トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 229

数学3 定積分・面積 問題 229 解説

数学3 定積分・面積 問題 229 解説

方針・初手

(1) は $k=0$ を代入して、多項式の定積分を直接計算する。 (2) は $x^k (1-x)^{n-k}$ の形から、部分積分を用いて $S_{n,k}$ と $S_{n,k-1}$ の間の漸化式を導くのが定石である。 (3) は回転体の体積の公式 $V = \pi \int y^2 dx$ に当てはめる。(2) の導出過程で得られる積分の一般式を活用することで、計算を大幅に短縮できる。そして、階乗を用いた式で $V_{n, k+1} \div V_{n, k}$ を計算する。 (4) は数列の最大・最小を求める標準的な手法である。隣り合う項の比 $\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}}$ と $1$ との大小関係を調べ、$V_{n, k}$ の増減を判定する。

解法1

(1) $k=0$ のとき、${}_n\text{C}_0 = 1$ であるから、

$$f_{n,0}(x) = 1 \cdot x^0 (1-x)^{n-0} = (1-x)^n$$

よって、$S_{n,0}$ は以下のように計算できる。

$$S_{n,0} = \int_0^1 (1-x)^n dx$$

$$= \left[ -\frac{(1-x)^{n+1}}{n+1} \right]_0^1$$

$$= 0 - \left( -\frac{1}{n+1} \right) = \frac{1}{n+1}$$

(2) $k \geqq 1$ のとき、部分積分を用いて $S_{n,k}$ を変形する。

$$S_{n,k} = \int_0^1 {}_n\text{C}_k x^k (1-x)^{n-k} dx$$

$$= {}_n\text{C}_k \int_0^1 x^k \left\{ -\frac{(1-x)^{n-k+1}}{n-k+1} \right\}' dx$$

$$= {}_n\text{C}_k \left[ x^k \left\{ -\frac{(1-x)^{n-k+1}}{n-k+1} \right\} \right]_0^1 - {}_n\text{C}_k \int_0^1 k x^{k-1} \left\{ -\frac{(1-x)^{n-k+1}}{n-k+1} \right\} dx$$

第1項は $x=1$ のとき $(1-x)^{n-k+1} = 0$ となり、$x=0$ のとき $x^k = 0$ となるため $0$ である。よって、

$$S_{n,k} = {}_n\text{C}_k \frac{k}{n-k+1} \int_0^1 x^{k-1} (1-x)^{n-k+1} dx$$

ここで、二項係数について以下の変形を行う。

$${}_n\text{C}_k \frac{k}{n-k+1} = \frac{n!}{k!(n-k)!} \frac{k}{n-k+1}$$

$$= \frac{n!}{(k-1)!(n-k+1)!} = {}_n\text{C}_{k-1}$$

これを代入すると、

$$S_{n,k} = \int_0^1 {}_n\text{C}_{k-1} x^{k-1} (1-x)^{n-(k-1)} dx = S_{n,k-1}$$

すなわち、$k \geqq 1$ において $S_{n,k} = S_{n,k-1}$ が成り立つ。 これより、$S_{n,k} = S_{n,k-1} = \cdots = S_{n,0}$ となり、すべての $k$ ($0 \leqq k \leqq n$) について値は等しい。 (1) の結果より、以下を得る。

$$S_{n,k} = \frac{1}{n+1}$$

(3) 題意より、回転体の体積 $V_{n,k}$ は次のように表される。

$$V_{n,k} = \pi \int_0^1 \{ f_{n,k}(x) \}^2 dx$$

$$= \pi \int_0^1 \left\{ {}_n\text{C}_k x^k (1-x)^{n-k} \right\}^2 dx$$

$$= \pi ({}_n\text{C}_k)^2 \int_0^1 x^{2k} (1-x)^{2n-2k} dx$$

(2) の結果から、任意の自然数 $N$ と $0 \leqq K \leqq N$ を満たす整数 $K$ に対して、$S_{N,K} = \frac{1}{N+1}$ が成り立つ。すなわち、

$$\int_0^1 {}_N\text{C}_K x^K (1-x)^{N-K} dx = \frac{1}{N+1}$$

$$\int_0^1 x^K (1-x)^{N-K} dx = \frac{1}{(N+1) {}_N\text{C}_K} = \frac{K!(N-K)!}{(N+1)!}$$

この関係式において、$N = 2n$、$K = 2k$ とおくと、

$$\int_0^1 x^{2k} (1-x)^{2n-2k} dx = \frac{(2k)!(2n-2k)!}{(2n+1)!}$$

これを $V_{n,k}$ の式に代入する。

$$V_{n,k} = \pi \left\{ \frac{n!}{k!(n-k)!} \right\}^2 \frac{(2k)!(2n-2k)!}{(2n+1)!}$$

