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数学C 平面の位置ベクトル 問題 9 解説

数学C 平面の位置ベクトル 問題 9 解説

方針・初手

$\overrightarrow{OP}=x\overrightarrow{OA}+y\overrightarrow{OB}+z\overrightarrow{OC}$ は、三角形 $ABC$ における点 $P$ の重心座標を表している。

まず、直線 $AP$ 上の点をパラメータで表し、それが直線 $BC$ 上にある条件を使って交点 $D$ を求める。その後、面積比は「同じ底辺をもつ三角形の面積比は高さの比に等しい」ことを用いる。

解法1

$\overrightarrow{OA}=\vec a,\ \overrightarrow{OB}=\vec b,\ \overrightarrow{OC}=\vec c$ とおく。

点 $P$ は

$$ \overrightarrow{OP}=x\vec a+y\vec b+z\vec c $$

と表されている。ただし $x,y,z$ は正の実数で、

$$ x+y+z=1 $$

である。

(1) 交点 $D$ の位置を求める

点 $D$ は直線 $AP$ 上にあるので、ある実数 $\lambda$ を用いて

$$ \overrightarrow{OD} =(1-\lambda)\vec a+\lambda\overrightarrow{OP} $$

と表せる。これに $\overrightarrow{OP}=x\vec a+y\vec b+z\vec c$ を代入すると、

$$ \begin{aligned} \overrightarrow{OD} &=(1-\lambda)\vec a+\lambda(x\vec a+y\vec b+z\vec c)\\ &={1-\lambda(1-x)}\vec a+\lambda y\vec b+\lambda z\vec c \end{aligned} $$

となる。

一方、点 $D$ は直線 $BC$ 上にある。$A,B,C$ は同一直線上にないから、直線 $BC$ 上の点は $\vec a$ の係数が $0$ である。したがって

$$ 1-\lambda(1-x)=0 $$

である。よって

$$ \lambda=\frac{1}{1-x} $$

である。ここで $x+y+z=1$ より $1-x=y+z$ だから、

$$ \begin{aligned} \overrightarrow{OD} &=\frac{y}{1-x}\vec b+\frac{z}{1-x}\vec c\\ &=\frac{y}{y+z}\vec b+\frac{z}{y+z}\vec c \end{aligned} $$

となる。

点 $D$ が $BC$ を $BD:DC=m:n$ に内分するとき、

$$ \overrightarrow{OD}=\frac{n\vec b+m\vec c}{m+n} $$

である。これと比較すると、

$$ BD:DC=z:y $$

である。

次に、$P$ が $AD$ をどの比に内分するかを調べる。上で得た式より

$$ (1-x)\overrightarrow{OD}=y\vec b+z\vec c $$

であるから、

$$ \begin{aligned} \overrightarrow{OP} &=x\vec a+y\vec b+z\vec c\\ &=x\vec a+(1-x)\overrightarrow{OD} \end{aligned} $$

となる。

したがって、点 $P$ は $AD$ 上にあり、$A$ と $D$ の係数がそれぞれ $x,\ 1-x$ である。点 $P$ が $AD$ を $AP:PD=m:n$ に内分するとき、

$$ \overrightarrow{OP}=\frac{n\vec a+m\overrightarrow{OD}}{m+n} $$

であるから、

$$ AP:PD=(1-x):x $$

である。

(2) 面積比を求める

$\triangle ABC$ の面積を $T$ とおく。

まず、$\triangle PBC$ と $\triangle ABC$ を比べる。これらはどちらも底辺を $BC$ と見ることができるので、面積比は $BC$ への高さの比に等しい。

(1) より、$P$ は $AD$ を

$$ AP:PD=(1-x):x $$

に内分する。したがって

$$ \frac{PD}{AD}=x $$

である。

点 $D$ は直線 $BC$ 上にあるので、直線 $AD$ 上の点から直線 $BC$ までの距離は、$D$ からの距離に比例する。よって、$P$ から $BC$ への高さは、$A$ から $BC$ への高さの $x$ 倍である。

したがって

$$ S_2=xT $$

である。

次に、$\triangle PAB$ と $\triangle ABC$ を比べる。

直線 $CP$ と直線 $AB$ の交点を $E$ とする。$E$ は直線 $AB$ 上にあるから、

$$ \overrightarrow{OE} =\frac{x\vec a+y\vec b}{x+y} $$

と表される。ここで $x+y=1-z$ であるから、

$$ \begin{aligned} z\vec c+(1-z)\overrightarrow{OE} &=z\vec c+(x+y)\frac{x\vec a+y\vec b}{x+y}\\ &=x\vec a+y\vec b+z\vec c\\ &=\overrightarrow{OP} \end{aligned} $$

となる。

よって $P$ は $CE$ 上にあり、$C$ と $E$ の係数がそれぞれ $z,\ 1-z$ である。したがって

$$ CP:PE=(1-z):z $$

であり、

$$ \frac{PE}{CE}=z $$

である。

点 $E$ は直線 $AB$ 上にあるので、$P$ から $AB$ への高さは、$C$ から $AB$ への高さの $z$ 倍である。よって

$$ S_1=zT $$

である。

以上より

$$ \frac{S_1}{z}=T,\qquad \frac{S_2}{x}=T $$

であるから、

$$ \frac{S_1}{z}=\frac{S_2}{x} $$

が成り立つ。

解説

この問題の中心は、$x,y,z$ が三角形 $ABC$ における重心座標になっていることを読み取る点である。

$x,y,z$ が正で、かつ $x+y+z=1$ なので、点 $P$ は三角形 $ABC$ の内部にある。そのため、交点や内分比を正の比として扱える。

(1) では、直線 $AP$ 上の点を

$$ (1-\lambda)\vec a+\lambda\overrightarrow{OP} $$

と置き、直線 $BC$ 上にあるためには $\vec a$ の係数が $0$ になる、という条件を使うのが自然である。

(2) では、面積を直接計算する必要はない。同じ底辺をもつ三角形の面積比が高さの比になることを使えば、(1) で得た内分比からすぐに

$$ S_2=x[ABC],\qquad S_1=z[ABC] $$

が出る。

答え

(1)

$$ BD:DC=z:y $$

であるから、$D$ は $BC$ を $z:y$ に内分する。

また、

$$ AP:PD=(1-x):x $$

であるから、$P$ は $AD$ を $(1-x):x$ に内分する。

(2)

$\triangle ABC$ の面積を $T$ とすると、

$$ S_1=zT,\qquad S_2=xT $$

である。したがって

$$ \frac{S_1}{z}=\frac{S_2}{x} $$

が成り立つ。

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