数学3 定積分・面積 問題 202 解説

方針・初手
(1) 関数 $f(x)$ の定義域を確認し、導関数 $f'(x)$ を求めて増減表を作成する。極限を調べてグラフの概形をつかみ、直線 $y=k$ との共有点の個数を数える。 (2) 右辺を通分し、分子の多項式が $f(x)$ の分子 $4(x-1)$ と恒等的に等しくなるように係数を比較する。 (3) (2) の結果を利用して部分分数に分解し、定積分を計算する。積分項は置換積分を用いて処理する。
解法1
(1)
与えられた関数は
$$f(x) = \frac{4(x-1)}{(x^2-2)(x^2-2x+2)}$$
である。分母が $0$ にならない条件を考える。 $x^2-2x+2 = (x-1)^2+1 > 0$ であるから、$x^2-2 \neq 0$ より定義域は $x \neq \pm \sqrt{2}$ である。
関数 $f(x)$ を微分するために、分母を展開する。
$$(x^2-2)(x^2-2x+2) = x^4-2x^3+2x^2-2x^2+4x-4 = x^4-2x^3+4x-4$$
商の微分公式を用いて $f'(x)$ を計算する。
$$f'(x) = \frac{4 \cdot (x^4-2x^3+4x-4) - 4(x-1)(4x^3-6x^2+4)}{(x^2-2)^2(x^2-2x+2)^2}$$
分子を計算すると、
$$\begin{aligned} & 4 \{ x^4-2x^3+4x-4 - (4x^4-10x^3+6x^2+4x-4) \} \\ &= 4(-3x^4+8x^3-6x^2) \\ &= -4x^2(3x^2-8x+6) \end{aligned}$$
ここで、$3x^2-8x+6 = 3\left(x-\frac{4}{3}\right)^2 + \frac{2}{3} > 0$ である。 したがって、常に $-4x^2(3x^2-8x+6) \leqq 0$ となり、$f'(x) = 0$ を満たすのは $x=0$ のみである。 よって、$f(x)$ は区間 $(-\infty, -\sqrt{2})$、$(-\sqrt{2}, \sqrt{2})$、$(\sqrt{2}, \infty)$ のそれぞれにおいて単調に減少する。
極限を調べると、
$$\lim_{x \to \pm\infty} f(x) = 0$$
$$\lim_{x \to -\sqrt{2}-0} f(x) = -\infty, \quad \lim_{x \to -\sqrt{2}+0} f(x) = \infty$$
$$\lim_{x \to \sqrt{2}-0} f(x) = -\infty, \quad \lim_{x \to \sqrt{2}+0} f(x) = \infty$$
となる。また、$f(0) = 1$、$f(1) = 0$ である。 これらより、関数 $y=f(x)$ の増減表は以下のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $-\sqrt{2}$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\sqrt{2}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $-$ | $\times$ | $-$ | $0$ | $-$ | $\times$ | $-$ |
| $f(x)$ | $\searrow$ | $\times$ | $\searrow$ | $1$ | $\searrow$ | $\times$ | $\searrow$ |
方程式 $f(x) = k$ の異なる実数解の個数は、曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=k$ の共有点の個数に等しい。 グラフの概形から、共有点の個数は以下のようになる。
$k \neq 0$ のとき、2個 $k = 0$ のとき、1個
(2)
等式
$$\frac{4(x-1)}{(x^2-2)(x^2-2x+2)} = \frac{Ax+B}{x^2-2} + \frac{Cx+D}{x^2-2x+2}$$
の両辺に $(x^2-2)(x^2-2x+2)$ を掛けると、
$$4(x-1) = (Ax+B)(x^2-2x+2) + (Cx+D)(x^2-2)$$
となる。これが $x$ についての恒等式になればよい。 右辺を展開して整理する。
$$\begin{aligned} (右辺) &= Ax^3 - 2Ax^2 + 2Ax + Bx^2 - 2Bx + 2B + Cx^3 - 2Cx + Dx^2 - 2D \\ &= (A+C)x^3 + (-2A+B+D)x^2 + (2A-2B-2C)x + 2B-2D \end{aligned}$$
