数学3 定積分・面積 問題 184 解説

方針・初手
- (1)は定積分を計算し、与えられた等式に代入する。$\cos^2 x$ の積分は半角の公式を利用して次数を下げる定石の処理である。
- (2)は(1)で得られた関係式を満たす実数 $(a, b)$ の存在条件を考える問題である。関係式を平方完成して実数の性質を利用するか、$b$ についての2次方程式と見て解の配置問題として処理する。
解法1
(1)
与えられた等式
$$\int_0^\pi f(x)dx = \frac{\pi}{4} + \int_0^\pi \{f(x)\}^2 dx$$
の左辺と右辺の積分をそれぞれ計算する。
左辺は、
$$\int_0^\pi (a\cos x + b)dx = \Big[ a\sin x + bx \Big]_0^\pi = b\pi$$
右辺の積分は、
$$\begin{aligned} \int_0^\pi (a\cos x + b)^2 dx &= \int_0^\pi (a^2\cos^2 x + 2ab\cos x + b^2)dx \\ &= \int_0^\pi \left\{ a^2 \frac{1+\cos 2x}{2} + 2ab\cos x + b^2 \right\} dx \\ &= \left[ \frac{a^2}{2} \left( x + \frac{1}{2}\sin 2x \right) + 2ab\sin x + b^2x \right]_0^\pi \\ &= \frac{a^2}{2}\pi + b^2\pi \end{aligned}$$
これらを元の等式に代入すると、
$$b\pi = \frac{\pi}{4} + \frac{a^2}{2}\pi + b^2\pi$$
両辺を $\pi$ で割って整理すると、求める関係式は
$$b^2 - b + \frac{a^2}{2} + \frac{1}{4} = 0$$
(2)
(1)で求めた関係式を平方完成して変形する。
$$\left( b - \frac{1}{2} \right)^2 - \frac{1}{4} + \frac{a^2}{2} + \frac{1}{4} = 0$$
$$\left( b - \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{a^2}{2} = 0$$
$a, b$ は実数であるから、$\left( b - \frac{1}{2} \right)^2 \geqq 0$ かつ $\frac{a^2}{2} \geqq 0$ である。 したがって、上の等式が成り立つのは、
$$b - \frac{1}{2} = 0 \quad \text{かつ} \quad \frac{a^2}{2} = 0$$
のときのみである。これを解いて、
$$a = 0, \quad b = \frac{1}{2}$$
このとき、$b = \frac{1}{2}$ は正の数であるから、条件を満たす正の数 $b$ が存在する。 よって、求める $a$ の条件は $a = 0$ である。
解法2
(2)の別解
(1)で求めた関係式を $b$ についての2次方程式とみる。
$$b^2 - b + \frac{2a^2+1}{4} = 0$$
条件は、この $b$ についての2次方程式が正の実数解をもつことである。 左辺を $g(b)$ とおくと、
$$g(b) = \left( b - \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{a^2}{2}$$
$y = g(b)$ のグラフは下に凸の放物線であり、軸は直線 $b = \frac{1}{2}$ である。 軸が $b > 0$ の範囲にあるため、方程式 $g(b) = 0$ が正の実数解をもつための必要十分条件は、$g(b) = 0$ が実数解をもつことである。 すなわち、頂点の $y$ 座標が $0$ 以下であればよい。
$$\frac{a^2}{2} \leqq 0$$
$a$ は実数であるから $a^2 \geqq 0$ であり、これを満たすのは $a = 0$ のときのみである。 (このとき、重解 $b = \frac{1}{2} > 0$ をもち条件を満たす。) よって、求める $a$ の条件は $a = 0$ である。
解説
- (1)の積分計算は、三角関数の次数下げの公式 $\cos^2 x = \frac{1+\cos 2x}{2}$ を用いる典型的な処理である。確実に計算を合わせたい。
- (2)は、得られた関係式をどのように処理するかが問われている。解法1のように「実数の2乗和が0ならば、それぞれが0である」という性質を利用するのが最も簡潔で計算ミスも少ない。
- 解法2のように、特定の文字についての2次方程式と見て「解の配置問題」に帰着させるアプローチも重要である。
答え
(1) $b^2 - b + \frac{a^2}{2} + \frac{1}{4} = 0$
(2) $a = 0$
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