したがって、$V_{n, k+1}$ は次のようになる。

$$V_{n,k+1} = \pi \left\{ \frac{n!}{(k+1)!(n-k-1)!} \right\}^2 \frac{(2k+2)!(2n-2k-2)!}{(2n+1)!}$$

これらを用いて、比 $\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}}$ を計算する。

$$\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}} = \frac{ \left\{ \frac{n!}{(k+1)!(n-k-1)!} \right\}^2 \frac{(2k+2)!(2n-2k-2)!}{(2n+1)!} }{ \left\{ \frac{n!}{k!(n-k)!} \right\}^2 \frac{(2k)!(2n-2k)!}{(2n+1)!} }$$

$$= \left\{ \frac{k!(n-k)!}{(k+1)!(n-k-1)!} \right\}^2 \frac{(2k+2)!}{(2k)!} \frac{(2n-2k-2)!}{(2n-2k)!}$$

階乗の部分を約分する。

$$= \left( \frac{n-k}{k+1} \right)^2 \frac{(2k+2)(2k+1)}{(2n-2k)(2n-2k-1)}$$

$$= \frac{(n-k)^2}{(k+1)^2} \frac{2(k+1)(2k+1)}{2(n-k)(2n-2k-1)}$$

$$= \frac{(n-k)(2k+1)}{(k+1)(2n-2k-1)}$$

(4) $V_{n,k}$ の増減を調べるため、$\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}}$ と $1$ の大小を比較する。差をとると、

$$\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}} - 1 = \frac{(n-k)(2k+1)}{(k+1)(2n-2k-1)} - 1$$

$$= \frac{(n-k)(2k+1) - (k+1)(2n-2k-1)}{(k+1)(2n-2k-1)}$$

分子を展開して整理する。

$$(分子) = (2nk + n - 2k^2 - k) - (2nk - 2k^2 - k + 2n - 2k - 1)$$

$$= 2k - n + 1$$

したがって、

$$\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}} - 1 = \frac{2k - n + 1}{(k+1)(2n-2k-1)}$$

ここで、$0 \leqq k \leqq n-1$ であるから、$k+1 \geqq 1 > 0$ であり、$2n-2k-1 = 2(n-k)-1 \geqq 2(1)-1 = 1 > 0$ である。 よって分母は常に正であり、$\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}} - 1$ の符号は分子 $2k - n + 1$ の符号と一致する。

$n$ は偶数であるから、$n = 2m$ ($m$ は自然数) とおくことができる。このとき、分子は $2k - 2m + 1$ となる。 $k$ は整数であるから、$2k - 2m + 1 = 0$ となることはない。

(i) $k \leqq m-1$ のとき $2k - 2m + 1 \leqq 2(m-1) - 2m + 1 = -1 < 0$ となる。 ゆえに $\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}} < 1$ であり、$V_{n, k+1} < V_{n, k}$ が成り立つ。

(ii) $k \geqq m$ のとき $2k - 2m + 1 \geqq 2m - 2m + 1 = 1 > 0$ となる。 ゆえに $\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}} > 1$ であり、$V_{n, k+1} > V_{n, k}$ が成り立つ。

以上より、数列 $V_{n,k}$ の増減は以下のようになる。

$$V_{n,0} > V_{n,1} > \cdots > V_{n,m-1} > V_{n,m} < V_{n,m+1} < \cdots < V_{n,n}$$

したがって、$V_{n,k}$ は $k=m$ のときに最小値をとる。 $m = \frac{n}{2}$ であるから、求める $k$ の値は $\frac{n}{2}$ である。

解説

いわゆる「ベータ関数」に関する積分計算をテーマにした問題である。(2) で部分積分による漸化式を作る流れは頻出であり、ここで得られた一般化された積分結果($\int_0^1 x^K (1-x)^{N-K} dx$)を (3) に流用できるかにかかっている。これに気づかずに (3) を最初から部分積分で計算しようとすると、計算量が膨大になり行き詰まりやすい。(4) は隣り合う項の比をとって1と比べることで数列の最大・最小を判定する、典型的な解法を用いている。

答え

(1) $\frac{1}{n+1}$

(2) $\frac{1}{n+1}$

(3) $\frac{V_{n, k+1}}{V_{n, k}} = \frac{(n-k)(2k+1)}{(k+1)(2n-2k-1)}$

(4) $k = \frac{n}{2}$

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