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北海道大学 2018年 文系 第1問 解説

数学1/図形計量数学C/平面ベクトル数学A/図形の性質テーマ/図形総合
北海道大学 2018年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) 三角形の3辺の長さが $t$ を用いて表されているため、余弦定理を用いて $\angle ACB$ の大きさを求める。

(2) 外心 $O$ の性質(各頂点からの距離が等しいこと、各辺の垂直二等分線の交点であること)を利用する。幾何学的な性質に着目して三角形の形状から $t$ の値を導く方法と、ベクトルを用いて垂直条件を立式する方法が考えられる。

解法1

(1)

$\triangle ABC$ において、余弦定理より、

$$ \begin{aligned} \cos \angle ACB &= \frac{BC^2 + AC^2 - AB^2}{2 \cdot BC \cdot AC} \\ &= \frac{(t - 1)^2 + (\sqrt{2})^2 - (\sqrt{t^2 + 1})^2}{2(t - 1)\sqrt{2}} \\ &= \frac{(t^2 - 2t + 1) + 2 - (t^2 + 1)}{2\sqrt{2}(t - 1)} \\ &= \frac{-2t + 2}{2\sqrt{2}(t - 1)} \\ &= \frac{-2(t - 1)}{2\sqrt{2}(t - 1)} \end{aligned} $$

条件 $t > 1$ より $t - 1 \neq 0$ であるから、分母分子を $t - 1$ で割ると、

$$ \cos \angle ACB = -\frac{1}{\sqrt{2}} $$

$0^\circ < \angle ACB < 180^\circ$ であるから、

$$ \angle ACB = 135^\circ $$

(2)

点 $O$ は $\triangle ABC$ の外心であるから、$OA = OB = OC$ が成り立つ。

直線 $CO$ と直線 $AB$ の交点を $H$ とする。条件より、$CO \perp AB$ であるから、$OH \perp AB$ である。

$\triangle OAB$ は $OA = OB$ の二等辺三角形であり、その頂点 $O$ から底辺 $AB$ に下ろした垂線 $OH$ は、底辺 $AB$ を二等分する。 したがって、直線 $OH$ すなわち直線 $CO$ は、線分 $AB$ の垂直二等分線である。

点 $C$ は線分 $AB$ の垂直二等分線(直線 $CO$)上にあるので、$CA = CB$ が成り立つ。

$CA = \sqrt{2}$, $CB = t - 1$ であるから、

$$ t - 1 = \sqrt{2} $$

これを解いて、

$$ t = \sqrt{2} + 1 $$

この値は条件 $t > 1$ を満たす。

解法2

(2)の別解(ベクトルを用いる方法)

$\overrightarrow{CA} = \vec{a}$, $\overrightarrow{CB} = \vec{b}$ とおく。

条件より、$|\vec{a}| = \sqrt{2}$, $|\vec{b}| = t - 1$ である。 また、(1)より $\angle ACB = 135^\circ$ であるから、内積 $\vec{a} \cdot \vec{b}$ は、

$$ \begin{aligned} \vec{a} \cdot \vec{b} &= |\vec{a}| |\vec{b}| \cos 135^\circ \\ &= \sqrt{2}(t - 1) \left( -\frac{1}{\sqrt{2}} \right) \\ &= -(t - 1) \end{aligned} $$

点 $O$ は $\triangle ABC$ の外心であるから、辺 $CA$ および辺 $CB$ の垂直二等分線上にある。 したがって、以下の関係式が成り立つ。

$$ \begin{cases} \overrightarrow{CO} \cdot \vec{a} = \frac{1}{2}|\vec{a}|^2 \\ \overrightarrow{CO} \cdot \vec{b} = \frac{1}{2}|\vec{b}|^2 \end{cases} $$

これらに $|\vec{a}| = \sqrt{2}$ と $|\vec{b}| = t - 1$ を代入すると、

$$ \begin{cases} \overrightarrow{CO} \cdot \vec{a} = \frac{1}{2}(\sqrt{2})^2 = 1 \\ \overrightarrow{CO} \cdot \vec{b} = \frac{1}{2}(t - 1)^2 \end{cases} $$

次に、直線 $CO$ と直線 $AB$ が垂直に交わるための条件は、$\overrightarrow{CO} \perp \overrightarrow{AB}$ すなわち $\overrightarrow{CO} \cdot \overrightarrow{AB} = 0$ となることである。 $\overrightarrow{AB} = \vec{b} - \vec{a}$ であるから、

$$ \begin{aligned} \overrightarrow{CO} \cdot (\vec{b} - \vec{a}) &= 0 \\ \overrightarrow{CO} \cdot \vec{b} - \overrightarrow{CO} \cdot \vec{a} &= 0 \end{aligned} $$

上で求めた内積の値を代入すると、

$$ \frac{1}{2}(t - 1)^2 - 1 = 0 $$

$$ (t - 1)^2 = 2 $$

$t > 1$ より $t - 1 > 0$ であるから、

$$ t - 1 = \sqrt{2} $$

よって、

$$ t = \sqrt{2} + 1 $$

解説

(1)は余弦定理を正しく適用し、式を整理する基本的な計算問題である。文字 $t$ が含まれているが、計算を進めると $t$ が約分されて定数となる。

(2)は図形の性質を利用して計算量を減らすか、ベクトルを用いて機械的に処理するかの選択となる。 解法1のように「外心と頂点を結ぶ直線が対辺と垂直に交わるならば、その直線は対辺の垂直二等分線である」という図形的な対称性に気づけば、計算をほとんど行わずに極めて簡潔に解くことができる。 解法2のベクトルによるアプローチは、外心の定義(各辺の垂直二等分線の交点)を内積の式に翻訳する典型的な処理であり、図形的な閃きを必要としないため確実な手法である。

答え

(1) $135^\circ$

(2) $t = \sqrt{2} + 1$

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