数学3 定積分・面積 問題 134 解説

方針・初手
$f(x)$ の導関数、2次導関数を正確に計算し、増減表を作成してグラフの概形を描く微分法の典型的な問題である。漸近線は極限 $x \to \pm\infty$ を調べることで求める。面積の計算においては、求められた漸近線と曲線の上下関係を把握して定積分を立式する。その際、分子が分母の微分形となっていることに気づくと計算がスムーズに進む。
解法1
(1)
$f(x) = (1+e^{2x-1})^{-1}$ を微分する。合成関数の微分法を用いる。
$$f'(x) = -(1+e^{2x-1})^{-2} \cdot (2e^{2x-1}) = \frac{-2e^{2x-1}}{(1+e^{2x-1})^2}$$
これが①である。
続いて、商の微分法を用いて2次導関数 $f''(x)$ を求める。
$$\begin{aligned} f''(x) &= \frac{-2 \cdot 2e^{2x-1} \cdot (1+e^{2x-1})^2 - (-2e^{2x-1}) \cdot 2(1+e^{2x-1}) \cdot 2e^{2x-1}}{(1+e^{2x-1})^4} \\ &= \frac{-4e^{2x-1}(1+e^{2x-1}) + 8e^{4x-2}}{(1+e^{2x-1})^3} \\ &= \frac{-4e^{2x-1} - 4e^{4x-2} + 8e^{4x-2}}{(1+e^{2x-1})^3} \\ &= \frac{4e^{4x-2} - 4e^{2x-1}}{(1+e^{2x-1})^3} \\ &= \frac{4e^{2x-1}(e^{2x-1}-1)}{(1+e^{2x-1})^3} \end{aligned}$$
これが②に当てはまる式である。
次に変曲点を求める。$f''(x) = 0$ とすると、$e^{2x-1} - 1 = 0$ より $e^{2x-1} = 1$ となる。すなわち $2x-1 = 0$ から $x = \frac{1}{2}$ である。
$x = \frac{1}{2}$ の前後で $f''(x)$ の符号が負から正へ変化するため、この点は確かに変曲点である。このときの $y$ 座標は
$$f\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{1}{1+e^0} = \frac{1}{2}$$
したがって、変曲点の座標は $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$ となる(③)。
漸近線については、極限を調べる。
$$\lim_{x \to \infty} f(x) = \lim_{x \to \infty} \frac{1}{1+e^{2x-1}} = 0$$
より、$y=0$ は漸近線であり、問題文と一致する。また、
$$\lim_{x \to -\infty} f(x) = \lim_{x \to -\infty} \frac{1}{1+e^{2x-1}} = \frac{1}{1+0} = 1$$
より、もう一方の漸近線の方程式は $y=1$ である(④)。
(2)
(1)の計算から、すべての実数 $x$ において $f'(x) < 0$ であるため、$f(x)$ は単調に減少する。増減表は次のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $\frac{1}{2}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $-$ | $-$ | $-$ |
| $f''(x)$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\searrow$ | $\frac{1}{2}$ | $\searrow$ |
$y$軸との交点は $(0, f(0)) = \left(0, \frac{1}{1+e^{-1}}\right) = \left(0, \frac{e}{e+1}\right)$ である。
グラフは解答用紙に描くが、概形としては $y=1$ を左側の漸近線として上に凸に減少し、変曲点 $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$ を境に下に凸に変わり、$y=0$ を右側の漸近線として減少していく滑らかな曲線(ロジスティック曲線)となる。
(3)
④で求めた漸近線は $y=1$ である。求める領域は、直線 $y=1$、$y$軸 ($x=0$)、直線 $x=1$ および曲線 $y=f(x)$ で囲まれた図形である。
区間 $0 \leqq x \leqq 1$ において、$f(x) < 1$ であるから、求める面積 $S$ は次のように計算できる。
$$\begin{aligned} S &= \int_{0}^{1} (1 - f(x)) \, dx \\ &= \int_{0}^{1} \left( 1 - \frac{1}{1+e^{2x-1}} \right) \, dx \\ &= \int_{0}^{1} \frac{e^{2x-1}}{1+e^{2x-1}} \, dx \end{aligned}$$
ここで、積分される関数が $\frac{g'(x)}{g(x)}$ の形になるように変形する。
$$\begin{aligned} S &= \frac{1}{2} \int_{0}^{1} \frac{2e^{2x-1}}{1+e^{2x-1}} \, dx \\ &= \frac{1}{2} \int_{0}^{1} \frac{(1+e^{2x-1})'}{1+e^{2x-1}} \, dx \\ &= \frac{1}{2} \left[ \log(1+e^{2x-1}) \right]_{0}^{1} \\ &= \frac{1}{2} \log(1+e) - \frac{1}{2} \log(1+e^{-1}) \end{aligned}$$
さらに対数の性質を用いて整理する。
$$\begin{aligned} S &= \frac{1}{2} \log(1+e) - \frac{1}{2} \log\left(\frac{e+1}{e}\right) \\ &= \frac{1}{2} \log(1+e) - \frac{1}{2} \{ \log(e+1) - \log e \} \\ &= \frac{1}{2} \log e \\ &= \frac{1}{2} \end{aligned}$$
解説
- (1) 指数関数の微分において、合成関数の微分法の適用ミスに注意する。商の微分法を用いてもよいが、符号や係数である「$2$」を落とさないよう慎重に計算する。
- (2) 変曲点を持つ単調減少のグラフの描画である。漸近線、切片、変曲点の座標を正確に求め、凸性の変化が視覚的に分かるように描くことが求められる。
- (3) 被積分関数 $\frac{e^{2x-1}}{1+e^{2x-1}}$ が $\frac{g'(x)}{g(x)}$ の定数倍であることに気付けるかがポイントである。もし気づかなくても、$e^{2x-1}=t$ などの置換積分を行えば同じ結果が得られる。計算の最終段階で $\log(1+e^{-1})$ を $\log(e+1)-\log e$ と変形して簡約化する処理も重要である。
答え
(1) ①: $\frac{-2e^{2x-1}}{(1+e^{2x-1})^2}$
②: $4e^{2x-1}(e^{2x-1}-1)$
③: $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$
④: $y=1$
(2) 解答用紙の記述欄に増減表とグラフを記入(本稿では概形の特徴のみ記載)
(3) $\frac{1}{2}$
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





