数学C 平面ベクトル 問題 22 解説

方針・初手
ベクトルの和の大きさは、各ベクトルの向きを変えることで、三角不等式から取り得る範囲を考える。
(1) は長さ $5,3,1$ の3本のベクトルの和の大きさの最大・最小を調べればよい。
(2) は $\vec a$ を固定するので、座標軸を $\vec a$ の向きにとり、条件 $\vec a\cdot \vec z=20$ を $\vec z$ の成分条件に直す。
解法1
(1)
まず最大値を考える。$\vec a,\vec b,\vec c$ がすべて同じ向きのとき、
$$ |\vec z|=|\vec a+\vec b+\vec c|=5+3+1=9 $$
となる。三角不等式より
$$ |\vec a+\vec b+\vec c|\leq |\vec a|+|\vec b|+|\vec c|=9 $$
であるから、最大値は $9$ である。
次に最小値を考える。長さ $5$ のベクトル $\vec a$ に対し、$\vec b,\vec c$ を $\vec a$ と反対向きにそろえると、
$$ |\vec z|=5-3-1=1 $$
となる。
また、$\vec b+\vec c$ の大きさは高々 $3+1=4$ であるから、
$$ |\vec a+\vec b+\vec c| =|\vec a+(\vec b+\vec c)| \geq |\vec a|-|\vec b+\vec c| \geq 5-4=1 $$
である。したがって最小値は $1$ である。
(2)
$\vec a$ を固定する。座標軸を $\vec a$ の向きにとると、$\vec a$ の大きさは $5$ であるから、
$$ \vec a=(5,0) $$
としてよい。
$\vec z=(x,y)$ とおくと、条件 $\vec a\cdot \vec z=20$ より
$$ (5,0)\cdot (x,y)=20 $$
である。したがって
$$ 5x=20 $$
より、
$$ x=4 $$
である。つまり
$$ \vec z=(4,y) $$
と書ける。
ここで
$$ \vec z=\vec a+\vec b+\vec c $$
であるから、
$$ \vec b+\vec c=\vec z-\vec a=(4,y)-(5,0)=(-1,y) $$
である。
長さ $3$ のベクトルと長さ $1$ のベクトルの和 $\vec b+\vec c$ の大きさは、三角不等式より
$$ 2\leq |\vec b+\vec c|\leq 4 $$
の範囲を動く。実際、この範囲の任意の大きさは、$\vec b,\vec c$ のなす角を変えることで実現できる。
いま
$$ |\vec b+\vec c|=\sqrt{(-1)^2+y^2}=\sqrt{1+y^2} $$
であるから、
$$ 2\leq \sqrt{1+y^2}\leq 4 $$
となる。両辺を2乗して、
$$ 4\leq 1+y^2\leq 16 $$
より、
$$ 3\leq y^2\leq 15 $$
である。
したがって
$$ |\vec z|^2=4^2+y^2=16+y^2 $$
であるから、
$$ 19\leq |\vec z|^2\leq 31 $$
となる。
よって、
$$ \sqrt{19}\leq |\vec z|\leq \sqrt{31} $$
である。
したがって、最大値は $\sqrt{31}$、最小値は $\sqrt{19}$ である。
解説
(1) は、長さの決まったベクトルの和の大きさの範囲を考える典型問題である。最大値はすべて同じ向き、最小値は最も長いベクトルを他のベクトルでどこまで打ち消せるかを考える。
(2) では、内積条件 $\vec a\cdot \vec z=20$ をそのまま扱うより、$\vec a$ の向きに座標軸をとるのが有効である。すると条件は $\vec z$ の $x$ 座標を固定する条件になり、残りは $\vec b+\vec c$ が取り得る長さの範囲に帰着される。
特に、$\vec b+\vec c$ の大きさが $2$ 以上 $4$ 以下であることを使う点が重要である。
答え
(1)
最大値は
$$ 9 $$
最小値は
$$ 1 $$
である。
(2)
最大値は
$$ \sqrt{31} $$
最小値は
$$ \sqrt{19} $$
である。
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