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数学C 空間ベクトル 問題 53 解説

数学C 空間ベクトル 問題 53 解説

方針・初手

中点 $M,N$ を使って、ベクトル和を簡単に表す。

任意の点 $X$ について、$M$ は $AB$ の中点、$N$ は $CD$ の中点であるから、

$$ \overrightarrow{XA}+\overrightarrow{XB}=2\overrightarrow{XM},\qquad \overrightarrow{XC}+\overrightarrow{XD}=2\overrightarrow{XN} $$

が成り立つ。また、平方距離の和には中線公式を用いる。

$$ XA^2+XB^2=2XM^2+\frac{1}{2}AB^2,\qquad XC^2+XD^2=2XN^2+\frac{1}{2}CD^2 $$

これにより、問題はすべて線分 $MN$ に関する平面の問題に帰着される。

解法1

まず、四面体 $ABCD$ では $M\neq N$ であることを確認する。

もし $M=N$ なら、位置ベクトルを用いて

$$ \frac{\vec a+\vec b}{2}=\frac{\vec c+\vec d}{2} $$

より、

$$ \vec d=\vec a+\vec b-\vec c $$

となる。これは点 $D$ が平面 $ABC$ 上にあることを意味する。これは $ABCD$ が四面体であることに反する。よって、

$$ M\neq N $$

である。

(1)

任意の点 $P$ について、

$$ \overrightarrow{PA}+\overrightarrow{PB}=2\overrightarrow{PM} $$

であり、同様に

$$ \overrightarrow{PC}+\overrightarrow{PD}=2\overrightarrow{PN} $$

である。

したがって、条件

$$ \overrightarrow{PA}+\overrightarrow{PB} = \overrightarrow{PC}+\overrightarrow{PD} $$

$$ 2\overrightarrow{PM}=2\overrightarrow{PN} $$

すなわち

$$ \overrightarrow{PM}=\overrightarrow{PN} $$

と同値である。

これは $M=N$ を意味する。しかし、四面体では $M\neq N$ であるから、この条件を満たす点 $P$ は存在しない。

(2)

任意の点 $Q$ について、

$$ \overrightarrow{QA}+\overrightarrow{QB}=2\overrightarrow{QM},\qquad \overrightarrow{QC}+\overrightarrow{QD}=2\overrightarrow{QN} $$

である。

したがって、条件

$$ \left|\overrightarrow{QA}+\overrightarrow{QB}\right| = \left|\overrightarrow{QC}+\overrightarrow{QD}\right| $$

$$ 2QM=2QN $$

すなわち

$$ QM=QN $$

と同値である。

よって、点 $Q$ の描く図形は、線分 $MN$ の垂直二等分平面である。

(3)

点 $R$ が

$$ RA^2+RB^2=RC^2+RD^2 $$

を満たすとする。

中線公式より、

$$ RA^2+RB^2=2RM^2+\frac{1}{2}AB^2 $$

であり、

$$ RC^2+RD^2=2RN^2+\frac{1}{2}CD^2 $$

である。したがって、

$$ 2RM^2+\frac{1}{2}AB^2 = 2RN^2+\frac{1}{2}CD^2 $$

となる。整理すると、

$$ RM^2-RN^2=\frac{CD^2-AB^2}{4} $$

である。

ここで、

$$ \vec v=\overrightarrow{MN},\qquad \vec x=\overrightarrow{MR} $$

とおく。このとき、

$$ RM^2=|\vec x|^2 $$

であり、また

$$ \overrightarrow{NR} = \overrightarrow{NM}+\overrightarrow{MR} -\vec v+\vec x \vec x-\vec v $$

より、

$$ RN^2=|\vec x-\vec v|^2 $$

である。

したがって、

$$ RM^2-RN^2 = |\vec x|^2-|\vec x-\vec v|^2 $$

である。右辺を展開すると、

$$ \begin{aligned} |\vec x|^2-|\vec x-\vec v|^2 &=|\vec x|^2-\left(|\vec x|^2-2\vec v\cdot\vec x+|\vec v|^2\right)\\ &=2\vec v\cdot\vec x-|\vec v|^2 \end{aligned} $$

