トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 143

数学3 定積分・面積 問題 143 解説

数学3 定積分・面積 問題 143 解説

方針・初手

(1) 曲線と直線の共有点の $x$ 座標は、2つの式を連立した方程式を解くことで求める。また、2つのグラフがある点で接することを示すには、その点を共有し、さらにその点におけるそれぞれの接線の傾き(微分係数)が一致することを示せばよい。

(2) 積分区間における曲線と直線の上下関係を調べ、差をとって定積分を計算する。被積分関数として現れる $x \cos^2 x$ の積分は、半角の公式を用いて三角関数の次数を下げたのち、部分積分法を用いるのが定石である。

解法1

(1)

曲線 $y = x \sin^2 x$ と直線 $y = x$ の共有点の $x$ 座標は、方程式

$$x \sin^2 x = x$$

の解である。$x > 0$ であるから、両辺を $x$ で割って整理すると

$$\sin^2 x = 1$$

$$\sin x = \pm 1$$

となる。これを満たす正の $x$ は、小さい方から順に

$$x = \frac{\pi}{2}, \frac{3}{2}\pi, \frac{5}{2}\pi, \cdots$$

である。したがって、第 $n$ 番目の点である $\mathrm{A}_n$ の $x$ 座標 $x_n$ は

$$x_n = \frac{\pi}{2} + (n-1)\pi = \frac{2n-1}{2}\pi$$

である。

次に、$f(x) = x \sin^2 x$ とおく。これを微分すると

$$f'(x) = \sin^2 x + x \cdot 2 \sin x \cos x = \sin^2 x + x \sin 2x$$

となる。点 $\mathrm{A}_n$ における曲線 $y = x \sin^2 x$ の接線の傾きは $f'(x_n)$ であるから、これを計算する。$x_n = \frac{2n-1}{2}\pi$ において

$$\sin x_n = \pm 1 \implies \sin^2 x_n = 1$$

$$\sin 2x_n = \sin(2n-1)\pi = 0$$

であるため、

$$f'(x_n) = 1 + x_n \cdot 0 = 1$$

となる。これは直線 $y = x$ の傾きに等しい。

点 $\mathrm{A}_n$ は直線 $y = x$ 上の点であり、かつその点における曲線 $y = f(x)$ の接線の傾きが直線 $y = x$ の傾きと一致するため、曲線 $y = x \sin^2 x$ と直線 $y = x$ は点 $\mathrm{A}_n$ において接する。(証明終)

(2)

(1) より、点 $\mathrm{A}_n$ の $x$ 座標は $x_n = \frac{2n-1}{2}\pi$ であり、点 $\mathrm{A}_{n+1}$ の $x$ 座標は $x_{n+1} = \frac{2n+1}{2}\pi$ である。

区間 $\frac{2n-1}{2}\pi \leqq x \leqq \frac{2n+1}{2}\pi$ において

$$x - x \sin^2 x = x(1 - \sin^2 x) = x \cos^2 x \geqq 0$$

であるため、直線 $y = x$ は常に曲線 $y = x \sin^2 x$ の上側(または境界上)にある。

したがって、求める面積を $S_n$ とすると

$$S_n = \int_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi} (x - x \sin^2 x) dx$$

$$= \int_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi} x \cos^2 x dx$$

となる。半角の公式 $\cos^2 x = \frac{1 + \cos 2x}{2}$ を用いると

$$S_n = \int_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi} x \cdot \frac{1 + \cos 2x}{2} dx$$

$$= \frac{1}{2} \int_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi} x dx + \frac{1}{2} \int_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi} x \cos 2x dx$$

と表せる。ここで、第1項の定積分を計算する。

$$\frac{1}{2} \int_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi} x dx = \frac{1}{2} \left[ \frac{1}{2} x^2 \right]_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi}$$

$$= \frac{1}{4} \left\{ \left( \frac{2n+1}{2}\pi \right)^2 - \left( \frac{2n-1}{2}\pi \right)^2 \right\}$$

$$= \frac{\pi^2}{16} \left\{ (2n+1)^2 - (2n-1)^2 \right\}$$

$$= \frac{\pi^2}{16} \cdot 8n = \frac{n\pi^2}{2}$$

次に、第2項の不定積分を部分積分法を用いて計算する。

$$\int x \cos 2x dx = x \cdot \frac{1}{2} \sin 2x - \int 1 \cdot \frac{1}{2} \sin 2x dx$$

$$= \frac{1}{2} x \sin 2x + \frac{1}{4} \cos 2x + C \quad (C \text{ は積分定数})$$

定積分の区間の両端 $x = \frac{2n-1}{2}\pi, \frac{2n+1}{2}\pi$ において、$2x = (2n-1)\pi, (2n+1)\pi$ である。これらは奇数 $\times \pi$ の形であるため、常に $\sin 2x = 0$ となる。したがって第2項の定積分は

$$\frac{1}{2} \int_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi} x \cos 2x dx = \frac{1}{2} \left[ \frac{1}{2} x \sin 2x + \frac{1}{4} \cos 2x \right]_{\frac{2n-1}{2}\pi}^{\frac{2n+1}{2}\pi}$$

$$= \frac{1}{8} \left\{ \cos((2n+1)\pi) - \cos((2n-1)\pi) \right\}$$

$$= \frac{1}{8} \{ -1 - (-1) \} = 0$$

ゆえに、求める面積 $S_n$ は

$$S_n = \frac{n\pi^2}{2} + 0 = \frac{n\pi^2}{2}$$

である。

解説

2つの曲線(直線を含む)が接する条件は、「共有点をもつこと」と「その共有点における微分係数(接線の傾き)が一致すること」である。本問では先に交点を求めてから、その点における微分係数を計算することで簡潔に示せる。

後半の面積計算では、差の関数を $x \cos^2 x$ に変形したのち、三角関数の次数下げと部分積分を組み合わせて積分を実行する典型的な微積分問題である。積分区間の端点における三角関数の値の性質( $\sin$ の値が0になること、 $\cos$ の値が同じになること)に気づけば、計算量を大幅に減らすことができる。

答え

(1) $x$ 座標は $\frac{2n-1}{2}\pi$ (接することの証明は解法参照)

(2) $\frac{n\pi^2}{2}$

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