数学C 双曲線 問題 9 解説

方針・初手
直線 $l$ を
$$ y=m(x-2) $$
とおき、双曲線
$$ \frac{x^2}{9}-\frac{y^2}{4}=1 $$
に代入して、交点の $x$ 座標を表す2次方程式を調べる。
特に、$H_1$ と $H_2$ の両方と交わるかどうかは、交点の $x$ 座標が正負に分かれるかで判定できる。
解法1
直線 $l:y=m(x-2)$ を $H$ に代入する。
$$ \frac{x^2}{9}-\frac{m^2(x-2)^2}{4}=1 $$
両辺に $36$ をかけて整理すると、
$$ 4x^2-9m^2(x-2)^2=36 $$
すなわち
$$ (4-9m^2)x^2+36m^2x-36(m^2+1)=0 $$
を得る。これを交点の $x$ 座標についての方程式とみる。
まず、これが2次方程式であるためには
$$ 4-9m^2 \neq 0 $$
すなわち
$$ m\neq \pm \frac{2}{3} $$
が必要である。
判別式を $D$ とすると、
$$ \begin{aligned} D &=(36m^2)^2-4(4-9m^2){-36(m^2+1)} \\ &=1296m^4+144(4-9m^2)(m^2+1) \\ &=144(4-5m^2) \end{aligned} $$
である。
直線 $l$ が $H$ と相異なる2個の共有点をもつためには、2次方程式が相異なる2つの実数解をもてばよい。したがって
$$ D>0 $$
より
$$ 4-5m^2>0 $$
であるから、
$$ -\frac{2}{\sqrt{5}}<m<\frac{2}{\sqrt{5}} $$
となる。
ただし、$m=\pm \frac{2}{3}$ のときは $x^2$ の係数が $0$ になり、方程式は1次方程式となる。実際、このとき交点は1個だけである。よって除外する。
したがって、(1) の範囲は
$$ -\frac{2}{\sqrt{5}}<m<\frac{2}{\sqrt{5}},\qquad m\neq \pm \frac{2}{3} $$
である。
次に、$l$ が $H_1$ と $H_2$ の両方と共有点をもつ条件を調べる。
交点の $x$ 座標を $\alpha,\beta$ とする。$H_1$ は $x>0$ の部分、$H_2$ は $x<0$ の部分であるから、両方と交わるためには $\alpha,\beta$ が正負に分かれればよい。
2次方程式
$$ (4-9m^2)x^2+36m^2x-36(m^2+1)=0 $$
について、解と係数の関係より
$$ \alpha\beta=\frac{-36(m^2+1)}{4-9m^2} $$
である。
$\alpha,\beta$ が正負に分かれる条件は
$$ \alpha\beta<0 $$
である。分子 $-36(m^2+1)$ は常に負であるから、
$$ 4-9m^2>0 $$
が必要十分条件となる。
よって
$$ -\frac{2}{3}<m<\frac{2}{3} $$
である。
次に、中点 $M$ の軌跡を求める。
$l$ が $H_1,H_2$ の両方と交わるとき、その交点を $P_1,P_2$ とし、それぞれの $x$ 座標を $\alpha,\beta$ とする。中点を
$$ M=(X,Y) $$
とおく。
解と係数の関係より、
$$ \alpha+\beta=-\frac{36m^2}{4-9m^2} $$
であるから、
$$ X=\frac{\alpha+\beta}{2} =-\frac{18m^2}{4-9m^2} $$
となる。
また、$P_1,P_2$ はどちらも直線 $y=m(x-2)$ 上にあるので、中点 $M$ も同じ直線上にある。したがって
$$ Y=m(X-2) $$
である。
ここで
$$ X=-\frac{18m^2}{4-9m^2} $$
から $m^2$ を $X$ で表す。
$$ X(4-9m^2)=-18m^2 $$
より、
$$ 4X=9(X-2)m^2 $$
したがって
$$ m^2=\frac{4X}{9(X-2)} $$
である。
一方、
$$ Y=m(X-2) $$
であるから、
$$ Y^2=m^2(X-2)^2 $$
となる。これに先ほどの式を代入すると、
$$ Y^2=\frac{4X}{9(X-2)}(X-2)^2 $$
よって
$$ Y^2=\frac{4X(X-2)}{9} $$
である。
整理して、
$$ 9Y^2=4X^2-8X $$
すなわち
$$ 4X^2-8X-9Y^2=0 $$
を得る。平方完成すると、
$$ 4(X-1)^2-9Y^2=4 $$
である。
したがって、2次曲線 $C$ の方程式は
$$ 4(x-1)^2-9y^2=4 $$
である。
標準形にすると、
$$ \frac{(x-1)^2}{1}-\frac{y^2}{\frac{4}{9}}=1 $$
である。よって $C$ は中心 $(1,0)$、横軸方向に開く双曲線である。
この双曲線について
$$ a^2=1,\qquad b^2=\frac{4}{9} $$
であるから、焦点までの距離 $c$ は
$$ c^2=a^2+b^2 =1+\frac{4}{9} =\frac{13}{9} $$
より、
$$ c=\frac{\sqrt{13}}{3} $$
である。
したがって、焦点の座標は
$$ \left(1-\frac{\sqrt{13}}{3},0\right),\qquad \left(1+\frac{\sqrt{13}}{3},0\right) $$
である。
解説
この問題の中心は、直線と双曲線の交点を $x$ 座標の2次方程式として処理することである。
(1) では判別式だけでなく、$x^2$ の係数が $0$ になる $m=\pm \frac{2}{3}$ を除外する必要がある。この2つは、見落としやすい特殊値である。
(2) では、$H_1,H_2$ の区別が $x$ の符号で決まるため、交点の $x$ 座標の積を見るのが最短である。
(3) では、中点の $x$ 座標を解と係数の関係で表し、中点も直線 $l$ 上にあることを使って $Y=m(X-2)$ とするのが要点である。実際に中点 $M$ が動くのは得られた双曲線の一部であるが、2次曲線 $C$ の方程式としては
$$ 4(x-1)^2-9y^2=4 $$
で表される。
答え
(1)
$$ -\frac{2}{\sqrt{5}}<m<\frac{2}{\sqrt{5}},\qquad m\neq \pm \frac{2}{3} $$
(2)
$$ -\frac{2}{3}<m<\frac{2}{3} $$
(3)
$$ 4(x-1)^2-9y^2=4 $$
(4)
$$ \left(1-\frac{\sqrt{13}}{3},0\right),\qquad \left(1+\frac{\sqrt{13}}{3},0\right) $$
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