東北大学 2025年 理系 第5問 解説

方針・初手
点 $N(0,0,1)$ から $xy$ 平面への射影になっていることに着目する。
まず、点 $P(a,b,c)$ から点 $Q$ を求める式を出す。次に逆向きに、$xy$ 平面上の点 $(p,q,0)$ から球面上の点 $P$ を復元する式を求める。最後に、その復元式を平面 $\alpha$ の方程式に代入して、点 $Q$ の軌跡を調べる。
解法1
(1)
直線 $l$ は $N(0,0,1)$ と $P(a,b,c)$ を通るから、媒介変数 $t$ を用いて
$$ (x,y,z)=(0,0,1)+t(a,b,c-1) $$
と表せる。
点 $Q$ はこの直線と $xy$ 平面との交点であるから、$z=0$ を満たす。したがって
$$ 1+t(c-1)=0 $$
より
$$ t=\frac{1}{1-c} $$
である。ただし $P\neq N$ より $c\neq 1$ である。
よって
$$ Q\left(\frac{a}{1-c},\frac{b}{1-c},0\right) $$
となる。
(2)
$xy$ 平面上の点 $(p,q,0)$ と $N(0,0,1)$ を通る直線 $m$ は、媒介変数 $s$ を用いて
$$ (x,y,z)=(0,0,1)+s(p,q,-1)=(sp,sq,1-s) $$
と表せる。
この点が球面 $S:x^2+y^2+z^2=1$ 上にある条件は
$$ (sp)^2+(sq)^2+(1-s)^2=1 $$
すなわち
$$ s^2(p^2+q^2)+(1-s)^2=1 $$
である。整理すると
$$ s{(p^2+q^2+1)s-2}=0 $$
となる。
$s=0$ のときは点 $N$ であるから、点 $N$ 以外の交点に対応するのは
$$ s=\frac{2}{p^2+q^2+1} $$
である。
したがって、その交点の座標は
$$ \left( \frac{2p}{p^2+q^2+1}, \frac{2q}{p^2+q^2+1}, 1-\frac{2}{p^2+q^2+1} \right) $$
すなわち
$$ \left( \frac{2p}{p^2+q^2+1}, \frac{2q}{p^2+q^2+1}, \frac{p^2+q^2-1}{p^2+q^2+1} \right) $$
である。
(3)
平面 $\alpha$ は点 $\left(0,0,\frac12\right)$ を通り、法線ベクトルが $(3,4,5)$ であるから、その方程式は
$$ 3x+4y+5\left(z-\frac12\right)=0 $$
すなわち
$$ 3x+4y+5z=\frac52 $$
である。
いま、点 $Q$ の座標を
$$ Q=(p,q,0) $$
とおく。すると (2) より、これに対応する球面上の点 $P$ は
$$ P= \left( \frac{2p}{p^2+q^2+1}, \frac{2q}{p^2+q^2+1}, \frac{p^2+q^2-1}{p^2+q^2+1} \right) $$
である。
この $P$ が平面 $\alpha$ 上にあるので、
$$ 3\cdot \frac{2p}{p^2+q^2+1} +4\cdot \frac{2q}{p^2+q^2+1} +5\cdot \frac{p^2+q^2-1}{p^2+q^2+1} =\frac52 $$
が成り立つ。
両辺に $2(p^2+q^2+1)$ を掛けると
$$ 12p+16q+10(p^2+q^2-1)=5(p^2+q^2+1) $$
となる。整理して
$$ 5p^2+12p+5q^2+16q-15=0 $$
を得る。
これを平方完成すると
$$ 5\left(p+\frac65\right)^2+5\left(q+\frac85\right)^2=35 $$
すなわち
$$ \left(p+\frac65\right)^2+\left(q+\frac85\right)^2=7 $$
である。
これは $xy$ 平面上の円
$$ \left(x+\frac65\right)^2+\left(y+\frac85\right)^2=7,\qquad z=0 $$
を表す。
よって、点 $P$ が平面 $\alpha$ と球面 $S$ の交わりを動くとき、点 $Q$ は $xy$ 平面上の円周上を動くことが示された。
解説
この問題の本質は、点 $N(0,0,1)$ からの射影である。(1) は球面上の点から平面上の点への対応、(2) はその逆対応を与えている。
したがって (3) では、球面上の円 $\alpha\cap S$ を直接追うのではなく、いったん $xy$ 平面上の点 $(p,q,0)$ で表してから平面の条件を代入すればよい。すると $p,q$ について2次式が得られ、軌跡が円であることが分かる。
答え
$$ \text{(1)}\quad Q\left(\frac{a}{1-c},\frac{b}{1-c},0\right) $$
$$ \text{(2)}\quad \left( \frac{2p}{p^2+q^2+1}, \frac{2q}{p^2+q^2+1}, \frac{p^2+q^2-1}{p^2+q^2+1} \right) $$
$$ \text{(3)}\quad Q \text{ の軌跡は } \left(x+\frac65\right)^2+\left(y+\frac85\right)^2=7,\ z=0 $$
すなわち、中心 $\left(-\frac65,-\frac85,0\right)$、半径 $\sqrt7$ の円周である。
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