トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 234

数学3 定積分・面積 問題 234 解説

数学3 定積分・面積 問題 234 解説

方針・初手

(1) は積の微分法と合成関数の微分法を用いて計算する。

(2) は(1)で求めた導関数の符号変化を調べ、増減表を作成して極値を求める。

(3) は与えられた区間での被積分関数の符号を確認し、面積の定積分を立式する。被積分関数の形から、$t = \frac{1}{x}$ と置換積分を行い、さらに部分積分を用いて計算する。

解法1

(1)

与えられた関数 $f(x) = \frac{1}{x^3} e^{-\frac{1}{x}}$ に対して、積の微分法および合成関数の微分法を用いる。

$$f'(x) = \left( x^{-3} \right)' e^{-\frac{1}{x}} + x^{-3} \left( e^{-\frac{1}{x}} \right)'$$

$$f'(x) = -3x^{-4} e^{-\frac{1}{x}} + x^{-3} \cdot e^{-\frac{1}{x}} \cdot \left( -\frac{1}{x} \right)'$$

$$f'(x) = -3x^{-4} e^{-\frac{1}{x}} + x^{-3} \cdot e^{-\frac{1}{x}} \cdot \left( x^{-2} \right)$$

$$f'(x) = -\frac{3}{x^4} e^{-\frac{1}{x}} + \frac{1}{x^5} e^{-\frac{1}{x}}$$

通分してまとめると、以下のようになる。

$$f'(x) = \frac{1-3x}{x^5} e^{-\frac{1}{x}}$$

(2)

$f'(x) = 0$ とすると、

$$1-3x = 0 \iff x = \frac{1}{3}$$

$x > 0$ の範囲において、分母の $x^5 > 0$ であり、指数関数の性質から $e^{-\frac{1}{x}} > 0$ である。 したがって、$f'(x)$ の符号は分子の $1-3x$ の符号と完全に一致する。 これより、$f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{3}$ $\cdots$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(x)$ は $x = \frac{1}{3}$ のときに極大値をとる。 極小値は存在しない。 その極大値は、

$$f\left(\frac{1}{3}\right) = \frac{1}{\left(\frac{1}{3}\right)^3} e^{-\frac{1}{\frac{1}{3}}} = 27e^{-3}$$

(3)

積分区間 $1 \leqq x \leqq 2$ において、$x > 0$ より $f(x) > 0$ である。 したがって、曲線 $y=f(x)$ と $x$ 軸、および2直線 $x=1$, $x=2$ で囲まれた部分の面積 $S$ は、そのまま定積分で表される。

$$S = \int_{1}^{2} \frac{1}{x^3} e^{-\frac{1}{x}} dx$$

ここで、$t = \frac{1}{x}$ と置換する。 両辺を $x$ で微分すると、

$$\frac{dt}{dx} = -\frac{1}{x^2} \iff dx = -x^2 dt$$

積分区間について、$x$ が $1$ から $2$ まで変化するとき、$t$ は $1$ から $\frac{1}{2}$ まで変化する。 これらを用いて定積分を書き換える。

$$S = \int_{1}^{\frac{1}{2}} \frac{1}{x^3} e^{-t} \left( -x^2 \right) dt$$

$$S = \int_{1}^{\frac{1}{2}} \left( -\frac{1}{x} \right) e^{-t} dt$$

積分区間の上下を入れ替えて符号を変え、$t = \frac{1}{x}$ を用いると、次のように整理できる。

$$S = \int_{\frac{1}{2}}^{1} t e^{-t} dt$$

この定積分に対して、部分積分法を適用する。

$$S = \left[ t \left( -e^{-t} \right) \right]_{\frac{1}{2}}^{1} - \int_{\frac{1}{2}}^{1} 1 \cdot \left( -e^{-t} \right) dt$$

$$S = \left( -e^{-1} - \frac{1}{2} \left( -e^{-\frac{1}{2}} \right) \right) + \int_{\frac{1}{2}}^{1} e^{-t} dt$$

$$S = -e^{-1} + \frac{1}{2} e^{-\frac{1}{2}} + \left[ -e^{-t} \right]_{\frac{1}{2}}^{1}$$

$$S = -e^{-1} + \frac{1}{2} e^{-\frac{1}{2}} + \left( -e^{-1} - \left( -e^{-\frac{1}{2}} \right) \right)$$

$$S = \frac{3}{2} e^{-\frac{1}{2}} - 2e^{-1}$$

解説

(1) は商の微分法を用いてもよいが、負の指数を用いて積の微分法として扱う方が計算の見通しが立ちやすい。合成関数の微分における符号の処理には注意すること。

(2) で極値を求めるための増減表を書く際は、導関数 $f'(x)$ のうち、符号に影響を与えない正の因数(ここでは $\frac{1}{x^5} e^{-\frac{1}{x}}$)を分離して考えることで、符号判定を一次式 $1-3x$ のみに帰着できる。

(3) の積分は、被積分関数が $\frac{1}{x^3} e^{-\frac{1}{x}}$ という形をしているため、$t = \frac{1}{x}$ と置換することで $dt$ の形を作り出すのが定石である。置換後は多項式と指数関数の積 $t e^{-t}$ の積分となるため、部分積分を適用するという、典型的な2段階の積分処理が求められる。

答え

(1) $f'(x) = \frac{1-3x}{x^5} e^{-\frac{1}{x}}$

(2) 極大値 $\frac{27}{e^3}$ ($x = \frac{1}{3}$ のとき)、極小値なし

(3) $S = \frac{3}{2\sqrt{e}} - \frac{2}{e}$ (または $S = \frac{3}{2} e^{-\frac{1}{2}} - 2e^{-1}$)

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