両辺の係数を比較して、以下の連立方程式を得る。
$$\begin{cases} A+C = 0 \\ -2A+B+D = 0 \\ 2A-2B-2C = 4 \\ 2B-2D = -4 \end{cases}$$
第1式より $C = -A$。これを第3式に代入すると、 $2A - 2B + 2A = 4 \iff 4A - 2B = 4 \iff 2A - B = 2$ また、第4式より $D = B+2$。これを第2式に代入すると、 $-2A + B + B + 2 = 0 \iff 2A - 2B = 2 \iff A - B = 1$ これらから、$A=1, B=0$ を得る。 さらに、$C = -1, D = 2$ となる。 したがって、求める定数の値は $A=1, B=0, C=-1, D=2$ である。
(3)
(2) の結果より、
$$f(x) = \frac{x}{x^2-2} + \frac{-x+2}{x^2-2x+2}$$
であるから、求める定積分は
$$\int_0^1 f(x) dx = \int_0^1 \frac{x}{x^2-2} dx + \int_0^1 \frac{-x+2}{x^2-2x+2} dx$$
となる。第1項を計算すると、
$$\int_0^1 \frac{x}{x^2-2} dx = \left[ \frac{1}{2} \log|x^2-2| \right]_0^1 = \frac{1}{2} \log 1 - \frac{1}{2} \log 2 = -\frac{1}{2} \log 2$$
第2項を計算する。分子を分母の微分の形を作り出すように変形する。
$$\begin{aligned} \int_0^1 \frac{-x+2}{x^2-2x+2} dx &= \int_0^1 \frac{-\frac{1}{2}(2x-2) + 1}{x^2-2x+2} dx \\ &= -\frac{1}{2} \int_0^1 \frac{(x^2-2x+2)'}{x^2-2x+2} dx + \int_0^1 \frac{1}{(x-1)^2+1} dx \end{aligned}$$
ここで、前半部分は
$$-\frac{1}{2} \left[ \log(x^2-2x+2) \right]_0^1 = -\frac{1}{2} (\log 1 - \log 2) = \frac{1}{2} \log 2$$
後半部分について、$x-1 = \tan \theta$ と置換する。 $x$ が $0$ から $1$ まで変化するとき、$\theta$ は $-\frac{\pi}{4}$ から $0$ まで変化する。 $dx = \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta$ であり、$(x-1)^2+1 = \tan^2 \theta + 1 = \frac{1}{\cos^2 \theta}$ であるから、
$$\int_0^1 \frac{1}{(x-1)^2+1} dx = \int_{-\frac{\pi}{4}}^0 \cos^2 \theta \cdot \frac{1}{\cos^2 \theta} d\theta = \int_{-\frac{\pi}{4}}^0 d\theta = \left[ \theta \right]_{-\frac{\pi}{4}}^0 = \frac{\pi}{4}$$
よって、第2項の定積分の値は $\frac{1}{2} \log 2 + \frac{\pi}{4}$ となる。
以上より、
$$\int_0^1 f(x) dx = -\frac{1}{2} \log 2 + \left( \frac{1}{2} \log 2 + \frac{\pi}{4} \right) = \frac{\pi}{4}$$
解説
(1) は分数関数のグラフの概形を調べる問題である。分母が $x^4$ の多項式になるため微分が煩雑に見えるが、計算を丁寧に進めれば導関数が $x=0$ 以外で常に負になることがわかる。漸近線と定義域の境界における極限を正確に調べることが重要である。 (2) は典型的な部分分数分解である。恒等式の性質を用いて係数比較法で連立方程式を解けばよい。 (3) は有理関数の積分の典型問題である。分母が2次式で因数分解できない場合、分子を「分母の微分」と「定数」に分け、前者は対数関数の積分に、後者は $\tan \theta$ の置換積分に帰着させる手法は非常に頻出であるため、確実に押さえておきたい。
答え
(1)
$k \neq 0$ のとき、2個
$k = 0$ のとき、1個
(2)
$A = 1, B = 0, C = -1, D = 2$
(3)
$\frac{\pi}{4}$
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