数学3 定積分・面積 問題 259 解説

方針・初手
定積分を含んだ方程式(積分方程式)の解法の定石に従う。積分区間の上端と下端がともに定数であるため、定積分 $\int_0^1 t f(t) dt$ および $\int_0^1 t \{g(t)\}^2 dt$ の値は定数となる。 それぞれを文字定数と置き、関数 $f(x)$、$g(x)$ の形を決定してから、元の積分定義式に代入して定数の値を決定する。
解法1
(1)
$\int_0^1 t f(t) dt$ は定数であるから、これを $k$ とおく。
$$\int_0^1 t f(t) dt = k$$
このとき、与えられた等式は以下のように表せる。
$$f(x) = e^x - k$$
これを $k$ を定義した式に代入する。
$$\begin{aligned} k &= \int_0^1 t (e^t - k) dt \\ &= \int_0^1 t e^t dt - k \int_0^1 t dt \end{aligned}$$
それぞれの定積分を計算する。部分積分法を用いる。
$$\begin{aligned} \int_0^1 t e^t dt &= \left[ t e^t \right]_0^1 - \int_0^1 e^t dt \\ &= e - \left[ e^t \right]_0^1 \\ &= e - (e - 1) \\ &= 1 \end{aligned}$$
$$\begin{aligned} \int_0^1 t dt &= \left[ \frac{1}{2} t^2 \right]_0^1 \\ &= \frac{1}{2} \end{aligned}$$
これらを代入して $k$ についての方程式を解く。
$$\begin{aligned} k &= 1 - \frac{1}{2}k \\ \frac{3}{2}k &= 1 \\ k &= \frac{2}{3} \end{aligned}$$
したがって、求める関数 $f(x)$ は次のようになる。
$$f(x) = e^x - \frac{2}{3}$$
(2)
$\int_0^1 t \{g(t)\}^2 dt$ は定数であるから、これを $C$ とおく。
$$\int_0^1 t \{g(t)\}^2 dt = C$$
このとき、与えられた等式は以下のように表せる。
$$g(x) = e^x - C$$
これを $C$ を定義した式に代入する。
$$\begin{aligned} C &= \int_0^1 t (e^t - C)^2 dt \\ &= \int_0^1 t (e^{2t} - 2C e^t + C^2) dt \\ &= \int_0^1 t e^{2t} dt - 2C \int_0^1 t e^t dt + C^2 \int_0^1 t dt \end{aligned}$$
それぞれの定積分を計算する。部分積分法を用いる。
$$\begin{aligned} \int_0^1 t e^{2t} dt &= \left[ t \cdot \frac{1}{2} e^{2t} \right]_0^1 - \int_0^1 1 \cdot \frac{1}{2} e^{2t} dt \\ &= \frac{1}{2} e^2 - \left[ \frac{1}{4} e^{2t} \right]_0^1 \\ &= \frac{1}{2} e^2 - \left( \frac{1}{4} e^2 - \frac{1}{4} \right) \\ &= \frac{e^2 + 1}{4} \end{aligned}$$
(1) の計算結果と同様に、以下の積分値を利用する。
$$\int_0^1 t e^t dt = 1$$
$$\int_0^1 t dt = \frac{1}{2}$$
これらを代入して $C$ についての方程式を整理する。
$$\begin{aligned} C &= \frac{e^2 + 1}{4} - 2C \cdot 1 + C^2 \cdot \frac{1}{2} \\ C &= \frac{e^2 + 1}{4} - 2C + \frac{1}{2} C^2 \\ 4C &= e^2 + 1 - 8C + 2C^2 \\ 2C^2 - 12C + e^2 + 1 &= 0 \end{aligned}$$
この2次方程式を $C$ について解く。
$$\begin{aligned} C &= \frac{6 \pm \sqrt{(-6)^2 - 2(e^2 + 1)}}{2} \\ &= \frac{6 \pm \sqrt{36 - 2e^2 - 2}}{2} \\ &= \frac{6 \pm \sqrt{34 - 2e^2}}{2} \end{aligned}$$
ここで、$g(t)$ は実数値関数であるから、定数 $C$ も実数でなければならない。 根号の中身について確認すると、自然対数の底 $e$ は $e < 3$ であるから $e^2 < 9$ であり、$34 - 2e^2 > 34 - 18 = 16 > 0$ となる。 したがって、根号の中身は正であり、$C$ は2つの実数解をもつことが確認できる。
よって、求める関数 $g(x)$ は次のようになる。
$$g(x) = e^x - \frac{6 \pm \sqrt{34 - 2e^2}}{2}$$
解説
定積分を含む方程式(積分方程式)の典型的な問題である。積分区間が定数から定数までとなっている場合、その定積分は変数を含まない「ただの定数」になることに着目する。定積分を文字でおき、関数の形を仮定して元の積分式に代入することで、文字についての等式を導くことができる。 部分積分を複数回行う必要があるため、計算ミスに注意したい。特に (2) では定数 $C$ についての2次方程式となるが、解の公式を用いて解いた後に、根号の中身が正であることを確認し、実数解として適当であることを示すと論理的に完全となる。
答え
(1) $f(x) = e^x - \frac{2}{3}$
(2) $g(x) = e^x - \frac{6 \pm \sqrt{34 - 2e^2}}{2}$
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