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数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 17 解説

数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 17 解説

方針・初手

複素数 $z$ を $z=x+yi$ とおくと、絶対値の条件は距離の条件として処理できる。また、虚軸上を動く点は $z=ti$ と表せるため、写像後の $w$ の実部・虚部を調べれば軌跡が求められる。

解法1

(1)

$z=x+yi$ とおく。ただし $x,y$ は実数である。

条件

$$ |z-1|=|z+1| $$

$$ |(x-1)+yi|=|(x+1)+yi| $$

を意味する。両辺を2乗して

$$ (x-1)^2+y^2=(x+1)^2+y^2 $$

となる。両辺から $y^2$ を消すと

$$ (x-1)^2=(x+1)^2 $$

である。展開して

$$ x^2-2x+1=x^2+2x+1 $$

より

$$ x=0 $$

を得る。

したがって、条件を満たす点 $z$ は実部が $0$ の点全体、すなわち虚軸である。

(2)

$z$ が原点を除いた虚軸上を動くので、

$$ z=ti \quad (t\in\mathbb{R},\ t\ne 0) $$

とおける。このとき

$$ w=\frac{z+1}{z} =\frac{ti+1}{ti} =1+\frac{1}{ti} =1-\frac{i}{t} $$

である。

よって

$$ \operatorname{Re} w=1,\qquad \operatorname{Im} w=-\frac{1}{t} $$

となる。$t$ は $0$ でない実数全体を動くので、$-\dfrac{1}{t}$ は $0$ でない実数全体を動く。

したがって、$w$ の軌跡は

$$ \operatorname{Re} w=1,\qquad w\ne 1 $$

である。

つまり、複素数平面上の直線 $\operatorname{Re} w=1$ から点 $w=1$ を除いた図形である。

(3)

$z$ が虚軸上を動くので、

$$ z=ti \quad (t\in\mathbb{R}) $$

とおくこともできるが、円の中心と半径を求めるには $z$ を $w$ で表すのが見通しやすい。

与えられた関係式

$$ w=\frac{z+1}{z-a} $$

より

$$ w(z-a)=z+1 $$

である。整理すると

$$ (w-1)z=aw+1 $$

となる。ここで $w=1$ とすると

$$ z+1=z-a $$

より $1=-a$ となるが、$a>0$ に反する。したがって $w\ne 1$ であり、

$$ z=\frac{aw+1}{w-1} $$

と表せる。

ここで

$$ w=u+vi \quad (u,v\in\mathbb{R}) $$

とおく。$z$ が虚軸上にあることは、$\operatorname{Re} z=0$ と同値である。

したがって

$$ \operatorname{Re}\left(\frac{a(u+vi)+1}{(u+vi)-1}\right)=0 $$

を調べればよい。分母の共役をかけると

$$ \frac{a(u+vi)+1}{(u-1)+vi} = \frac{(au+1+avi){(u-1)-vi}}{(u-1)^2+v^2} $$

である。分母は正なので、実部が $0$ である条件は分子の実部が $0$ であることと同値である。

分子の実部は

$$ (au+1)(u-1)+av^2 $$

であるから、

$$ (au+1)(u-1)+av^2=0 $$

となる。展開して

$$ au^2-au+u-1+av^2=0 $$

すなわち

$$ a(u^2+v^2)+(1-a)u-1=0 $$

である。$a>0$ より両辺を $a$ で割ると

$$ u^2+v^2+\frac{1-a}{a}u-\frac{1}{a}=0 $$

となる。平方完成すると

$$ \left(u-\frac{a-1}{2a}\right)^2+v^2 = \frac{(a+1)^2}{4a^2} $$

である。

したがって、$w$ の軌跡は中心

$$ \frac{a-1}{2a} $$

半径

$$ \frac{a+1}{2a} $$

の円である。

ただし、先に確認した通り $w=1$ はとらない。また

$$ \left(1-\frac{a-1}{2a}\right)^2 = \left(\frac{a+1}{2a}\right)^2 $$

より、$w=1$ はこの円周上の点である。よって軌跡はこの円から点 $w=1$ を除いたものである。

解説

絶対値の等式 $|z-1|=|z+1|$ は、点 $z$ が $1$ と $-1$ から等距離にあることを意味する。したがって幾何的には線分 $[-1,1]$ の垂直二等分線、つまり虚軸である。座標計算でも同じ結論が得られる。

(2) は虚軸上の点を $z=ti$ とおけばすぐに処理できる。$t\ne 0$ のため、$w=1$ だけが除かれる点になる。

(3) は直接 $z=ti$ を代入してもよいが、$z$ を $w$ で表し、$z$ が虚数である条件 $\operatorname{Re} z=0$ を使うと、円の方程式が自然に出る。一次分数変換は直線や円を直線や円に移すので、この問題では「虚軸が円に移る」という構造を意識するとよい。

答え

(1)

$|z-1|=|z+1|$ を満たす点 $z$ の全体は虚軸である。

(2)

$$ \operatorname{Re} w=1,\qquad w\ne 1 $$

すなわち、直線 $\operatorname{Re} w=1$ から点 $w=1$ を除いた図形である。

(3)

円の中心は

$$ \frac{a-1}{2a} $$

半径は

$$ \frac{a+1}{2a} $$

である。軌跡はこの円から点 $w=1$ を除いたものである。

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