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数学C 複素数平面 問題 5 解説

数学C 複素数平面 問題 5 解説

方針・初手

共役を含む変換

$$ T(z)=(1+\sqrt{3}i)\overline{z} $$

を考える。直接計算してもよいが、特に後半では $T$ を2回作用させると単純になることに注目する。

解法1

まず

$$ 1+\sqrt{3}i $$

を係数として持つ変換

$$ T(z)=(1+\sqrt{3}i)\overline{z} $$

を考える。

(1)

$z=2+i$ であるから、

$$ \overline{z}=2-i $$

である。したがって

$$ \begin{aligned} z_1 &=(1+\sqrt{3}i)(2-i)\\ &=2-i+2\sqrt{3}i-\sqrt{3}i^2\\ &=2+\sqrt{3}+(2\sqrt{3}-1)i \end{aligned} $$

となる。

よって、

$$ z_1=2+\sqrt{3}+(2\sqrt{3}-1)i $$

である。

(2)

$z=1+ti$ であり、$t$ は実数であるから、

$$ \overline{z}=1-ti $$

である。条件式は

$$ (1+\sqrt{3}i)(1-ti)=k(1+ti) $$

である。

左辺を展開すると、

$$ \begin{aligned} (1+\sqrt{3}i)(1-ti) &=1-ti+\sqrt{3}i-\sqrt{3}t i^2\\ &=1+\sqrt{3}t+(\sqrt{3}-t)i \end{aligned} $$

である。一方、右辺は

$$ k(1+ti)=k+kti $$

である。

実部と虚部を比較して、

$$ \begin{cases} 1+\sqrt{3}t=k\\ \sqrt{3}-t=kt \end{cases} $$

を得る。

第1式より $k=1+\sqrt{3}t$ である。これを第2式へ代入すると、

$$ \sqrt{3}-t=t(1+\sqrt{3}t) $$

であるから、

$$ \sqrt{3}-t=t+\sqrt{3}t^2 $$

すなわち

$$ \sqrt{3}t^2+2t-\sqrt{3}=0 $$

となる。

これを解くと、

$$ \begin{aligned} t &=\frac{-2\pm\sqrt{4+12}}{2\sqrt{3}}\\ &=\frac{-2\pm4}{2\sqrt{3}} \end{aligned} $$

である。よって、

$$ t=\frac{1}{\sqrt{3}},\ -\sqrt{3} $$

である。

それぞれについて $k=1+\sqrt{3}t$ より、

$$ t=\frac{1}{\sqrt{3}} \quad \text{のとき} \quad k=2 $$

また、

$$ t=-\sqrt{3} \quad \text{のとき} \quad k=-2 $$

である。

したがって、求める組は

$$ (k,t)=\left(2,\frac{1}{\sqrt{3}}\right),\ (-2,-\sqrt{3}) $$

である。

(3)

$w_2=(1+\sqrt{3}i)\overline{w_1}$ であるから、

$$ \overline{w_2} =\overline{(1+\sqrt{3}i)\overline{w_1}} =(1-\sqrt{3}i)w_1 $$

である。

したがって、

$$ \begin{aligned} w_3 &=(1+\sqrt{3}i)\overline{w_2}\\ &=(1+\sqrt{3}i)(1-\sqrt{3}i)w_1\\ &=\left(1+3\right)w_1\\ &=4w_1 \end{aligned} $$

となる。

よって、

$$ w_3=4w_1 $$

である。

(4)

(3)より、変換

$$ T(z)=(1+\sqrt{3}i)\overline{z} $$

を2回作用させると、

$$ T(T(z))=4z $$

となる。

数列 ${z_n}$ は

$$ z_{n+1}=T(z_n) $$

で定められているから、2項進むごとに $4$ 倍される。したがって、

$$ z_{2m-1}=4^{m-1}z_1 $$

である。

(1)より

$$ z_1=2+\sqrt{3}+(2\sqrt{3}-1)i $$

であるから、

$$ z_{2m-1} = 4^{m-1}{2+\sqrt{3}+(2\sqrt{3}-1)i} $$

である。

解説

この問題の中心は、共役を含む変換

$$ z\mapsto (1+\sqrt{3}i)\overline{z} $$

をどう扱うかである。

共役があるため、単純な複素数倍とは異なるが、2回作用させると共役が消え、

$$ (1+\sqrt{3}i)(1-\sqrt{3}i)z=4z $$

となる。この性質を使うと、(3)、(4)は非常に簡潔に処理できる。

(2)では、$k$ が実数であること、$t$ が実数であることを利用して、実部と虚部を比較するのが基本である。複素数の等式は、実部と虚部がそれぞれ等しいことと同値であるため、連立方程式に帰着できる。

答え

(1)

$$ z_1=2+\sqrt{3}+(2\sqrt{3}-1)i $$

(2)

$$ (k,t)=\left(2,\frac{1}{\sqrt{3}}\right),\ (-2,-\sqrt{3}) $$

(3)

$$ w_3=4w_1 $$

(4)

$$ z_{2m-1} = 4^{m-1}{2+\sqrt{3}+(2\sqrt{3}-1)i} \quad (m=1,2,3,\ldots) $$

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