トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 222

数学3 定積分・面積 問題 222 解説

数学3 定積分・面積 問題 222 解説

方針・初手

有理関数の積分問題である。被積分関数をそのままでは積分できないため、部分分数分解を行って積分しやすい形に変形することが基本方針となる。(1)の具体的な係数決定を通して部分分数分解の形を予測させ、(2)で積分を実行、(3)でそれを一般の $p$ 乗に拡張するという誘導に乗って解答を進める。

解法1

(1)

与えられた等式は以下の通りである。

$$\frac{1}{x^3(1-x)} = \frac{a_1}{x} + \frac{a_2}{x^2} + \frac{a_3}{x^3} + \frac{b}{1-x}$$

この等式が $x$ についての恒等式となるように定数を定める。両辺に $x^3(1-x)$ を掛けて分母を払うと

$$1 = a_1 x^2(1-x) + a_2 x(1-x) + a_3(1-x) + b x^3$$

右辺を展開して $x$ の降べきの順に整理すると

$$1 = (b-a_1)x^3 + (a_1-a_2)x^2 + (a_2-a_3)x + a_3$$

両辺の係数を比較して、以下の連立方程式を得る。

$$\begin{cases} b - a_1 = 0 \\ a_1 - a_2 = 0 \\ a_2 - a_3 = 0 \\ a_3 = 1 \end{cases}$$

これを解くと、$a_1 = 1, a_2 = 1, a_3 = 1, b = 1$ となる。

(2)

(1) の結果より、関数 $f(x)$ は次のように変形できる。

$$f(x) = \frac{1}{x} + \frac{1}{x^2} + \frac{1}{x^3} + \frac{1}{1-x}$$

よって、求める不定積分は以下のようになる。

$$\begin{aligned} \int f(x) dx &= \int \left( \frac{1}{x} + x^{-2} + x^{-3} + \frac{1}{1-x} \right) dx \\ &= \log|x| + \frac{x^{-1}}{-1} + \frac{x^{-2}}{-2} - \log|1-x| + C \\ &= \log\left|\frac{x}{1-x}\right| - \frac{1}{x} - \frac{1}{2x^2} + C \quad (C \text{ は積分定数}) \end{aligned}$$

(3)

(1) から類推して、被積分関数 $\frac{1}{x^p(1-x)}$ を恒等的に変形することを考える。分子の $1$ を $1-x^p+x^p$ と見なすと、次のように変形できる。

$$\begin{aligned} \frac{1}{x^p(1-x)} &= \frac{(1-x^p) + x^p}{x^p(1-x)} \\ &= \frac{1-x^p}{x^p(1-x)} + \frac{x^p}{x^p(1-x)} \\ &= \frac{(1-x)(1+x+x^2+\cdots+x^{p-1})}{x^p(1-x)} + \frac{1}{1-x} \\ &= \frac{1+x+x^2+\cdots+x^{p-1}}{x^p} + \frac{1}{1-x} \\ &= \frac{1}{x^p} + \frac{1}{x^{p-1}} + \cdots + \frac{1}{x} + \frac{1}{1-x} \end{aligned}$$

ここで求めた式を用いて積分を実行するが、積分結果は $p=1$ の場合と $p \ge 2$ の場合で異なるため、場合分けを行う。

(i) $p=1$ のとき

$$\begin{aligned} \int \frac{dx}{x(1-x)} &= \int \left( \frac{1}{x} + \frac{1}{1-x} \right) dx \\ &= \log|x| - \log|1-x| + C \\ &= \log\left|\frac{x}{1-x}\right| + C \quad (C \text{ は積分定数}) \end{aligned}$$

(ii) $p \ge 2$ のとき

$$\begin{aligned} \int \frac{dx}{x^p(1-x)} &= \int \left( \sum_{k=2}^p x^{-k} + \frac{1}{x} + \frac{1}{1-x} \right) dx \\ &= \sum_{k=2}^p \frac{x^{-k+1}}{-k+1} + \log|x| - \log|1-x| + C \\ &= \log\left|\frac{x}{1-x}\right| - \sum_{k=2}^p \frac{1}{(k-1)x^{k-1}} + C \quad (C \text{ は積分定数}) \end{aligned}$$

シグマの添字を $j = k-1$ と置き換えると、次のように表すこともできる。

$$\int \frac{dx}{x^p(1-x)} = \log\left|\frac{x}{1-x}\right| - \sum_{j=1}^{p-1} \frac{1}{j x^j} + C \quad (C \text{ は積分定数})$$

解説

有理関数の積分において、分母が因数分解できる場合は部分分数分解を行うのが定石である。(1)では恒等式の未定係数法を用いて係数を求めたが、(3)のように一般化された場合は、等比数列の和の公式 $1-r^n = (1-r)(1+r+\cdots+r^{n-1})$ を用いて分子を意図的に変形するテクニックが非常に有効である。

また、部分分数分解の別の見方として、

$$\frac{1}{x^3(1-x)} = \frac{1-x+x}{x^3(1-x)} = \frac{1}{x^3} + \frac{1}{x^2(1-x)}$$

のように分子に $(1-x)+x$ を作り出して次数を下げていく操作を繰り返すことでも、同様の結果を導くことができる。積分を実行する際は、$\frac{1}{x}$ の積分が対数関数になるのに対し、$\frac{1}{x^k} (k \ge 2)$ の積分は累乗の形になるため、(3)では $p=1$ と $p \ge 2$ で場合分けが必要になる点に注意したい。

答え

(1)

$a_1 = 1, a_2 = 1, a_3 = 1, b = 1$

(2)

$\log\left|\frac{x}{1-x}\right| - \frac{1}{x} - \frac{1}{2x^2} + C$ ($C$ は積分定数)

(3)

$p=1$ のとき: $\log\left|\frac{x}{1-x}\right| + C$

$p \ge 2$ のとき: $\log\left|\frac{x}{1-x}\right| - \sum_{k=1}^{p-1} \frac{1}{k x^k} + C$ ($C$ は積分定数)

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