トップ 基礎問題 数学C 複素数平面 ド・モアブルの定理 問題 32

数学C ド・モアブルの定理 問題 32 解説

数学C ド・モアブルの定理 問題 32 解説

方針・初手

$(1+i)$ と $(1-i)$ は互いに共役であり、極形式に直すと和が三角関数で表せる。したがって、まず

$$ (1+i)=\sqrt{2}\left(\cos \frac{\pi}{4}+i\sin \frac{\pi}{4}\right) $$

を用いて、与式を $n$ の合同類で整理する。

解法1

$(1+i)$ と $(1-i)$ を極形式で表すと、

$$ (1+i)=\sqrt{2},e^{i\pi/4},\qquad (1-i)=\sqrt{2},e^{-i\pi/4} $$

である。よって、

$$ \begin{aligned} (1+i)^n+(1-i)^n &=(\sqrt{2})^n e^{in\pi/4}+(\sqrt{2})^n e^{-in\pi/4}\\ &=2^{n/2}\left(e^{in\pi/4}+e^{-in\pi/4}\right)\\ &=2^{n/2}\cdot 2\cos \frac{n\pi}{4}\\ &=2^{n/2+1}\cos \frac{n\pi}{4} \end{aligned} $$

となる。

ここで、$\cos \dfrac{n\pi}{4}$ は $n$ を $8$ で割った余りによって決まる。

正の値になるのは、$n\equiv 0,1,7 \pmod{8}$ のときである。

それぞれの場合を調べる。

(i)

$n\equiv 0 \pmod{8}$ のとき

このとき $\cos \dfrac{n\pi}{4}=1$ なので、

$$ (1+i)^n+(1-i)^n=2^{n/2+1} $$

である。

$10^{10}$ と $2$ の累乗を比較するため、

$$ 2^{33}=8589934592<10^{10}<17179869184=2^{34} $$

を用いる。

$n=64$ のとき、

$$ 2^{64/2+1}=2^{33}<10^{10} $$

である。したがって、$n\equiv 0 \pmod{8}$ で条件を満たす最小のものは $n=72$ である。

(ii)

$n\equiv 1,7 \pmod{8}$ のとき

このとき $\cos \dfrac{n\pi}{4}=\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ なので、

$$ \begin{aligned} (1+i)^n+(1-i)^n &=2^{n/2+1}\cdot \frac{\sqrt{2}}{2}\\ &=2^{(n+1)/2} \end{aligned} $$

である。

条件は

$$ 2^{(n+1)/2}>10^{10} $$

である。上の比較より、$2^{33}<10^{10}<2^{34}$ だから、

$$ \frac{n+1}{2}\geq 34 $$

が必要十分である。したがって、

$$ n\geq 67 $$

が必要である。

$n\equiv 1,7 \pmod{8}$ かつ $n\geq 67$ を満たす最小の正の整数は

$$ n=71 $$

である。

実際、$n=71$ のとき $71\equiv 7 \pmod{8}$ であり、

$$ (1+i)^{71}+(1-i)^{71}=2^{(71+1)/2}=2^{36} $$

となる。

また、

$$ 2^{36}=68719476736>10^{10} $$

であるから、条件を満たす。

$n=70$ 以下では、正の値をとる場合の最大でも $n=65$ または $n=64$ であり、

$$ 2^{(65+1)/2}=2^{33}<10^{10},\qquad 2^{64/2+1}=2^{33}<10^{10} $$

である。よって、$n=71$ より小さい正の整数では条件を満たさない。

解説

この問題では、$(1+i)^n$ と $(1-i)^n$ を二項展開で直接扱うと計算が煩雑になる。共役な複素数の和であることに注目し、極形式に直して余弦で表すのが自然である。

重要なのは、単に大きさ $|1+i|=\sqrt{2}$ だけを見るのではなく、$\cos \dfrac{n\pi}{4}$ の符号と値を確認することである。$n$ によっては和が $0$ や負になるため、指数部分だけで判断すると誤る。

答え

$$ \boxed{71} $$

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