数学C 複素数平面 問題 15 解説

方針・初手
$(\overline{z}+5i)(z-3-i)$ の実部・虚部を、$z=x+yi$ とおいて調べる。
純虚数または $0$ になる条件は「実部が $0$」であり、実数 $t$ に等しい条件は「虚部が $0$」である。この2つを混同しないことが重要である。
解法1
$z=x+yi$ とおく。ただし $x,y$ は実数である。このとき
$$ \overline{z}=x-yi $$
より、
$$ \overline{z}+5i=x+(5-y)i,\qquad z-3-i=(x-3)+(y-1)i $$
である。したがって
$$ \begin{aligned} (\overline{z}+5i)(z-3-i) &={x+(5-y)i}{(x-3)+(y-1)i} \\ &={x(x-3)-(5-y)(y-1)} \\ &\qquad +{x(y-1)+(5-y)(x-3)}i. \end{aligned} $$
実部と虚部を整理すると、
$$ \begin{aligned} \operatorname{Re} &=x^2-3x+y^2-6y+5,\\ \operatorname{Im} &=4x+3y-15. \end{aligned} $$
よって
$$ (\overline{z}+5i)(z-3-i) = x^2-3x+y^2-6y+5+(4x+3y-15)i $$
である。
まず、(1) を求める。$z=4+3i$ のとき、
$$ \overline{z}=4-3i $$
であるから、
$$ \begin{aligned} (\overline{z}+5i)(z-3-i) &=(4-3i+5i)(4+3i-3-i)\\ &=(4+2i)(1+2i)\\ &=4+8i+2i+4i^2\\ &=10i. \end{aligned} $$
次に、(2) を考える。$(\overline{z}+5i)(z-3-i)$ が純虚数または $0$ となる条件は、実部が $0$ であることだから、
$$ x^2-3x+y^2-6y+5=0 $$
である。平方完成すると、
$$ \begin{aligned} x^2-3x+y^2-6y+5 &=\left(x-\frac{3}{2}\right)^2-\frac{9}{4}+(y-3)^2-9+5\\ &=\left(x-\frac{3}{2}\right)^2+(y-3)^2-\frac{25}{4}. \end{aligned} $$
したがって、条件を満たす点 $z=x+yi$ は
$$ \left(x-\frac{3}{2}\right)^2+(y-3)^2=\frac{25}{4} $$
を満たす。これは中心
$$ \alpha=\frac{3}{2}+3i $$
半径
$$ r=\frac{5}{2} $$
の円である。
次に、(3) を考える。求める $z$ は中心 $\alpha=\frac{3}{2}+3i$、半径 $\frac{5}{2}$ の円周上を動く。したがって $|z|$ は、原点からこの円周上の点までの距離である。
中心と原点の距離は
$$ \begin{aligned} |\alpha| &= \sqrt{\left(\frac{3}{2}\right)^2+3^2}\\ &= \sqrt{\frac{9}{4}+\frac{36}{4}}\\ &= \frac{3\sqrt{5}}{2} \end{aligned} $$
である。ここで
$$ \frac{3\sqrt{5}}{2}>\frac{5}{2} $$
なので、原点は円の外部にある。
したがって、$|z|$ の最大値は中心までの距離に半径を足したもの、最小値は中心までの距離から半径を引いたものである。よって
$$ \begin{aligned} \max |z| &= \frac{3\sqrt{5}}{2}+\frac{5}{2}\\ &= \frac{3\sqrt{5}+5}{2} \end{aligned} $$
であり、
$$ \begin{aligned} \min |z| &= \frac{3\sqrt{5}}{2}-\frac{5}{2}\\ &= \frac{3\sqrt{5}-5}{2} \end{aligned} $$
である。
最後に、(4) を考える。$t$ は実数であり、
$$ (\overline{z}+5i)(z-3-i)=t $$
となるには、左辺の虚部が $0$ でなければならない。よって
$$ 4x+3y-15=0 $$
である。
この条件のもとで、$t$ は左辺の実部に等しいから、
$$ t=x^2-3x+y^2-6y+5 $$
である。平方完成した形を用いると、
$$ t= \left(x-\frac{3}{2}\right)^2+(y-3)^2-\frac{25}{4} $$
である。
ここで、直線
$$ 4x+3y-15=0 $$
は点
$$ \left(\frac{3}{2},3\right) $$
を通る。実際、
$$ 4\cdot \frac{3}{2}+3\cdot 3-15=6+9-15=0 $$
である。
したがって、直線 $4x+3y-15=0$ 上で
$$ \left(x-\frac{3}{2}\right)^2+(y-3)^2 $$
は最小値 $0$ をとり、また直線上を無限に遠くへ動かせばいくらでも大きくなる。
よって
$$ t\ge -\frac{25}{4} $$
であり、逆に $-\frac{25}{4}$ 以上の任意の実数はこの直線上の点を適当に選べば実現できる。
したがって、求める $t$ の範囲は
$$ t\ge -\frac{25}{4} $$
である。
解説
この問題では、同じ式
$$ (\overline{z}+5i)(z-3-i) $$
について、「純虚数または $0$」と「実数 $t$ に等しい」という2種類の条件が出てくる。
純虚数または $0$ である条件は実部が $0$ であり、実数である条件は虚部が $0$ である。ここを取り違えると、(2)(3) と (4) の条件が混ざってしまう。
(2)(3) では実部
$$ x^2-3x+y^2-6y+5 $$
を $0$ とおくことで円が出る。一方、(4) では虚部
$$ 4x+3y-15 $$
を $0$ とおき、その直線上で実部がどの範囲を動くかを見る。
答え
(1)
$$ 10i $$
(2)
$$ \alpha=\frac{3}{2}+3i,\qquad r=\frac{5}{2} $$
(3)
$$ \max |z|=\frac{3\sqrt{5}+5}{2},\qquad \min |z|=\frac{3\sqrt{5}-5}{2} $$
(4)
$$ t\ge -\frac{25}{4} $$
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