数学C 複素数平面 問題 4 解説

方針・初手
根が虚数であることから判別式は負であり、根 $\alpha$ は実数ではない。まず、$\alpha$ が方程式の根であることを利用して $\alpha(2-\alpha)$ を $\alpha$ の一次式に直す。
その後、(1) で得た条件のもとで虚部が負の根 $\beta$ を具体的に表し、$\beta(1-\beta)$ の実部・虚部から点 $P(x,y)$ の軌跡を求める。
解法1
方程式
$$ t^2+pt+q=0 $$
の根が虚数であるから、判別式について
$$ p^2-4q<0 $$
が成り立つ。
$\alpha$ はこの方程式の根なので、
$$ \alpha^2+p\alpha+q=0 $$
より
$$ \alpha^2=-p\alpha-q $$
である。したがって、
$$ \begin{aligned} \alpha(2-\alpha) &=2\alpha-\alpha^2 \\ &=2\alpha-(-p\alpha-q) \\ &=(p+2)\alpha+q \end{aligned} $$
となる。
ここで、$p,q$ は実数であり、$\alpha$ は実数ではない。よって $(p+2)\alpha+q$ が実数となるためには、$\alpha$ の係数が $0$ でなければならない。
したがって、
$$ p+2=0 $$
すなわち
$$ p=-2 $$
である。
このとき
$$ \alpha(2-\alpha)=q $$
となるので、条件 $\alpha(2-\alpha)<2$ は
$$ q<2 $$
である。
また、根が虚数である条件
$$ p^2-4q<0 $$
に $p=-2$ を代入すると、
$$ 4-4q<0 $$
より
$$ q>1 $$
である。
したがって、(1) の条件は
$$ p=-2,\qquad 1<q<2 $$
である。
次に、(1) の条件のもとでは方程式は
$$ t^2-2t+q=0 $$
となる。これを解くと、
$$ t=1\pm \sqrt{1-q} $$
である。ここで $1<q<2$ なので、$1-q<0$ であり、
$$ t=1\pm i\sqrt{q-1} $$
となる。
虚部が負の根を $\beta$ とするから、
$$ \beta=1-i\sqrt{q-1} $$
である。
ここで
$$ s=\sqrt{q-1} $$
とおくと、$1<q<2$ より
$$ 0<s<1 $$
であり、
$$ \beta=1-is $$
である。
このとき、
$$ \begin{aligned} \beta(1-\beta) &=(1-is){1-(1-is)} \\ &=(1-is)is \\ &=s^2+is \end{aligned} $$
となる。
したがって、$\beta(1-\beta)$ の実部を $y$、虚部を $x$ とすると、
$$ x=s,\qquad y=s^2 $$
である。$0<s<1$ だから、
$$ 0<x<1,\qquad y=x^2 $$
を得る。
よって、点 $P(x,y)$ の軌跡は
$$ y=x^2\qquad (0<x<1) $$
である。
次に、この軌跡上の点
$$ P(x,x^2)\qquad (0<x<1) $$
と定点
$$ Q(0,1) $$
との距離を考える。
距離の平方を $D^2$ とすると、
$$ \begin{aligned} D^2 &=(x-0)^2+(x^2-1)^2 \\ &=x^2+(x^2-1)^2 \\ &=x^4-x^2+1 \end{aligned} $$
である。
これを
$$ f(x)=x^4-x^2+1 $$
とおくと、
$$ f'(x)=4x^3-2x=2x(2x^2-1) $$
である。
$0<x<1$ において $f'(x)=0$ となるのは
$$ 2x^2-1=0 $$
より
$$ x=\frac{1}{\sqrt{2}} $$
である。
このとき、
$$ y=x^2=\frac{1}{2} $$
である。
したがって、距離が最小となる点は
$$ P\left(\frac{1}{\sqrt{2}},\frac{1}{2}\right) $$
である。
また、このときの距離 $PQ$ は
$$ \begin{aligned} PQ &=\sqrt{\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^2+\left(\frac{1}{2}-1\right)^2} \\ &=\sqrt{\frac{1}{2}+\frac{1}{4}} \\ &=\frac{\sqrt{3}}{2} \end{aligned} $$
ではない。ここで計算を確認すると、
$$ \left(\frac{1}{2}-1\right)^2=\frac{1}{4} $$
なので
$$ PQ^2=\frac{1}{2}+\frac{1}{4}=\frac{3}{4} $$
である。
よって、
$$ PQ=\frac{\sqrt{3}}{2} $$
である。
解説
この問題の中心は、根 $\alpha$ が満たす方程式を使って $\alpha^2$ を消去することである。
$$ \alpha(2-\alpha)=(p+2)\alpha+q $$
と一次式に直せば、$\alpha$ が実数でないことから、これが実数になる条件は係数 $p+2$ が $0$ であることだと分かる。
(2) では、(1) の条件から方程式が $t^2-2t+q=0$ に決まり、根を具体的に表せる。虚部が負の根を選ぶことにより、$\beta=1-is$ と置けるので、軌跡は放物線の一部 $y=x^2\ (0<x<1)$ となる。
(3) では距離そのものではなく距離の平方を最小化すればよい。ただし、最後の距離計算では
$$ PQ^2=x^2+(x^2-1)^2 $$
であり、$x=1/\sqrt{2}$ のとき
$$ PQ^2=\frac{3}{4} $$
となる点に注意する。
答え
(1)
$$ p=-2,\qquad 1<q<2 $$
(2)
$$ y=x^2\qquad (0<x<1) $$
(3)
$$ P\left(\frac{1}{\sqrt{2}},\frac{1}{2}\right),\qquad PQ=\frac{\sqrt{3}}{2} $$
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