トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 150

数学3 定積分・面積 問題 150 解説

数学3 定積分・面積 問題 150 解説

方針・初手

(1) は関数 $f(x)$ を微分して増減表を作成し、極大値を求める。微分の計算において、無理関数の微分公式と積の微分法を正確に適用する。 (2) は方程式 $f(x) = ax$ を解く。両辺を $x$ で割る前に因数分解を行い、$x=0$ という解を見落とさないように注意する。また、$a$ の値の範囲から解が定義域内に存在することを確認する。 (3) は (2) で求めた交点を積分区間として、上下関係に注意して定積分を計算する。積分計算では微分形接触型であることを利用して直接積分すると簡明である。

解法1

(1)

$f(x) = x\sqrt{1-x^2}$ を $x$ について微分する。積の微分法と合成関数の微分法を用いると、

$$f'(x) = 1 \cdot \sqrt{1-x^2} + x \cdot \frac{-2x}{2\sqrt{1-x^2}} = \sqrt{1-x^2} - \frac{x^2}{\sqrt{1-x^2}} = \frac{1 - 2x^2}{\sqrt{1-x^2}}$$

となる。

$0 < x < 1$ において $f'(x) = 0$ となる $x$ の値を求めると、分子が $0$ になるときであるから、

$$1 - 2x^2 = 0$$

$x > 0$ より、

$$x = \frac{1}{\sqrt{2}}$$

である。

$0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $0$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{2}}$ $\cdots$ $1$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $0$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ $0$

よって、$f(x)$ は $x = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき極大となる。極大値は、

$$f\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) = \frac{1}{\sqrt{2}}\sqrt{1 - \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^2} = \frac{1}{\sqrt{2}} \cdot \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{1}{2}$$

である。

(2)

曲線 $C$ と直線 $l$ の共有点の $x$ 座標は、方程式 $x\sqrt{1-x^2} = ax$ の解である。

$$x\sqrt{1-x^2} - ax = 0$$

$$x(\sqrt{1-x^2} - a) = 0$$

これより、

$$x = 0 \quad \text{または} \quad \sqrt{1-x^2} = a$$

となる。

$\sqrt{1-x^2} = a$ について、$a > 0$ であるから両辺を2乗して整理すると、

$$1 - x^2 = a^2$$

$$x^2 = 1 - a^2$$

$0 < a < 1$ より $0 < 1 - a^2 < 1$ であるから、$0 \leqq x \leqq 1$ をみたす解は、

$$x = \sqrt{1-a^2}$$

である。

したがって、求める共有点の $x$ 座標は $x = 0, \sqrt{1-a^2}$ である。

(3)

区間 $0 < x < \sqrt{1-a^2}$ において上下関係を調べる。

$0 < x < \sqrt{1-a^2}$ のとき、$x^2 < 1 - a^2$ より $a^2 < 1 - x^2$ である。$a > 0$ かつ $\sqrt{1-x^2} > 0$ より $a < \sqrt{1-x^2}$ となる。

このとき、$x > 0$ であるから両辺に $x$ を掛けて $ax < x\sqrt{1-x^2}$ すなわち $ax < f(x)$ が成り立つ。

よって、区間 $0 \leqq x \leqq \sqrt{1-a^2}$ において、曲線 $C$ は直線 $l$ の上側にある。

求める面積 $S$ は、

$$S = \int_0^{\sqrt{1-a^2}} (x\sqrt{1-x^2} - ax) dx$$

ここで、積分の第1項は $\left( -\frac{1}{3}(1-x^2)^{\frac{3}{2}} \right)' = x\sqrt{1-x^2}$ であることを利用して積分できる。

$$S = \left[ -\frac{1}{3}(1-x^2)^{\frac{3}{2}} - \frac{a}{2}x^2 \right]_0^{\sqrt{1-a^2}}$$

$$= \left\{ -\frac{1}{3}\left(1 - (1-a^2)\right)^{\frac{3}{2}} - \frac{a}{2}(1-a^2) \right\} - \left\{ -\frac{1}{3}(1-0)^{\frac{3}{2}} - 0 \right\}$$

$$= -\frac{1}{3}(a^2)^{\frac{3}{2}} - \frac{a}{2} + \frac{a^3}{2} + \frac{1}{3}$$

$a > 0$ より $(a^2)^{\frac{3}{2}} = a^3$ であるから、

$$S = -\frac{1}{3}a^3 + \frac{1}{2}a^3 - \frac{1}{2}a + \frac{1}{3}$$

$$= \frac{1}{6}a^3 - \frac{1}{2}a + \frac{1}{3}$$

解説

微積分を組み合わせて面積を求める標準的な問題である。

(1) の微分計算では、無理関数の微分公式 $(\sqrt{g(x)})' = \frac{g'(x)}{2\sqrt{g(x)}}$ を正確に用いることが求められる。

(2) では、安易に $x$ で割って $x=0$ という解を落とさないよう、因数分解の形に持ち込むのが鉄則である。また、$x^2 = 1-a^2$ の解を求める際に、$a$ の条件から正の平方根のみが適することをしっかり確認しておく必要がある。

(3) の積分計算では、置換積分 $1-x^2 = t$ とおいても計算できるが、被積分関数が微分形接触型 $\int \{g(x)\}^{\alpha}g'(x) dx$ であることを見抜き、$-\frac{1}{2} \int (1-x^2)^{\frac{1}{2}} (-2x) dx$ として一気に原始関数を求められると計算の時短になり、ミスの軽減にもつながる。

答え

(1) 極大値 $\frac{1}{2}$

(2) $x = 0, \sqrt{1-a^2}$

(3) $S = \frac{1}{6}a^3 - \frac{1}{2}a + \frac{1}{3}$

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