数学3 定積分・面積 問題 108 解説

方針・初手
数列の和の極限を求める問題である。式の中に $\cdots$ と和が表されており、$n \to \infty$ とする極限であることから、区分求積法の利用を考えるのが自然な発想である。与式をシグマ記号 $\sum$ を用いて表し、$\frac{1}{n}$ と $f\left(\frac{k}{n}\right)$ の積の形を作り出すことを目指す。
解法1
与えられた極限を $L$ とおくと、和はシグマ記号を用いて次のように表せる。
$$L = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n \frac{n}{n^2 + k^2}$$
区分求積法を適用するため、和の各項の分母と分子を $n^2$ で割ることにより、$\frac{1}{n}$ をくくり出し、$\frac{k}{n}$ の式を作る。
$$\begin{aligned} L &= \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n \frac{\frac{1}{n}}{1 + \left(\frac{k}{n}\right)^2} \\ &= \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n \frac{1}{1 + \left(\frac{k}{n}\right)^2} \end{aligned}$$
これは区分求積法の公式 $\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1 f(x) dx$ において、$f(x) = \frac{1}{1+x^2}$ とした場合に相当する。したがって、極限 $L$ は次の定積分で表される。
$$L = \int_0^1 \frac{1}{1 + x^2} dx$$
この定積分を計算するため、$x = \tan\theta$ とおく。 両辺を $\theta$ で微分すると、次の関係が得られる。
$$dx = \frac{1}{\cos^2\theta} d\theta$$
積分区間の対応は、$x$ が $0$ から $1$ まで変化するとき、$\theta$ は $0$ から $\frac{\pi}{4}$ まで変化する。 これを定積分の式に代入して計算する。三角関数の相互関係 $1 + \tan^2\theta = \frac{1}{\cos^2\theta}$ を用いる。
$$\begin{aligned} L &= \int_0^{\frac{\pi}{4}} \frac{1}{1 + \tan^2\theta} \cdot \frac{1}{\cos^2\theta} d\theta \\ &= \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^2\theta \cdot \frac{1}{\cos^2\theta} d\theta \\ &= \int_0^{\frac{\pi}{4}} 1 d\theta \\ &= \left[ \theta \right]_0^{\frac{\pi}{4}} \\ &= \frac{\pi}{4} \end{aligned}$$
よって、求める極限値は $\frac{\pi}{4}$ である。
解説
無限級数の和の極限を定積分に直して計算する「区分求積法」の典型問題である。与えられた和を $\sum$ 記号でまとめ、分母の最高次数の項などで割ることで無理やり $\frac{k}{n}$ と $\frac{1}{n}$ の形を作るのが定石である。 また、積分計算において現れる $\int \frac{1}{a^2 + x^2} dx$ の形は、$x = a \tan\theta$ と置換積分を行うことで求められる基本的なパターンである。極限の変形と定積分の計算という2つの基本事項が問われており、確実に正答を導きたい問題である。
答え
$\frac{\pi}{4}$
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