トップ 基礎問題 数学3 積分法 定積分・面積 問題 248

数学3 定積分・面積 問題 248 解説

数学3 定積分・面積 問題 248 解説

方針・初手

(1)と(2)は、微分法を用いた不等式の証明である。左辺を関数として定義し、導関数の符号や増減を調べるという基本的な手順で示すことができる。 (3)は、被積分関数に $\sin\frac{x^2}{n}$ を含み直接の定積分が困難であるため、(1)と(2)で示した不等式を利用して被積分関数を多項式で挟み込み、はさみうちの原理を適用して極限を求める。

解法1

(1)

$$f(t) = t - n \sin\frac{t}{n}$$

とおく。$t$ について微分すると、

$$f'(t) = 1 - n \cdot \frac{1}{n} \cos\frac{t}{n} = 1 - \cos\frac{t}{n}$$

$t \geqq 0$ において、$-1 \leqq \cos\frac{t}{n} \leqq 1$ であるから、$f'(t) \geqq 0$ となる。 したがって、$f(t)$ は $t \geqq 0$ において単調に増加する。

また、$f(0) = 0 - n \sin 0 = 0$ であるから、$t \geqq 0$ のとき $f(t) \geqq 0$ が成り立つ。 よって、$t \geqq 0$ のとき、

$$t - n \sin\frac{t}{n} \geqq 0$$

が示された。

(2)

$$g(t) = t - n \sin\frac{t}{n} - \frac{t^3}{6n^2}$$

とおく。$t$ について微分していくと、

$$g'(t) = 1 - \cos\frac{t}{n} - \frac{3t^2}{6n^2} = 1 - \cos\frac{t}{n} - \frac{t^2}{2n^2}$$

$$g''(t) = \frac{1}{n} \sin\frac{t}{n} - \frac{2t}{2n^2} = \frac{1}{n} \sin\frac{t}{n} - \frac{t}{n^2}$$

$$g'''(t) = \frac{1}{n^2} \cos\frac{t}{n} - \frac{1}{n^2} = \frac{1}{n^2} \left( \cos\frac{t}{n} - 1 \right)$$

$t \geqq 0$ において $\cos\frac{t}{n} \leqq 1$ であるから、$g'''(t) \leqq 0$ となる。 したがって、$g''(t)$ は $t \geqq 0$ において単調に減少する。

$g''(0) = 0 - 0 = 0$ であるから、$t \geqq 0$ において $g''(t) \leqq 0$ となる。 したがって、$g'(t)$ は $t \geqq 0$ において単調に減少する。

$g'(0) = 1 - 1 - 0 = 0$ であるから、$t \geqq 0$ において $g'(t) \leqq 0$ となる。 したがって、$g(t)$ は $t \geqq 0$ において単調に減少する。

$g(0) = 0 - 0 - 0 = 0$ であるから、$t \geqq 0$ において $g(t) \leqq 0$ が成り立つ。 よって、$t \geqq 0$ のとき、

$$t - n \sin\frac{t}{n} - \frac{t^3}{6n^2} \leqq 0$$

が示された。

(3)

(1)と(2)の結果より、$t \geqq 0$ のとき、

$$0 \leqq t - n \sin\frac{t}{n} \leqq \frac{t^3}{6n^2}$$

が成り立つ。これを変形すると、

$$t - \frac{t^3}{6n^2} \leqq n \sin\frac{t}{n} \leqq t$$

となる。ここで、$x \geqq 0$ のとき $t = x^2$ とおくと $t \geqq 0$ を満たすから、

$$x^2 - \frac{x^6}{6n^2} \leqq n \sin\frac{x^2}{n} \leqq x^2$$

が成り立つ。$a$ は正の実数であるから、区間 $[0, a]$ において辺々を $x$ で定積分すると、

$$\int_0^a \left( x^2 - \frac{x^6}{6n^2} \right) dx \leqq \int_0^a n \sin\frac{x^2}{n} dx \leqq \int_0^a x^2 dx$$

となる。ここで、各辺の積分を計算する。右辺は、

$$\int_0^a x^2 dx = \left[ \frac{x^3}{3} \right]_0^a = \frac{a^3}{3}$$

左辺は、

$$\int_0^a \left( x^2 - \frac{x^6}{6n^2} \right) dx = \left[ \frac{x^3}{3} - \frac{x^7}{42n^2} \right]_0^a = \frac{a^3}{3} - \frac{a^7}{42n^2}$$

となる。したがって、

$$\frac{a^3}{3} - \frac{a^7}{42n^2} \leqq \int_0^a n \sin\frac{x^2}{n} dx \leqq \frac{a^3}{3}$$

が成り立つ。ここで、$n \to \infty$ の極限をとると、

$$\lim_{n\to\infty} \left( \frac{a^3}{3} - \frac{a^7}{42n^2} \right) = \frac{a^3}{3}$$

であるから、はさみうちの原理により、

$$\lim_{n\to\infty} \int_0^a n \sin\frac{x^2}{n} dx = \frac{a^3}{3}$$

となる。

解説

不等式の証明を利用してはさみうちの原理へ繋げる、入試頻出の定積分と極限の誘導問題である。(1)と(2)で示された不等式は、関数 $y=\sin x$ のマクローリン展開から導かれる有名な評価式を背景としている。被積分関数が初等関数の組み合わせで原始関数を持たない、あるいは積分計算が困難な場合には、このように多項式で挟み込んで評価する手法が非常に有効である。(2)の不等式証明では微分を3回繰り返す必要があるため、計算ミスや符号の判定ミスに注意して論理を進めることが重要である。

答え

(1) 解法1を参照して証明

(2) 解法1を参照して証明

(3) $\frac{a^3}{3}$

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