北海道大学 1969年 理系 第6問 解説

方針・初手
与えられた相対度数表を確率分布とみなして、各事象の確率や期待値を計算する。 (1), (2)では「不良品が3個以上」または「不良品が2個以下」という事象の確率に着目し、反復試行の確率や余事象の確率の考え方を用いる。 (3)では、1回あたりの不良品の数の期待値を求め、その4回分の合計を計算する。
解法1
1回の検査で不良品の数が $k$ 個である確率を $P(X=k)$ と表す。表の相対度数がそれぞれの事象の確率となる。
(1)
1回の検査で不良品が3個以上はいっている確率は、$P(X \ge 3)$ である。 全確率の和は $1$ であるから、余事象である「不良品が2個以下」となる確率 $P(X \le 2)$ を求めて $1$ から引くと計算が早い。
$$P(X \le 2) = P(X=0) + P(X=1) + P(X=2)$$
$$= 0.13 + 0.35 + 0.27 = 0.75$$
よって、求める確率は
$$P(X \ge 3) = 1 - P(X \le 2) = 1 - 0.75 = 0.25 = \frac{1}{4}$$
次に、2回くり返して検査を行なうとき、2回とも不良品が2個以下である確率は、1回の検査で不良品が2個以下になる確率が連続して起こる確率である。 1回の検査で不良品が2個以下である確率は $P(X \le 2) = 0.75 = \frac{3}{4}$ であるから、求める確率は
$$\left( \frac{3}{4} \right)^2 = \frac{9}{16} = 0.5625$$
(2)
4回くり返して検査を行なうとき、「そのうち少なくとも1回3個以上の不良品がはいっている」という事象は、「4回とも不良品が2個以下である」という事象の余事象である。 4回とも不良品が2個以下である確率は、(1)で求めた $P(X \le 2) = \frac{3}{4}$ の4乗である。
$$\left( \frac{3}{4} \right)^4 = \frac{81}{256}$$
したがって、求める確率は
$$1 - \frac{81}{256} = \frac{175}{256}$$
(3)
1回の検査における不良品の数の期待値(平均値)を $E(X)$ とする。 期待値の定義より、各不良品の数と確率(相対度数)の積の総和を計算する。
$$E(X) = 0 \times 0.13 + 1 \times 0.35 + 2 \times 0.27 + 3 \times 0.14 + 4 \times 0.08 + 5 \times 0.02 + 6 \times 0.01$$
$$= 0 + 0.35 + 0.54 + 0.42 + 0.32 + 0.10 + 0.06$$
$$= 1.79$$
この検査を4回繰り返すとき、はいっている不良品の総数は、1回目の検査から4回目の検査までの不良品の数の和となる。 期待値の線形性(加法性)により、和の期待値は期待値の和となるため、求める総数の期待値は、1回の検査の期待値 $E(X)$ の4倍となる。
$$4 \times E(X) = 4 \times 1.79 = 7.16$$
解説
与えられたデータ(相対度数)を確率分布として扱う、確率と期待値の標準的な問題である。 (2)のように「少なくとも1回」というキーワードが出た場合は、余事象を考えるのが定石である。 (3)における複数回の試行の和の期待値は、「和の期待値は、期待値の和に等しい」という性質を利用すると計算が非常にシンプルになる。4回の試行で考えられる不良品の総数についてそれぞれの確率を求めてから期待値を計算しようとすると、計算量が膨大になってしまうため注意が必要である。
答え
(1) 最初の空欄: $\frac{1}{4}$ (または $0.25$) 、次の空欄: $\frac{9}{16}$ (または $0.5625$)
(2) $\frac{175}{256}$
(3) $7.16$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