となる。

よって、

$$ 2\overrightarrow{MN}\cdot\overrightarrow{MR}-MN^2 = \frac{CD^2-AB^2}{4} $$

である。したがって、

$$ \overrightarrow{MN}\cdot\overrightarrow{MR} = \frac{1}{2}MN^2+\frac{CD^2-AB^2}{8} $$

となる。

右辺は $R$ の位置によらず一定である。よって、点 $R$ が条件を満たしながら動くとき、内積

$$ \overrightarrow{MN}\cdot\overrightarrow{MR} $$

は $R$ のとり方によらず一定である。

(4)

(2) の図形は

$$ QM=QN $$

を満たす点 $Q$ の集合である。

(3) と同じ記号で、$\vec v=\overrightarrow{MN}$、$\vec x=\overrightarrow{MQ}$ とおくと、

$$ \begin{aligned} QM^2-QN^2 &= |\vec x|^2-|\vec x-\vec v|^2\\ &= 2\vec v\cdot\vec x-|\vec v|^2 \end{aligned} $$

である。

(2) の条件 $QM=QN$ は

$$ QM^2-QN^2=0 $$

であるから、

$$ 2\overrightarrow{MN}\cdot\overrightarrow{MQ}-MN^2=0 $$

すなわち

$$ \overrightarrow{MN}\cdot\overrightarrow{MQ} = \frac{1}{2}MN^2 $$

で表される平面である。

一方、(3) の点 $R$ の描く図形は

$$ \overrightarrow{MN}\cdot\overrightarrow{MR} = \frac{1}{2}MN^2+\frac{CD^2-AB^2}{8} $$

で表される平面である。

どちらも法線ベクトルが $\overrightarrow{MN}$ の平面であるから、両者が一致するための必要十分条件は、右辺の定数が一致することである。すなわち、

$$ \frac{1}{2}MN^2 = \frac{1}{2}MN^2+\frac{CD^2-AB^2}{8} $$

である。

これを整理すると、

$$ CD^2-AB^2=0 $$

すなわち

$$ AB^2=CD^2 $$

である。長さは非負であるから、

$$ AB=CD $$

と同値である。

よって、(2) の点 $Q$ が描く図形と (3) の点 $R$ が描く図形が一致するための必要十分条件は、

$$ |AB|=|CD| $$

である。

解説

この問題の中心は、中点を使ってベクトル和と平方距離の和を処理することである。

ベクトル和については、

$$ \overrightarrow{XA}+\overrightarrow{XB}=2\overrightarrow{XM} $$

と書けるため、(1), (2) は線分 $MN$ に関する条件に変わる。

平方距離の和については、中線公式

$$ XA^2+XB^2=2XM^2+\frac{1}{2}AB^2 $$

を使うことで、(3) の条件を $M,N,R$ だけの関係に変換できる。

(2) と (3) はどちらも線分 $MN$ に垂直な平面になる。ただし、(3) の平面は $AB$ と $CD$ の長さの差によって、(2) の垂直二等分平面から平行移動する。したがって、両者が一致するのは、そのずれがなくなる場合、すなわち $AB=CD$ の場合である。

答え

(1)

条件を満たす点 $P$ は存在しない。

(2)

点 $Q$ の描く図形は、線分 $MN$ の垂直二等分平面である。

(3)

$$ \overrightarrow{MN}\cdot\overrightarrow{MR} = \frac{1}{2}MN^2+\frac{CD^2-AB^2}{8} $$

であり、これは $R$ のとり方によらず一定である。

(4)

(2)

の図形と (3) の図形が一致するための必要十分条件は、

$$ |AB|=|CD| $$

である。

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