^{k} (ke^x - |x|e^x) dx = \int_{-k}^{k} (k - |x|)e^x dx$$

絶対値を外すため、積分区間を $-k \le x \le 0$ と $0 \le x \le k$ に分ける。

$$S = \int_{-k}^{0} (k + x)e^x dx + \int_{0}^{k} (k - x)e^x dx$$

それぞれの定積分を、部分積分法を用いて計算する。

$$\begin{aligned} \int_{-k}^{0} (k + x)e^x dx &= \left[ (k+x)e^x \right]_{-k}^{0} - \int_{-k}^{0} 1 \cdot e^x dx \\ &= k - \left[ e^x \right]_{-k}^{0} \\ &= k - (1 - e^{-k}) \\ &= k - 1 + e^{-k} \end{aligned}$$

$$\begin{aligned} \int_{0}^{k} (k - x)e^x dx &= \left[ (k-x)e^x \right]_{0}^{k} - \int_{0}^{k} (-1) \cdot e^x dx \\ &= -k + \int_{0}^{k} e^x dx \\ &= -k + \left[ e^x \right]_{0}^{k} \\ &= -k + (e^k - 1) \\ &= e^k - k - 1 \end{aligned}$$

よって、面積 $S$ は、

$$\begin{aligned} S &= (k - 1 + e^{-k}) + (e^k - k - 1) \\ &= e^k + e^{-k} - 2 \end{aligned}$$

問題の条件より $S = 2$ であるから、

$$e^k + e^{-k} - 2 = 2$$

$$e^k + e^{-k} - 4 = 0$$

両辺に $e^k$ を掛けて整理すると、

$$(e^k)^2 - 4e^k + 1 = 0$$

これを $e^k$ についての2次方程式とみて解くと、

$$e^k = \frac{4 \pm \sqrt{16 - 4}}{2} = 2 \pm \sqrt{3}$$

ここで、$k$ は正の定数($k>0$)であるから、底 $e > 1$ より $e^k > e^0 = 1$ を満たさなければならない。

$2 + \sqrt{3} > 1$ であり、また $\sqrt{3} \approx 1.732$ より $2 - \sqrt{3} \approx 0.268 < 1$ であるため、

$$e^k = 2 + \sqrt{3}$$

両辺の自然対数をとって、

$$k = \log(2 + \sqrt{3})$$

解説

絶対値を含む関数の定積分と、指数方程式の解法を組み合わせた標準的な微積分の問題である。 (1) では $e^x$ が常に正であることを用いて、迷わず約分して式を簡略化したい。 (2) では絶対値を適切に外すために積分区間を $0$ で分割し、それぞれで部分積分法を用いて計算を進める。計算量がやや多いため符号のミスなどに注意が必要である。最後に得られた $e^k$ の2次方程式から $k$ の値を決定する際、$k>0$ という問題の前提条件を用いて解を絞り込む工程が重要である。

答え

(1) $x = \pm k$

(2) $k = \log(2 + \sqrt{3})$

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