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数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 1 解説

数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 1 解説

方針・初手

$t$ が実数で動くとき、$(1+i)t+1+\alpha$ は複素平面上の直線を動く点を表す。したがって、求める条件は「その直線が原点中心、半径 $1$ の円板と共有点をもつこと」と言い換えられる。

解法1

$\alpha=x+yi$ とおく。ただし $x,y$ は実数である。

このとき

$$ (1+i)t+1+\alpha=(1+x+t)+(y+t)i $$

であるから、この点の座標は

$$ (1+x+t,\ y+t) $$

である。

$t$ が実数全体を動くと、この点は方向ベクトル $(1,1)$ をもつ直線

$$ (X,Y)=(1+x,\ y)+t(1,1) $$

上を動く。

条件

$$ |(1+i)t+1+\alpha|\leqq 1 $$

は、この直線上の点と原点との距離が $1$ 以下になる $t$ が存在することを意味する。したがって、原点からこの直線までの距離が $1$ 以下であればよい。

直線の方程式を求める。点 $(X,Y)=(1+x+t,\ y+t)$ について、$t$ を消去すると

$$ Y-X=y-(1+x) $$

すなわち

$$ Y-X=y-x-1 $$

である。

この直線は

$$ -X+Y-(y-x-1)=0 $$

と書ける。原点 $(0,0)$ からこの直線までの距離は

$$ \frac{|-(y-x-1)|}{\sqrt{(-1)^2+1^2}} =\frac{|y-x-1|}{\sqrt{2}} $$

である。

これが $1$ 以下であることが必要十分条件だから、

$$ \frac{|y-x-1|}{\sqrt{2}}\leqq 1 $$

より

$$ |y-x-1|\leqq \sqrt{2} $$

を得る。

したがって、求める $\alpha=x+yi$ の範囲は

$$ -\sqrt{2}\leqq y-x-1\leqq \sqrt{2} $$

すなわち

$$ x+1-\sqrt{2}\leqq y\leqq x+1+\sqrt{2} $$

である。

これは複素平面上で、2直線

$$ y=x+1-\sqrt{2},\qquad y=x+1+\sqrt{2} $$

に挟まれた帯状の領域である。境界線も含む。

解法2

$\alpha=x+yi$ とおく。条件は

$$ |(1+i)t+1+\alpha|^2\leqq 1 $$

を満たす実数 $t$ が存在することである。

左辺を計算すると、

$$ \begin{aligned} |(1+i)t+1+\alpha|^2 &= |(1+x+t)+(y+t)i|^2 \\ &= (1+x+t)^2+(y+t)^2 \end{aligned} $$

である。

よって、ある実数 $t$ に対して

$$ (1+x+t)^2+(y+t)^2\leqq 1 $$

となる条件を求めればよい。

左辺を $t$ の2次式として整理すると、

$$ \begin{aligned} (1+x+t)^2+(y+t)^2 &=2t^2+2(1+x+y)t+(1+x)^2+y^2 \end{aligned} $$

である。この2次式の最小値が $1$ 以下であればよい。

平方完成すると、

$$ \begin{aligned} 2t^2+2(1+x+y)t+(1+x)^2+y^2 &=2\left(t+\frac{1+x+y}{2}\right)^2 +\frac{(y-x-1)^2}{2} \end{aligned} $$

となる。

したがって最小値は

$$ \frac{(y-x-1)^2}{2} $$

である。これが $1$ 以下であることが必要十分条件だから、

$$ \frac{(y-x-1)^2}{2}\leqq 1 $$

より

$$ |y-x-1|\leqq \sqrt{2} $$

を得る。

よって

$$ x+1-\sqrt{2}\leqq y\leqq x+1+\sqrt{2} $$

である。

解説

$t$ が実数であることから、$(1+i)t$ は複素平面上で傾き $1$ の直線方向に動く量である。したがって、この問題は「動く点の軌跡である直線が、原点中心の半径 $1$ の円板に交わる条件」を求める問題である。

幾何的には原点から直線までの距離で処理するのが最も自然である。代数的には、$t$ に関する2次式の最小値を調べれば同じ条件が得られる。

答え

$\alpha=x+yi$ とおくと、求める範囲は

$$ |y-x-1|\leqq \sqrt{2} $$

すなわち

$$ x+1-\sqrt{2}\leqq y\leqq x+1+\sqrt{2} $$

である。

複素平面上では、2直線

$$ y=x+1-\sqrt{2},\qquad y=x+1+\sqrt{2} $$

に挟まれた帯状の領域であり、境界線を含む。

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