数学C 楕円 問題 21 解説

方針・初手
糸の全長 $18$ のうち、点 $A$ と点 $B$ の間に張られている部分の長さは常に $AB=8$ である。したがって、点 $P$ が動くとき
$$ PA+PB=18-8=10 $$
が成り立つ。この「2点からの距離の和が一定」という条件から楕円を考える。
解法1
点 $P$ は、2つの定点 $A,B$ からの距離の和が一定である点である。実際、糸はゆるまずに張られているので、糸のうち点 $P$ を通る部分の長さは
$$ PA+PB $$
であり、残りの部分は点 $A$ と点 $B$ の間の長さ $8$ である。
よって
$$ PA+PB=18-8=10 $$
である。
この条件を満たす点 $P$ の軌跡は、点 $A,B$ を焦点とする楕円である。
座標軸を、点 $A$ を原点、直線 $AB$ を $x$ 軸、点 $A$ を通り $AB$ に垂直な直線を $y$ 軸とする。すると
$$ A(0,0),\quad B(8,0) $$
である。
楕円の中心は $AB$ の中点なので、
$$ (4,0) $$
である。また、楕円上の点は
$$ PA+PB=10 $$
を満たすから、長軸の長さは $10$ である。したがって半長軸は
$$ a=5 $$
である。
焦点から中心までの距離は
$$ c=4 $$
であるから、半短軸を $b$ とすると、楕円の関係式
$$ b^2=a^2-c^2 $$
より
$$ b^2=5^2-4^2=25-16=9 $$
である。よって
$$ b=3 $$
である。
したがって楕円の方程式は
$$ \frac{(x-4)^2}{25}+\frac{y^2}{9}=1 $$
である。根号を含まない形にすると
$$ 9(x-4)^2+25y^2=225 $$
すなわち
$$ 9x^2+25y^2-72x-81=0 $$
である。
次に、直線
$$ y=\frac{3\sqrt{13}}{13}x $$
と楕円の交点を求める。
楕円の方程式
$$ 9(x-4)^2+25y^2=225 $$
に
$$ y=\frac{3\sqrt{13}}{13}x $$
を代入すると、
$$ 9(x-4)^2+25\left(\frac{3\sqrt{13}}{13}x\right)^2=225 $$
である。整理すると
$$ 9(x-4)^2+\frac{2925}{169}x^2=225 $$
であり、さらに整理して
$$ 38x^2-104x-117=0 $$
を得る。
これを解くと
$$ x=\frac{26}{19}\pm\frac{5\sqrt{286}}{38} $$
である。
対応する $y$ 座標は
$$ y=\frac{3\sqrt{13}}{13}x $$
より、
$$ y=\frac{6\sqrt{13}}{19}\pm\frac{15\sqrt{22}}{38} $$
である。複号は同順である。
したがって交点は
$$ \left(\frac{26}{19}+\frac{5\sqrt{286}}{38},\frac{6\sqrt{13}}{19}+\frac{15\sqrt{22}}{38}\right), \quad \left(\frac{26}{19}-\frac{5\sqrt{286}}{38},\frac{6\sqrt{13}}{19}-\frac{15\sqrt{22}}{38}\right) $$
である。
最後に、直線
$$ y=mx-4m+5 $$
が楕円に接する条件を求める。
この直線は
$$ y=m(x-4)+5 $$
と書けるので、楕円の中心 $(4,0)$ を基準に
$$ X=x-4 $$
とおく。楕円は
$$ \frac{X^2}{25}+\frac{y^2}{9}=1 $$
であり、直線は
$$ y=mX+5 $$
である。
これを楕円の方程式に代入すると
$$ \frac{X^2}{25}+\frac{(mX+5)^2}{9}=1 $$
である。両辺に $225$ をかけると
$$ 9X^2+25(mX+5)^2=225 $$
となる。展開して整理すると
$$ (9+25m^2)X^2+250mX+400=0 $$
である。
直線が楕円に接するためには、この2次方程式が重解をもてばよい。よって判別式を $0$ として
$$ (250m)^2-4(9+25m^2)\cdot 400=0 $$
である。整理すると
$$ 62500m^2-1600(9+25m^2)=0 $$
より
$$ 22500m^2-14400=0 $$
である。したがって
$$ m^2=\frac{16}{25} $$
となるので、
$$ m=\pm\frac{4}{5} $$
である。
接点を求める。重解の値は
$$ X=-\frac{250m}{2(9+25m^2)} $$
である。ここで $m^2=\frac{16}{25}$ より
$$ 9+25m^2=9+16=25 $$
だから
$$ X=-\frac{250m}{50}=-5m $$
である。
(i)
$m=\frac45$ のとき
$$ X=-5\cdot\frac45=-4 $$
であるから
$$ x=X+4=0 $$
である。また
$$ y=mX+5=\frac45\cdot(-4)+5=\frac95 $$
である。よって接点は
$$ \left(0,\frac95\right) $$
である。
(ii)
$m=-\frac45$ のとき
$$ X=-5\cdot\left(-\frac45\right)=4 $$
であるから
$$ x=X+4=8 $$
である。また
$$ y=mX+5=-\frac45\cdot 4+5=\frac95 $$
である。よって接点は
$$ \left(8,\frac95\right) $$
である。
解説
この問題の中心は、糸の長さから
$$ PA+PB=10 $$
を読み取ることである。ここを誤って $PA+PB=18$ とすると、楕円の大きさが全く変わる。
点 $A,B$ は楕円の焦点であり、中心は $AB$ の中点である。長軸の長さは $PA+PB$ の一定値であるから $10$、半長軸は $5$ である。焦点間距離が $8$ なので、中心から焦点までの距離は $4$ である。したがって半短軸は
$$ \sqrt{5^2-4^2}=3 $$
となる。
図に軌跡をかくときは、点 $A$ から左に $1$、点 $B$ から右に $1$ の位置が長軸の端であり、中心から上下に $3$ の位置が短軸の端である。これらを通るように、点 $A,B$ を焦点とする楕円をかけばよい。
接線条件では、直線
$$ y=mx-4m+5 $$
を
$$ y=m(x-4)+5 $$
と見て、中心を基準に $X=x-4$ とおくと計算が整理される。接する条件は、楕円との共有点を表す2次方程式が重解をもつことである。
答え
(1)
点 $A,B$ を焦点とする楕円。長軸の端は、点 $A$ の左に $1$、点 $B$ の右に $1$ の位置であり、短軸の端は $AB$ の中点から上下に $3$ の位置である。
(2)
楕円。理由は、糸の長さより常に
$$ PA+PB=18-8=10 $$
となり、2定点 $A,B$ からの距離の和が一定である点の軌跡だからである。
(3)
$$ 9x^2+25y^2-72x-81=0 $$
(4)
$$ \left(\frac{26}{19}+\frac{5\sqrt{286}}{38},\frac{6\sqrt{13}}{19}+\frac{15\sqrt{22}}{38}\right), \quad \left(\frac{26}{19}-\frac{5\sqrt{286}}{38},\frac{6\sqrt{13}}{19}-\frac{15\sqrt{22}}{38}\right) $$
(5)
$$ m=\frac45,\quad \text{接点 } \left(0,\frac95\right) $$
または
$$ m=-\frac45,\quad \text{接点 } \left(8,\frac95\right) $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





